パソコン(PC)を長く使っていると、だんだんと動作が遅くなり、イライラさせられることが増えてくる。そんなときはまず遅くなった原因を調べ、それを改善する対処法を試してみるといい。PCを修理に出したり、買い替えたり、初期化したりするのは、それからでも遅くはないはずだ。それに、うまくいけば意外とあっさり「軽く」「速く」なることも多い。今回は、Windows10や8.1、7のほか、最新OSの「Windows11」にも一部対応したテクニックを紹介する。

対処法⑦ メモリーを圧迫する重いアプリを特定&削除する

▶対応OS:11/10/8.1

心当たりが特にないのにパソコンの操作が遅いときは、特定のアプリがメモリーを圧迫している可能性が高い。

そんな重いアプリは「タスクマネージャー」から探し出すのがベスト。タスクマネージャーの「プロセス」からは、起動中のアプリがどれだけメモリーを使用しているのか確認できる。

あとは念のため、作業中のファイルをいったん保存してから、重いアプリを終了させればメモリーの空き容量を増やすことができる。

改善策-1 空きメモリーを増やす

「タスクマネージャー」はスタートボタンの右クリッメニュー、もしくは「CTRL+ALT+DELETE」キーから起動可能。簡易表示で立ち上がった場合は、画面左下の「詳細」をクリックして詳細モードに切り替える。

画像: メモリー使用量をチェックするには、タスクマネージャーを「詳細モード」に変更する必要がある。

メモリー使用量をチェックするには、タスクマネージャーを「詳細モード」に変更する必要がある。

詳細モードの「プロセス」タブでは、動作中のアプリの一覧を確認可能。メモリー消費量は、一覧の「メモリ」の列で把握できる。

大量のメモリーを消費している重いアプリが特定できたら、そのアプリに切り替えて通常の手順で終了させよう。もちろん、その際は作業中のファイルを保存するのをお忘れなく。

画像: 列最上段の「メモリ」部分をクリックすると、アプリの並びをメモリーの使用量順に切り替えることも可能だ。

列最上段の「メモリ」部分をクリックすると、アプリの並びをメモリーの使用量順に切り替えることも可能だ。

改善策-2 ブラウザーのタブを閉じる

ブラウザーのタブはついついたくさん開いてしまいがちだが、これがメモリーを思いのほか消費する。不要なタブは早めに閉じておくほうが無難だ。

画像: ブラウザーによってタブの閉じ方は異なるが、大半はタブの右クリックメニュー→「タブを閉じる」や、タブ上の「×」ボタンで閉じられるはずだ。

ブラウザーによってタブの閉じ方は異なるが、大半はタブの右クリックメニュー→「タブを閉じる」や、タブ上の「×」ボタンで閉じられるはずだ。

対処法⑧ エクスプローラーのレスポンスを改善する

▶対応OS:11/10/8.1

「エクスプローラー」ではビギナーでも使いやすいようにに、画像のサムネイルを表示してくれたり、ツールアイコンにマウスカーソルを重ねるとガイドを出してくれたりなど、さまざまな配慮が施されている。

ただし、こうした機能は少なからずメモリーを消費する。レスポンスを重視するなら、思い切って無効化してしまおう。

改善策 「フォルダーオプション」の無効化

10/8.1は、エクスプローラー上部のリボンから「表示」→「オプション」、11の場合は、エクスプローラーのツールバーから「…」→「オプション」をクリックする。

画像: 10/8.1の場合、エクスプローラーのリボンは画面右上の「V」アイコンをクリックすることで展開できる。

10/8.1の場合、エクスプローラーのリボンは画面右上の「V」アイコンをクリックすることで展開できる。

「フォルダーオプション」が開いたら、「表示」→「詳細設定」にある下記の項目のチェックを外す。

・フォルダーとデスクトップの項目の説明をポップアップで表示する
・フォルダーのヒントにファイルサイズ情報を表示する
・フォルダーの結合の競合を非表示にする
・暗号化や圧縮されたNTFSファイルをカラーで表示する
・空のドライブは表示しない
・登録されている拡張子は表示しない

また、下記の項目についてはチェックを付ける。

・常にアイコンを表示し、縮小版は表示しない

設定が終わったら、ウィンドウ上部の「フォルダーの表示」項目にある「フォルダーに適用」を選択し、「この種類のフォルダーすべてについて現在のフォルダー表示設定を適用しますか?」とメッセージが表示されたら「はい」をクリックする。

