イヤホンのようなデザインを採用した集音器。周囲の音をマイクで拾い、より大きくして耳に届ける。軽快で装着感にも優れるため、ウオーキングなどの運動でも使える。ノイズキャンセリングモードも備えており、雑音の多い場所でも使いやすい。
ケンコー・トキナー
KHB-102
直販価格:1万584円
イヤホンふうデザインで気軽に装着できる
加齢による聴力の低下で、テレビの音や家族との会話が聴き取りにくく感じたときに便利な集音器。医療器具である補聴器と違い、安価で気軽に使えることから、最近注目を集めている。
ただし、集音器は、周囲の音を大きくするのが主なので、難聴の人が補聴器代わりに使うと、効果が感じられないだけでなく、症状が悪化することもあるので注意したい。聴こえが気になる場合は、まず、耳鼻咽喉科を受診することが大切だ。
さて、本機は、ネックバンド式のワイヤレスイヤホンのようなデザインのため、集音器には見えず、街中で使用しても周囲からの視線を集めるようなことはなかった。また、軽量でイヤホン部もコンパクトなので、歩いていて外れてしまうこともなく、快適に使えた。ただ、本体(ネックバンド部)が跳ねるとカチャカチャとしたノイズが耳に入り、少々煩わしさを覚えた。体を動かす場面で使うなら、本体部分が跳ねないように気を遣う必要がありそうだ。
■充電式で手軽に使える
ノイズキャンセル機能を搭載。マイクはモノラル
集音器としての音質は、主に中高域が強調されるようで、テレビの音や周囲の人の声はより明瞭に聴き取れるようになる。ただし、正常な聴力の筆者にとっては、高音域のシャーッというノイズがやや耳障りだったが、これはノイズキャンセル機能を使えば低減できるので、静かな環境でもだいぶ使いやすくなる。また、テレビの音量をかなり絞ってもアナウンサーの声などがきちんと聴こえてくるので、会話などを聴き取りにくいと感じている人には一定の効果があるだろう。
だが、両耳装着の割にマイクはモノラルで、方向感がわかりにくいのは残念。自分の声も大きく聴こえるなど、違和感もそれなりにあるので、効果については人それぞれで印象が異なると思われる。補聴器のように、良好な聴き取りを補助するのではなく、周囲の音を一定量大きくする仕組みなので、会話が聴きやすくなる半面、今まで気にならなかった音が耳につくなどの側面もありそう。購入前に、必ず試してみることが肝心だ。
■手元で音量の調整が可能
〇
人の声やテレビの音は明らかに聴き取りやすくなる。早口の人の声も明瞭だ。装着感も良好で、価格も安価なので気軽に使える。
×
ドアの開閉やテーブルに物を置く際の衝撃音が強めになるなど、慣れが必要な面も。ネックバンド部に触れたときの雑音もやや気になる。
SPEC●使用電池/リチウムイオンポリマー●充電時間/約4時間●内蔵電池持続時間/約10時間●音声/モノラル●音量調節/10段階●サイズ/幅160mm×高さ19mm×奥行き135mm●重量/34g
解説/鳥居一豊 (AVライター)
※価格は記事制作時のものです。