料理の献立や調理方法などを季節や状況で判断する
現状の「しゃべる家電」はIT機器が中心だが、生活家電の分野にもその波は押し寄せている。
以前から「音声ガイド」として操作の説明を音声で行う製品はあったが、現在のしゃべる家電は、単なる操作ガイドではなく、「その家電をどのように使うかの相談」ができるのだ。
その代表格にあるのが、シャープの「AIoT家電」。調理家電の「ヘルシオ」や「ヘルシオ ホットクック」などがそれだ。
例えば、「500ワットで30秒温めて」と音声で操作したり、「今日は何を作ろうか?」といった相談もできたりする。
●季節に合ったメニューを提案してくる
気温や季節によって、最適なメニューを提案してくる。続けて使っていると、オーナーの好みを理解し、メニューを選定する。
それぞれの製品は無線LAN接続機能を搭載し、クラウドサービスの「COCORO KITCHEN」(ココロ キッチン」に接続。季節や状況によって提案するメニューを変えるなど、芸が細かい。
ちなみに、「AIoT」とは、AI(人工知能)とIoT(モノのインターネット)を組み合わせたシャープによる造語。単にモノがネットに接続してやり取りするだけでなく、人工知能によって学習し、成長するシステムを目指している。
最適な操作方法を教えてくれる
シャープ
ヘルシオ AX-XW400
実売価格例:12万8220円

無線LAN搭載のウォーターオーブン。献立を提案するほか、「○○を温めたい」といえば、「サックリ温めを使って…」などと、モードの種類も指定してくれる。
●調理履歴からメニューを提案
シャープ
ヘルシオ ホットクック KN-HW24C
実売価格例:6万6770円

無線LAN搭載の電気無水鍋。「聞いて」ボタンを押すと、メニュー占いや調理ランキングからメニューが決められる。調理履歴も記録し、好みやライフスタイルを把握してくれる。
●買った食材から献立をアドバイス
シャープでは、冷蔵庫のSJ-GX55Dにも「COCORO KITCHEN」が導入。旬の食材からおすすめメニューを提案する。
また、購入した食材を登録しておけば、庫内にある食材を使ったメニューを提案してくれるので、買ったまま放置され、廃棄に至るという食材も激減するだろう。
ほかにも、冷蔵庫の手入れ時期のタイミング、上手な解凍方法や保存方法なども教えてくれる。
シャープ
SJ-GX55D
実売価格例:28万3020円
こちらも無線LANを搭載しており、クラウドサービスに対応。買った食材を管理し、メニューの提案をしたり、毎回購入する食材などを覚え、買い増しの時期になると教えてくれたりする。
今後、家電製品は、無線LAN機能搭載、クラウド連係、音声操作が標準となっていくことが予想される。
今後、シャープ以外の各メーカーも、次々としゃべる家電を投入してくるだろう。
●しゃべる生活家電でできること
【オーブンまたは電気鍋】
・その日の気温などにより、旬の素材やおすすめのメニューを提案
・温め時などには、ワットや時間の設定を音声で入力できる
【冷蔵庫】
・保管している食材の管理を行う
【編集部注】ホットクックのKN-HW24Cと冷蔵庫のSJ-GX55Dなどについて、Amazon EchoとGoogle Homeへの連係対応が発表されました。
解説/岡安 学(デジタルライター)
イラスト/早川 修
※表示の価格は、記事制作時のものです。