画像: 初期設定のフォルダーには「既定値に戻す」から戻せる。

初期設定のフォルダーには「既定値に戻す」から戻せる。

対処法⑨ 電源オプションのカスタマイズでパフォーマンスを改善する

▶対応OS:11/10/8.1

Windowsの初期設定では、消費電力と性能のバランスを取ってほどほどの速度で動作するようになっている。従って、処理速度優先でパソコンを利用したい場合は、「電源オプション」の設定を変更してパフォーマンスを上げればいい。

改善策 電源オプションを変更する

「コントロールパネル」→「システムとセキュリティ」→「電源オプション」→「プラン設定の変更」をクリック。

画像: 電源プランが複数ある場合は、現在利用しているプランの「プラン設定の変更」を選択する。

電源プランが複数ある場合は、現在利用しているプランの「プラン設定の変更」を選択する。

「詳細な電源設定の変更」をクリックする。

画像: 「このプランの既定の設定を復元」をクリックすると、初期状態の電源プラン設定に戻せる。

「このプランの既定の設定を復元」をクリックすると、初期状態の電源プラン設定に戻せる。

電源オプションの「詳細設定」から「プロセッサの電源管理」を下記の内容に変更する。

・最小のプロセッサの状態
 バッテリ駆動:100%
 電源に接続:100%

・システムの冷却ポリシー
 バッテリ駆動:アクティブ
 電源に接続:アクティブ

・最大のプロセッサの状態
 バッテリ駆動:100%
 電源に接続:100%

画像: 元の電源オプション設定に戻したい場合は「既定のプランの復元」をクリック。

元の電源オプション設定に戻したい場合は「既定のプランの復元」をクリック。

対処法⑩ ハードウェアトラブルの原因を特定する

▶対応OS:11/10

パソコンになんらかのトラブルが生じていると、本来のパフォーマンスが出せなくなり、レスポンスが重くなってしまう。

そんなときに役立つのが、「デバイスのパフォーマンスと正常性」だ。本機能を活用すればパソコンに詳しくない初心者でもトラブルの原因を特定し、適切な対策を取ることが可能だ。

改善策 「デバイスのパフォーマンスと正常性」を実行

10は「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」から、11は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」から、それぞれ「デバイスのパフォーマンスと正常性」をクリックする。

画像: Windowsセキュリティでは、ウイルススキャンやファイアウォールなど、総合的なセキュリティ対策を提供している。

Windowsセキュリティでは、ウイルススキャンやファイアウォールなど、総合的なセキュリティ対策を提供している。

「Windows Defender セキュリティセンター」→「デバイスのパフォーマンスと正常性」→「状態レポート」を開く。すべての項目に緑色のチェックマークが付いているなら、システムは正常に動作している。

画像: 「デバイスのパフォーマンスと正常性」からは、Windowsのクリーンインストールも利用できる。

「デバイスのパフォーマンスと正常性」からは、Windowsのクリーンインストールも利用できる。

「!」マークがある場合は、システムに問題が生じていることを示している。その場合は「!」マーク末尾の「V」をクリックし、画面の指示に従って適切な対策を行おう。

画像: 状態レポートになんらかの異常がある場合は、黄色の警告マークが表示される。

状態レポートになんらかの異常がある場合は、黄色の警告マークが表示される。

【関連記事】パソコンの動作が「不安定」な場合…診断する方法はこちら

対処法⑪ ストレージの寿命をチェックする

▶対応OS:11/10/8.1

ハードディスクやSSDなど、ストレージは消耗品であり、時間経過とともに経年劣化していき、やがて寿命を迎える。こうした劣化したストレージを使っていると、データ消失のリスクはもちろん、パソコンの動作速度にも悪影響を及ぼす。

パソコンの動作が重いのに特に心当たりがない場合は、ストレージが劣化している可能性もありうる。こうしたときはフリーソフトを使って、ストレージの劣化具合をチェックしてみるのも手だ。

改善策 ストレージの寿命をフリーソフトでチェックする

ハードディスクやSSDなど、ストレージの異常を調べるには、フリーソフトの「CrystalDiskInfo」が便利だ。

ストレージの「S.M.A.R.T.情報」を読み込んで、電源投入数や使用時間、温度などを表示してくれるほか、ストレージの健康状態を「正常・注意・異常」の3段階で示してくれる。

