【交換レンズ】美しいボケが得られる大口径レンズ 接写には中望遠マクロレンズ

文具・ホビー・カメラ

Q 望遠とかズームとか聞くけど、レンズってどんな種類がある?

A
「広角」「標準」「望遠」など焦点距離のほか、「単焦点」と「ズーム」の違い、「マクロ」「魚眼」などの特殊系もある。

まずは、焦点距離による違い。

短い順から、「広角」「標準」「望遠」となり、広角や望遠にはそれぞれ「超」がつくタイプもある。

また、焦点距離が固定された「単焦点」と幅広い焦点域をカバーする「ズーム」に分かれる。

両者の組み合わせで最もなじみがあるのが、「標準ズーム」だろう。

カメラを買うとキットレンズとして付いてくることが多く、フルサイズで焦点距離50ミリ、APS-Cなら35ミリを中心とする使用頻度の高い焦点距離をカバーする。

ズームレンズには、標準ズームよりも長い焦点距離域の「望遠ズーム」、さらに長い「超望遠ズーム」、反対に標準ズームよりも短い焦点距離域の「広角ズーム」、さらに短い「超広角ズーム」がある。

広角から超望遠域までをカバーする「高倍率ズーム」も存在する。

単焦点レンズでも、ズームレンズと同様にラインアップがそろう。

そのほか、特殊な用途向けとして、広い画角を持ち、歪曲した画像が得られる「対角線魚眼レンズ」、歪曲した円形の画像となる「円周魚眼レンズ」、近接撮影の可能な「マクロレンズ」、アオリ撮影ができ、建築物などの撮影に使われる「シフトレンズ」などがある。

対角線魚眼レンズの作例

広い画角と大きく歪曲した描写が特徴の対角線魚眼レンズ(サムヤン・8mm F2.8 UMC FISH-EYE II)で撮影。いつも見る風景が大きく変化し、新鮮に感じられる。

Q 大口径レンズってどういうもの? どんな写真が撮れる?

A
開放F値F1.4などの明るいレンズ。暗い場所での撮影に強く、大きなボケが作れるが、大きく重く高価。

大口径レンズとは、一般に開放F値が明るいレンズのことを指す。

数値的にどこからを大口径とするかは人によって異なるが、F1.4もしくはそれよりも明るいレンズであることが一つの目安となるだろう。

大口径レンズのメリットは、まず暗い場所での撮影や、少しでも速いシャッターを切りたい撮影で有利なことだ。

F1.4レンズの場合、開放絞りF2の交換レンズと比べて1段、開放絞りF2.8なら2段速いシャッターを切ることができる。

手ブレや被写体ブレを抑えたいときなど、強力な味方になってくれる。

また、より大きく柔らかいボケが得られるのもメリット。

被写体を背景から浮かび上がらせ、立体感ある描写が楽しめる。

レンズによってはとろとろに溶けるような美しいボケも得られる。

一方、デメリットとしては、大きく重いことが挙げられる。

ぶらぶらと歩き回るスナップ撮影や、少しでも荷物を軽くしたいときなど、負担になりやすい。

また、レンズ自体も高価なものがほとんどで、大口径ゆえにフィルター径が大きく、フィルターなどの出費もかさみやすい。

大口径レンズで柔らかいボケが得られる

開放F1.4、焦点距離50ミリの交換レンズ(シグマ・50mm F1.4 DG HSM)で撮影、絞りは開放である。背景が大きく柔らかくボケ、被写体が鮮明に浮か上がる。

Q 単焦点レンズのメリットって何? ズームじゃダメなの?

A
同じ焦点距離でも明るいレンズが多く、描写力に優れる。撮りたい焦点域が決まっていればおすすめ。

決まった範囲内であれば自由に焦点距離が選べるズームレンズと、焦点距離の固定された単焦点レンズ。

便利なのはいうまでもなくズームレンズで、カメラと組み合わせて販売されるキットレンズをはじめ、広く浸透している。

だったら、単焦点レンズはなくなってもよさそうだが、そのような気配はない。

メーカーによっては、単焦点レンズを増やす動きもあるほどだ。

では、単焦点レンズのメリットは何だろうか。

まず、開放F値が明るいことだ。F1.4といったレンズは珍しいものではなく、焦点距離にもよるが、大きなボケが得られる。

ボケ味も柔らかく美しいことが多い。

次に、優れた描写力もメリット。クリアでコントラストが高く、エッジのキレもいい。

近年は、ズームレンズの描写も飛躍的に向上したが、まだまだ単焦点レンズには及ばない。

撮りたい焦点距離が決まっているなら、単焦点レンズがおすすめだ。

同じ焦点距離でズームと単焦点を撮り比べた

作例はどちらも同じ絞り値(F4)としているが、単焦点レンズの写りのよさはズームレンズを大きくしのぐ。シャープさやコントラストの高さは当然、ボケの柔らかさも単焦点ならではだ。

Q マクロレンズってどういうもの? どんな場合に使う?

A
同じ焦点距離でも撮影倍率が高く、小ぶりな花などの接写に便利。まずは、中望遠がおすすめだ。

マクロレンズとは、一般的なレンズに比べ、接写が可能で撮影倍率の高いレンズのことを指す。

そのほとんどが1/2倍から等倍の撮影ができ、光学フィルターの一つであるクローズアップレンズや、カメラとレンズの間に装着する接写リングを用意しなくても、近接撮影が可能。

その際、光学的にも描写が低下するようなことがない。

なお、ほとんどのメーカーはマクロレンズと呼ぶが、ニコンではマイクロレンズと呼ぶ。

焦点距離は、フルサイズ換算で50ミリから60ミリ前後の標準マクロ、90ミリから105ミリ前後の中望遠マクロ、180ミリ以上の望遠マクロが存在する。

初めてマクロレンズを買うのであれば、おすすめは中望遠マクロ。

小ぶりな花など撮影する場合、レンズ先端から被写体までの距離(ワーキングディスタンス)が適度に取れるため、扱いやすい。

まずは中望遠がねらい目

ソニー
SEL90M28G
実売価格例:14万5670円

中望遠マクロは適度なワーキングディスタンスが取れ、大きなボケも得られるので、花などの撮影で出番が多い。

中望遠マクロは気軽に接写が可能

富士フイルム・XF60mmF2.4 R Macroで撮影。クローズアップレンズなどと異なり、近接撮影でも画質の低下がないのが魅力だ。

解説/大浦タケシ(フォトグラファー)

※価格は記事制作時のものです。

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