ワイドFMの登場でラジオ人気が復活! 趣味用から災害対策向けまで用途で選びたい!【目指せ!家電選びの達人】

防災

近年、通勤や通学の途中、また、家事や仕事をしながらラジオを聴く人が増えている。その背景には、受信しやすくなったり、音がよくなったりと、ラジオを取り巻く環境が変化してきたことに加え、さまざまな情報を手軽に、早く知りたいというニーズがあるようだ。

ラジオの最新事情
「radiko」やワイドFMの登場でラジオが復権

ラジオ番組はテレビ番組と違い、何となく流しておいても作業のじゃまになることが少ないため、以前から家庭やオフィスでよく聴かれているが、最近は、ラジオを取り巻く環境が変化し、以前にも増して積極的に利用されるようになっている。

そのきっかけとなったのが、2010年にスタートした、インターネットを使ったラジオ番組の配信サービス「radiko」(ラジコ)だ。

都市部は高層ビルの建設、山間部は大規模開発などの影響で、ラジオを聴きにくい状況が長く続き、これに起因して聴取率が低下。ラジオ業界は存亡の危機となり、そもそもは、その打開策として始まった。

「radiko」は、パソコンのブラウザーやスマホのアプリを使って、今いる地域のラジオ番組がノイズのないクリアな音で、しかも無料で聴けるため、ラジオ機器を持たない世代にもウケて大人気となった。現在では、全国の93のラジオ局が加盟するまでに拡大している。

また、プレミアム会員に登録(月額378円)すると、全国のラジオ局がどこにいても聴き放題になる。

そして、2014年に始まった「ワイドFM(FM補完放送)」も注目度が高い。

これは、地上アナログテレビが停波し、VHF1〜3チャンネルの音声送信に使っていたFMの周波数が空いたので、その90.1〜94.9Mヘルツを利用してAMラジオ番組を放送するもの。

AM波は地表を這って伝わるため、周囲に高層ビルや鉄筋コンクリート住宅などがあると受信しづらいが、FMは高所から送信され、どんな場合でも受信しやすいという特徴があるため、基本的には、AMラジオの難聴対策だった。

番組内容はAM放送と同一なので、AMの受信状態が悪いときにはFMで受信できるというわけだ。

また、AMは電波塔の多くが平地にあり、災害時に影響を受けて放送できなくなるおそれがあるが、FMは中継局が高台にあるので、比較的安全。

ワイドFMは、災害対策の役割も担っているのだ。

【今、ラジオが人気の理由とは?】

●ワイドFM放送が注目度大
AM放送の難聴対策や災害対策のために、FMの周波数帯を用いて補完的にAMラジオ番組を放送するもの。90.1〜94.9MHzでAMのラジオ番組を聴くことができる。

●非常時の情報源として役立つ
ラジオは非常時の必携アイテム。特に、災害時でも情報が速く届き、避難指示、安否、津波や火災といった二次災害の情報入手にも役立つ。スマホより電池のもちがいいのも利点。

●「radiko」が人気
ラジオ番組がインターネットで同時配信されるサービス。パソコンのブラウザーやスマホのアプリでアクセスするだけ。エリア内は無料で、有料登録すると全国の放送が聴ける。

●さまざまなタイプの製品が登場
ワイドFMならAM番組も聴けるので、近年、FM専用ラジオも増加中。音質にこだわったもの、タイマーを装備したもの、手回し充電が可能なものなど、バラエティ豊富にそろう。

どんなラジオがある?
ブルートゥース搭載やデザイン志向が目を引く

ラジオは、とても多彩な製品がそろっているが、通常は、用途や目的に合わせて、スタイル重視で選ぶことになるだろう。

例えば、通勤や通学に使うならポケットラジオ、寝室や書斎で使うならホームラジオといった具合だ。

また、キッチンなら防滴タイプ、お風呂なら防水タイプ、アトリエやオフィスには上品な雰囲気のタイプ、スタジオやガレージには硬派なイメージのモデルなど、仕様やデザインを吟味するのも楽しく、より愛着や満足感も増すだろう。

