2017年にはAmazonと楽天市場、Yahoo!の大手3社の販売額が初めて百貨店を抜くなど、今やネットショッピングは隆盛を極めている。そんな繁栄の陰で、ネットショッピングにまつわる詐欺やトラブルも急増。その手口は巧妙で、ネットリテラシーの高いユーザーでも、うっかりするとだまされかねないほどだ。
繁栄を誇るネット通販だが、闇の部分もある
SNSや動画配信と並び、インターネットの主目的とされているのがネットショッピングだ。2017年にはAmazonと楽天市場、Yahoo!の大手3社の販売額が初めて百貨店を抜くなど、今やネットショッピングは隆盛を極めているといってもいいだろう。
しかし、そんな繁栄の陰で、ネットショッピングにまつわる詐欺やトラブルも急増。パソコンやスマホから好きな商品を手間なく購入できる点がネットショッピングの醍醐味といえるが、半面、詐欺に遭えば瞬時に金銭をだまし取られてしまう。しかも、その手口は巧妙で、ネットリテラシーの高いユーザーでも、うっかりするとだまされかねないほどだ。
消費者庁のホームページでは、「インターネット通販トラブル」というコーナーが設置されている(※)。そこでは、「ネット通販で音楽機器を購入するためクレジットカードで決済したが、いつまでたっても商品が届かない」「靴を買ったら商品が中国から届き、粗悪品だった」といった事例が報告されている。
※「消費者庁・インターネット通販トラブル」⇒http://www.caa.go.jp/policies/policy/consumer_policy/caution/internet/trouble/internet.html
●消費者庁でも通販トラブルを警告
フリマアプリ利用時にも詐欺が起きている
また、ネットでの買い物は、大手ショッピングサイトだけではない。「メルカリ」や「ヤフオク!」などのフリマ(フリーマーケット)アプリによる個人売買も盛んに行われている。運営しているのは企業だが、売買の当事者はあくまで個人ユーザー。
そのため、不幸にも悪質な出品者に引っ掛かって偽物をつかまされたり、代金をだまし取られてしまったりする場合もある。もちろん、大手のフリマサービスでは、詐欺対策も講じてはいるが、個人間売買という形を取っている以上、完全に詐欺や悪質業者を撲滅するのは難しいのが現状だ。
しかし、こうした被害は、いくつかの注意点さえ守れば、未然に回避できるはずだ。次のページで、その具体的なポイントを解説しよう。
●便利な「フリマ」にも潜むリスク
●品物にトラブルがある場合も
悪質な詐欺行為を働くサイトを見破るコツはこれだ!
「特定商取引に関する表示」があるかを要確認
ネット通販の事業者は、サイト上に必ず「特定商取引に関する表示」を掲載する義務がある。もしこの表示がないとしたら法律違反で、そのサイトの利用は控えるべきだ。
また、所在地や連絡先、事業者名などがまったく掲載されていない場合も注意が必要。というのも、そもそも特定商取引法では、事業者の情報も明示する義務があるので、住所などがないのは問題である。何かトラブルが起きても連絡することもできないわけだし、被害に遭っても泣き寝入りすることになる。
このように、基本的には「特定商取引法に関する表示」の有無で、通販サイトの信頼性はある程度判断できるが、詐欺サイトの中には正規の通販サイトを丸ごとコピーしている悪質な事例もある。こうしたサイトは特定商取引法に関する表示もそのままコピーしているため、詐欺と気づくのは難しい。
●法令関係の表示を確認すべし!
●販売者の評価は必ずチェック!
ユーザーの評価を調べ、支払い方法も工夫しよう
しかし、詐欺サイトや悪質サイトを見抜く方法がないわけではない。例えば、そういったサイトの特徴として、販売価格が相場より異常に安かったり、不自然な日本語を使っていたりする点がある。加えて、支払い方法が個人名義の銀行振込のみという場合も、詐欺の可能性が相当高いので注意したい。
さらに念を入れるなら、利用者からの評価やレビューを確認できる場合は、必ず目を通して、事業者に問題がないかどうかチェックすること(詐欺サイトでなくても、悪質な業者もいるので)。レビューの情報が見当たらないときは、ショップ名をGoogleで検索してみて、トラブルがないかどうか、探してみるのも有効な手といえるだろう。
それでも不安があるなら、クレジットカード番号を伝えずにメールアドレスとパスワードだけで支払いができる「PayPal」が使える通販サイトを利用するといい。取り引きに問題があったら、PayPalのサポートに相談すれば、返金などの対応を検討してくれるので、安心してネット通販を利用できるはずだ。
不幸にも詐欺などの被害に遭った場合は、国民生活センターの消費者ホットラインに連絡してみよう。
●支払い方法はPayPalが安心!
●もし被害に遭ったときは……
国民生活センター
http://www.kokusen.go.jp/map/index.html
解説/篠原義夫(ガジェットライター)
イラスト/早川 修
※価格は記事制作時のものです。