画像: ハードディスクだけでなく、SSDの健康状態もチェックできる。

ハードディスクだけでなく、SSDの健康状態もチェックできる。

さらに、タスクトレイに常駐し、ストレージに異変が生じた際にポップアップで警告を表示する機能も搭載。ストレージの寿命や劣化具合を手軽に確認できるので非常に便利だ。

アプリのダウンロードはこちら

対処法⑫ ウイルス駆除を実行する

対応OS:11/10/8.1

「パソコンウイルス」と聞くと、データ流出の被害が真っ先に思い浮かぶかもしれないが、ウイルスの種類は千差万別。なかにはパソコンの動作を重くするウイルスも存在している。

従って、何も思い当たる節がないのに、パソコンが重い場合はウイルスに感染している可能性も考えられる。まずはセキュリティアプリを使ってウイルススキャンを実行しよう。

改善策 OS標準搭載のウイルス対策機能を活用

11/10には、標準で「Windowsセキュリティ」と呼ばれる総合セキュリティアプリが搭載されている。本アプリを使えば、ウイルススキャンから駆除までを実行可能だ。

Windowsセキュリティを起動するには、10の場合、「更新とセキュリティ」→「Windowsセキュリティ」、11は「設定」→「プライバシーとセキュリティ」からそれぞれ「Windowsセキュリティを開く」をクリックする。

画像: Windowsセキュリティは、タスクトレイのアイコンからも起動可能だ。

Windowsセキュリティは、タスクトレイのアイコンからも起動可能だ。

ウイルススキャンと駆除は「ウイルスと脅威の防止」から利用できる。

画像: Windowsセキュリティでは手動のウイルススキャンも可能だが、リアルタイム保護も搭載されており、ウイルスの侵入をリアルタイムで防いでくれる。

Windowsセキュリティでは手動のウイルススキャンも可能だが、リアルタイム保護も搭載されており、ウイルスの侵入をリアルタイムで防いでくれる。

「クイックスキャン」では、スキャン範囲をシステム内で脅威が検出されることが多いフォルダーに限定することで高速スキャンを実現。さらに、念入りなスキャンを行いたい場合は、「スキャンのオプション」→「フルスキャン」を実行しよう。

万が一、ウイルスが検出された場合は「検疫」により隔離措置が行われ、感染リスクを防いでくれる。

画像: 「スキャンのオプション」からは、フルスキャンのほかに任意のフォルダーを指定した「カスタムスキャン」なども利用できる。

「スキャンのオプション」からは、フルスキャンのほかに任意のフォルダーを指定した「カスタムスキャン」なども利用できる。

なお、8.1の場合、Windowsセキュリティは非搭載だが、ウイルス対策アプリとして「Windows Deffender」を利用可能となっており、11/10と同様にウイルススキャンや駆除を利用可能だ。

対処法⑬ Windowsアップデートを適用する

対応OS:11/10/8.1

インターネット経由でアップデートファイルを自動ダウンロードし、Windowsのシステムやセキュリティを常に最新の状態に保ってくれるのが「Windowsセキュリティ」だ。

パソコンのトラブルによってはWindowsアップデートを適用することで不具合が解消されて、動作が改善する可能性もある。

改善策 Windowsアップデートの実行方法

Windowsアップデートは初期設定で自動適用されるようになっているため、通常は手動で適用する必要はない。

しかし、なんらかの理由で設定を変更していると、アップデートが保留されて適用されないままになっている可能性もある。
8.1では「PC設定の変更」→「保守と管理」、10は「設定」→「更新とセキュリティ」、11は「設定」から「Windows Update」をそれぞれ開いて、更新が滞っていないか確認してみよう。

画像: 「更新プログラムのチェック」をクリックして、未適用のアップデートがないかチェックしよう。

「更新プログラムのチェック」をクリックして、未適用のアップデートがないかチェックしよう。

更新プログラムが適用されずに保留状態になっている場合は、作業中のファイルを保存するなどしてからアップデートを完了させよう。

まとめ

パソコンが重くなる原因はユーザー環境によって千差万別。システム設定やストレージの空き容量など、怪しい点をくまなくチェックして動作の改善を図っていこう。

また、パソコンのメモリーが極端に少ないときは、8GB以上に増設すると劇的に動作が改善する場合が多い。システムドライブのストレージがHDDの場合は、データ転送速度の速い「SSD」へ換装するのも極めて効果的だ。

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。

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