今回は、そんな多彩なラジオの中から、特に個性が際立っているものを集めてみた。

まず、東芝TY-SPR7は、スピーカー付き充電台を付属したポケットラジオ。充電台に本体を差し込むと、ステレオ仕様のホームラジオになる。

amadanaは、クラシックな木目がインテリアふうで、寝室や書斎に好適。パナソニックRF-200BTは防滴仕様で、キッチンやダイニングに向く。

また、Hintマキタは、独特のデザインが印象的。前者はオフィスなどで、後者はアウトドアなどで好まれそうだ。

ソニーCF-M780N BCは、FM/AMに加えて、「ラジオNIKKEI」(株式市況、競馬中継、健康などを主軸に据える短波放送)を受信できるのがおもしろい。

いずれも、ワイドFMに対応している。

なお、「radiko」は、パソコンやスマホ向けのサービスなので、パソコンでは「http://radiko.jp/」にアクセス、スマホの場合は「radiko」アプリを入手しよう。

【多彩なタイプのラジオがそろう!】

■ 東芝
TY-SPR7
実売価格例:1万980円

ポケットラジオの充電台にステレオスピーカーを搭載。本体をセットすると、切り替え操作なしでラジオのステレオ放送を聴ける。充電台のスピーカーは口径が大きく、ホームラジオのような本格的な音場を楽しめる。
【本体】●幅56mm×高さ95mm×奥行き13mm●64g(電池除く)●電源:単4×2 【充電台】●幅110mm×高さ50mm×奥行き60mm●135g●電源:AC100V

■ amadana
Amadana Music Radio UVZZ-10065
実売価格例:1万9224円

リアルウッドの木目がクラシカルで、落ち着いた雰囲気を醸し出し、書斎やアトリエに置くと小粋なインテリアになる。FM局ネットワークとの共同開発で、コンパクトながら上質で繊細なサウンドを聴かせる。
●幅240mm×高さ50.5mm×奥行き101mm●466g●電源:AC100V●スマホ充電対応(USB)

USB端子を装備し、スマホの充電も可能。

■ パナソニック
RF-200BT
実売価格例:8660円

キッチンやダイニングで使える防滴仕様(IPX3相当)。コンパクトなキュービックスタイルがかわいらしい。アラーム、スリープタイマー、全20局のプリセット、受信レベル表示など、多彩なラジオ機能を持つ。●幅90mm×高さ140mm×奥行き100mm●750g●電源:AC100V、単3×3

■ Cerevo
Hint BLE Radio
実売価格例:2万3738円

無指向性スピーカーによって、360度に音が広がる斬新なフォルム。開発にはニッポン放送が参加し、声にフォーカスした柔らかなサウンドが印象的。カチカチ回るダイヤル、美しいLEDライトなど、デザインもしゃれている。●幅80mm×高さ297mm×奥行き80mm●1075g●電源:AC100V、充電池

Hint BLE Radioの天面表示部

■ マキタ
MR108
実売価格例:2万7864円

バンパーやパイプの頑丈な造作がタフさを強調。しかも、IP64の防塵・防滴仕様なので、ガレージやスタジオにベストマッチ。AC電源のほか同社のリチウムイオンバッテリーに対応。クリアな音質と迫力の重低音に感動する。●幅163mm×高さ294mm×奥行き282mm●4.3kg●電源:AC100V、充電池●スマホ充電対応(USB)

■ ソニー
ICF-M780N
実売価格例:9936円

FM/AM/ラジオNIKKEIが聴けるシンプルなラジオ。ボタンを押して簡単に選局できるシンセチューナーを搭載し、ボリューム調節も大きなダイヤルで直感的に操作できて快適。AC電源のほか、乾電池でも使える。
●幅253mm×高さ136.3mm×奥行き61.2mm●1060g●電源:AC100V、単2×3

