(2020年10月22日更新)スマホ首とは、スマートフォンやPCの使用によって首が前に出ることで、首や肩に痛みやコリが起こった状態のこと。正式には「ストレートネック」といわれる症状の1つです。職場には、肩こりや首こり、頭痛がひどく、医療機関を受診したところ、ストレートネックと診断された人もいます。不調の原因、ストレートネックとは何なのか?肩・首治療の専門家である酒井慎太郎先生に、原因や自分でできる予防・改善方法を伺いました。【解説】酒井慎太郎(さかいクリニックグループ代表)

重症のストレートネック「スワンネック」とは?

頸椎の異常であるストレートネックを放置していると、頸椎の下に続く胸椎(胸の部分の背骨)にまで悪影響が及びます。「首が前方に倒れ込むストレートネック」が進行し、「胸から前方に倒れ込む状態」に悪化するのです。

胸から湾曲したその状態は、白鳥の首の形に似ていることから「スワンネック」と呼ばれます。

スワンネックになると、背骨全体が肩甲骨のあたりを頂点とした大きなカーブを描きます。これを正さないと、さらにネコ背になっていくばかりでなく、肩関節へも多大な悪影響が及びます。

特に起こりやすいのが、肩先の位置が前方に移動してしまう「巻き肩」です。

画像: 頸椎が前方に倒れこみ、胸椎が肩甲骨の辺りから湾曲して、肩先が前方に移動する

頸椎が前方に倒れこみ、胸椎が肩甲骨の辺りから湾曲して、肩先が前方に移動する

首と肩先が前に出ていると、肩甲上腕関節胸鎖関節肩鎖関節といった肩周りの関節が詰まって、動きが悪くなります。そして、肺など、胸部にある臓器を囲む「胸郭」という骨格構造も、前方へつぶれた状態になり、呼吸器系や消化器系の不調が起こることもあるのです。

画像: 肩周りを前面から見た図

肩周りを前面から見た図

スワンネックを改善するストレッチ2種

前方にカーブした背骨を正すには、「イス反らしストレッチ」と、「肩甲骨のテニスボールストレッチ」がおすすめです。イスの背もたれやテニスボールによって、肩甲骨の周辺を適度に刺激することで、「悪いカーブ」を矯正するメカニズムが自動で貴に働きます。
特に、スマホやパソコンを毎日長時間扱っている人は、悪い姿勢(=肩甲骨から曲がった前傾姿勢)になりがちなので、これらのストレッチをぜひ行ってください。
昼間の仕事や家事の合間には「イス反らしストレッチ」、夜のゆったりできる時間帯には「肩甲骨のテニスボールストレッチ」というように、うまく併用していきましょう。

イス反らしストレッチのやり方

イスに浅く腰掛ける。お尻の位置を動かさずに背もたれに寄り掛かったとき、背もたれの最上部のフチに「肩甲骨の中央」が当たるように、座る位置を調整する。

*背もたれの最上部のフチの位置が高い場合は、お尻の下に座布団やクッションを指揮、高さを調整する。

画像1: イス反らしストレッチのやり方

背もたれの最上部のフチに「肩甲骨の中央」を当てて、両腕を上げながら上半身を大きく反らした姿勢で10秒間キープする。1日に1~3回行う。

画像2: イス反らしストレッチのやり方

肩甲骨のテニスボールストレッチのやり方

2個のテニスボールをぴったり付けた状態で、ガムテープなどを巻いて固定する。

画像1: 肩甲骨のテニスボールストレッチのやり方

肩甲骨の高さの位置に、①のテニスボールを左右中央にくるようにセットする。

画像2: 肩甲骨のテニスボールストレッチのやり方

ボールがずれないように注意しながら、かたい床にあおむけになり、「あご押し」の要領であごをグーッと押す。胸を反らせつつ、首の関節を床に向かって垂直に押し込むイメージで、あごを押すと効果的。その姿勢を30秒から1分間キープ。1日に1~3回行う。

画像3: 肩甲骨のテニスボールストレッチのやり方

ストレートネックを改善する日常動作

より改善効果を得るために、頭と首を前に出す(前傾姿勢)という悪い癖を改めましょう。根本原因を解消しないかぎり、ストレッチをいくらやっても効果は半減してしまいます。日常生活で気をつけていただきたい動作や習慣をご紹介しましょう。

スマホを見るときの姿勢

ストレートネックの別名が「スマホ首」であることからもわかるように、スマホや携帯電話を使うときに最も注意が必要です。うつむいて画面を見ることで、頭と首を突き出す姿勢となり、ストレートネックを助長する一因となります。
スマホや携帯電話の本体を、顔の高さと同じくらいに上げれば、頭と首を突き出す必要がなくなり、ストレートネックを予防できます。
スマートフォンなどを使用するときは、持っている手の脇の下に、反対の手の握りこぶしを入れてみてください。こうすると、本体を持つ腕が疲れるのを防げるうえに、画面を顔の高さの位置にキープできます。

画像1: イラスト/原裕子

イラスト/原裕子

高すぎる枕

枕は高すぎませんか? 
高い枕を使って眠ると、頸椎は強制的に前方へ押し出され、首や肩の筋肉が緊張し続けることになり、それだけでコリや張りを招きます。
できるだけ枕の使用をやめて、あおむけで眠ってみましょう。これまでに高い枕を使っていた人なら、これだけで驚くほど首や肩が楽になります。
さらに、両手のひらを上に向けた姿勢を取ると、巻き肩を防ぎ、胸を開いた状態でリラックスできます。
ただ、長年枕を使ってきた人は、枕がないと寝付けないかもしれません。その場合は、枕の高さを少しずつ低くしていくといいでしょう。タオルを重ねて、現在使っている枕とおぼ同じ高さに調整し、その「タオル枕」でまずは眠ってください。そして翌日から、1枚ずつタオルを抜いていき、少しずつ枕を低くしていきます。こうすれば無理なく。最終的に枕なしで眠れるようになります。

画像2: イラスト/原裕子

イラスト/原裕子

カバンの持ち方

ショルダーバッグや手さげカバンを、いつも同じ側で持っていませんか?
左右どちらか一方への偏った負担が、首や肩のこりを招きます。一番いい対処法は「リュックサック」を使用すること。
しかし、ファッションに合わない場合もあるでしょう。その場合は、一方への負担を減らすために、こまめに左右に持ち直すことがお勧めです。ショルダーバッグは、できるだけ肩先に近い部分から、斜め掛けしましょう。

画像3: イラスト/原裕子

イラスト/原裕子

まとめ

スマートフォンは現代の私たちにとって、なくてはならないアイテムとなりつつあります。ストレートネックになるからといって、すぐにスマホの使用をやめることは難しいでしょう。
大事なのは、スマホと上手に付き合うこと。また、その場しのぎの痛み取りではなく、ストレートネックを根本から改善するために、「ストレートネックを予防する意識」を持つことがとても大事です。 
首や肩の不調にお困りの方は、ぜひ今回ご紹介した体操やセルフケアを取り入れて、症状の予防・改善に役立ててはいかがでしょうか。

*なお、本稿は『一瞬で楽になる最高の姿勢』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳細は下記のリンクよりご覧ください。

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