今、ヘッドホンの主流になりつつあるのが、ブルートゥースヘッドホンだ。スマホやポータブルプレーヤーにケーブルで接続する必要がないため、その手軽さが受けている。しかも、最近は、左右をつなぐケーブルもない完全分離タイプまで登場していて、ますます選び方が複雑になってきた。そこで、ブルートゥースヘッドホンの選び方のポイントを解説していこう。

ケーブルや本体の形状に注目! 完全分離や左右一体など多種多彩

一言で「ブルートゥースヘッドホン」といっても、今では、さまざまなタイプが登場している。特に、イヤホンタイプの場合、これまでは、左右のユニットがケーブルでつながっているものが一般的だったが、今では、左右のユニットをつなぐケーブルまで存在しない「完全分離タイプ」(完全ワイヤレス、左右独立などとも呼ばれる)も増えているのだ。

現在、市場では、より手軽に、耳栓感覚で使える完全分離タイプへの関心が高い。とにかくユーザーは、ケーブルから完全に開放されるわけで、その使い勝手のよさは圧倒的。ワイヤレスの恩恵を最大限に引き出すスタイルといっても過言ではない。

ただ、完全分離タイプの難しさもある。例えば、左右の各ユニットでアンプや電池が必要で、連続再生時間が短くなりやすいこと。耳栓並みに小さいため、紛失しやすいこと。また、再生機器からの電波を片方のユニットで受けて、もう一方のユニットに送り出すため、音質面や再生時の安定性などで不利になること、などが挙げられる。

充電機能を備えた専用ケースを付属したり、独自の伝送方式で再生時の安定性を高めたりなど、各製品の工夫によってイヤホンとしての完成度は向上しつつあるが、まだ完璧とはいえない。今後の進化が期待される。

さらに、形状に関しては、スポーツ志向の高まりもあり、「ネックバンドタイプ」の人気が高まっており、ヘッドホン利用の広がりを示している。以下、主なタイプを並べてみよう。

完全分離タイプ
再生機器とつなぐケーブルのみならず、左右のユニット間を結ぶケーブルも存在しない。

画像: ケーブルや本体の形状に注目! 完全分離や左右一体など多種多彩

左右一体タイプ
左右のユニットを一本のケーブルでつなぎ、その途中にリモコンを配置するタイプ。

ネックバンドタイプ
首回りに固定できるバンド(リモコンなども含む)を備え、快適な装着感を実現する。

オーバーヘッドタイプ
通常のヘッドホンからケーブルを取り去ったタイプ。ケーブル接続も可能なモデルが多い。

ハイレゾ相当の高音質コーデックが普及しつつある

ブルートゥースは、非圧縮での音楽データ伝送はサポートしておらず、伝送帯域も広くない。そのため、再生機器からヘッドホンへの音声データ伝送時に使われる圧縮方式(コーデックと呼ばれる)が重要になる。

ヘッドホン側では、標準の「SBC」に加え、より高効率の圧縮が可能な「AAC」や「aptX」をサポートする機種が当たり前になりつつある。さらに、ハイレゾ相当の高音質が楽しめる「LDAC」や「aptX HD」対応機も珍しくない。ただし、完全分離タイプでは左右ユニット間の通信がネックとなり、高級機であってもAAC、aptXまでの対応がほとんどだ。

また、高音質コーデックの持ち味を引き出すには、再生機器側の対応も不可欠。再生側、受信側の両方が同じ方式に対応して初めて、その恩恵が得られることも知っておく必要がある。

ブルートゥースの主なコーデック

SBC ブルートゥース伝送の標準となるコーデック。圧縮率が高く、遅延も多めに発生する。

AAC iPhoneなどのiOS機器を中心に採用しており、SBCに比べて圧縮効率に優れ、高音質。

aptX Android系スマホで対応機種が多い。SBCに比べて圧縮率が低く、音質も有利。

aptX HD aptXを拡張した高音質コーデックで、最大48kヘルツ/24ビットの音源の伝送が可能。

LDAC ソニーが開発。最大96kヘルツ/24ビットも伝送可能なハイレゾ相当の高音質コーデック。

音声操作や周囲の音も聴けるタイプなど、新機軸モデルも続々

完全分離タイプにとどまらず、新たなスタイルのブルートゥースヘッドホンも続々登場している。中でも目新しいのが、意図的に外の音が入る構造にして、周囲の音や話し声が音楽と一緒に自然に聴けるというスタイルを実現したモデルだ。下掛けという装着方法を提案したソニーの完全分離イヤホン、Xperia Ear Duoや、耳に挟んで使用するambieのwireless earcuffsが代表例となる。

また、ブルートゥースヘッドホンではリモコンによる操作が一般的だが、ボタンが小さかったり、手が届きづらかったりして苦手だという人も多い。そこで、イヤホン自体にタッチ式ボタンを備え、タップ操作などにより、各種機能を操作できる機種も増えてきている。最初は少し戸惑うが、コツさえつかめば、実に快適。リモコンを探す必要がなく、レスポンスも素早い。

そのほか、機能面では本格的な防水・防塵機能やノイズキャンセリング(NC)機能のほか、アプリとの連係で、音声操作やAIアシスタント的な使いこなしを可能にした先進的な機種も増えている。こうした機能に注目して選ぶのもいいだろう。

周囲の音と音楽を同時に聴ける

音楽を聴きながら周囲の人と会話をしたり、電車内のアナウンスなど、その場の環境音も把握したりできる完全分離タイプのイヤホン。ソニー・Xperia Ear Duo(実売価格例:2万6450円)

耳をふさがず音楽を“ながら聴き”

耳穴に挿し込むのではなく、耳介に挟んで装着する新感覚のイヤホン。周辺の音を遮ることなく、イヤホンからの音楽が楽しめる。ambie・wireless earcuffs(実売価格例:1万2960円)

なお、既存のヘッドホンをブルートゥース対応にするアダプターも発売されている。

エレコムのLBT-HPC1000RC(実売価格例:2万1380円)は、MMCX端子のイヤホンと組み合わせ、SBC、AAC、aptXに加え、LDACやaptX HDによる伝送も可能だ。

解説/藤原陽祐 (AV評論家)

※価格は記事制作時のものです。

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