非常時にもラジオが活躍
手回し充電やLEDライトなど便利機能を搭載

ここ数年は、防災意識の高まりから、ラジオへの関心が強くなっている面もありそうだ。

というのも、災害時は、テレビは停電して使えないかもしれないし、スマホもバッテリー切れに不安があり、情報入手にはラジオが最適だからだ。

情報の信頼度は高いし、津波や火災といった二次災害の情報も早期にわかる。

また、スマホより、電池のもちがいいのもメリット。非常用リュックに防災ラジオと乾電池を入れておくのは、もはや常識といえる。

手回し充電タイプ

■ ソニー
ICF-B09
実売価格例:6780円

LEDライトは2種類を搭載し、懐中電灯だけでなく、ランタンのようにも使えて便利だ。手回し充電はハンドルと本体のバランスがよく、軽快に回せる。水しぶきや少量の雨でも安心して使えるIPX4相当の防滴仕様。
●幅132mm×高さ77mm×奥行き58mm●376g●電源:充電池、単3×2●スマホ充電対応(USB)

充電ハンドル

■ パナソニック
RF-TJ20
実売価格例:5250円

電源ボタンは蓄光タイプ、液晶ディスプレイはバックライトが点灯するので、暗い場所でも使いやすい。スピーカーを二つ持つ独特のスタイル(音はモノラル)で、音声が聴き取りやすい。
●幅144.5mm×高さ55.6mm×奥行き59.0mm●288g●電源:充電池、単4×3●スマホ充電対応(USB)

充電ハンドル

■ 東芝
TY-JKR5
実売価格例:6920円

IP54相当の防塵・防滴仕様なので、水がはねる場所でもホコリっぽい屋外でも使用可能。手回し充電には長期保管に強いキャパシタを採用し、ハンドルを回すとラジオ受信/スマホ充電にすぐに使える。
●幅110mm×高さ65mm×奥行き35mm●188g(電池除く)●電源:充電池、単4×2●スマホ充電対応(USB)

充電ハンドル

そう、防災ラジオの電源は、乾電池だ。

近年、手回し充電が可能なモデルも増えているが、ハンドルを回し続けるのはけっこう大変なので、通常は乾電池を使い、手回し充電は乾電池が切れた場合など、緊急時用と考えよう。

ちなみに、乾電池も進化していて、パナソニックのエボルタや東芝のインパルスなど、新世代のアルカリ乾電池は約10年の長期保存が可能。ぜひ一緒にストックしておきたい。

なお、LEDライトを搭載するラジオも増えている。LEDは消費電力が小さく、それほど電池を消耗しないことから使用しても負担が少ない。

明かりが必要なとき、防災ラジオがライトになるので一石二鳥だ。

【そのほか、こんな機能にも注目!】

●ブルートゥース
スマホの音楽などをワイヤレスで通信してラジオのスピーカーで再生。

●防水/防滴仕様
キッチンならIPX3以上、アウトドアはIPX4以上、お風呂はIPX5以上だと安心。

●スマホ充電
ラジオとUSBケーブルでつないで充電可能なモデルも。ただし、電池の消耗に要注意だ。

監修/中村 剛(「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権優勝)
◆Profile/「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。→「くらしのラボ」はこちら

取材・執筆/市川政樹(テクニカルライター)

※価格は記事制作時のものです。

※乾電池の記事はこちら

PR

大切な愛車を守る“最後の砦”!データシステム『カースティールブロッカー』で乗り逃げを阻止する!【盗難防止】[PR]
ひと昔前と比べれば減少傾向にはあるものの、依然として自動車盗難が各地で発生している。ここ数年の盗難被害台数は、1年間で5000台以上! なかでも、プリウス、ランクル、レクサスLX、アルファードなどのトヨタ車に盗難事例が集中している。大切な愛...

PRニュース