可燃ごみや資源ごみなど、市区町村のルールに従ってゴミの分別を正しく行うのは、いうまでもなく私たち市民の責務だ。当然、使わなくなった「スマホ」もゴミ出しルールに則って処分する必要がある。とはいえ、さすがに可燃ごみではないのはわかるが、それではどんな分類のゴミとして処理したらいいのか、正確に知っている人は多くはないはず。今回は、そんな意外に難しいスマホの処分方法について解説していく。【2019年4月6日更新】

自治体によって「ゴミ出し」ルールは異なる

まず大前提として、壊れたり、不要になったりしたからといって、スマホやケータイを考えなしに「家庭ゴミ」として処分するのは厳禁。というのも、スマホやケータイは「小型家電リサイクル法」の対象のため、自治体によっては家庭ゴミとして受け付けてくれない場合があるからだ。

小型家電リサイクル法の目的

使用済小型電子機器等に利用されている金属その他の有用なものの相当部分が回収されずに廃棄されている状況に鑑み、使用済小型電子機器等の再資源化を促進するための措置を講ずることにより、廃棄物の適正な処理及び資源の有効な利用の確保を図り、もって生活環境の保全及び国民経済の健全な発展に寄与すること。

現在でも、札幌市のように携帯電話を「燃やせないごみ」として有料で受け付けてくれる自治体もあるにはあるが、これは少数と考えたほうがいい。それに、スマホやケータイには情報漏えいという問題があるため、やはり安易にゴミとして出すのは考えものだろう。

確かに、iPhoneは初期状態でデータが暗号化されているし、Android端末も暗号化機能を有効にしていれば、初期化した端末からデータを復元することはほぼ不可能ではある。しかし、それでもスマホや携帯電話を家庭ゴミとして処分するのは、持ち去りのリスクがあることからも、できる限り控えたいものだ。

「壊れたスマホ」からでもデータは盗める

一切操作ができないうえ、画面もまったく映らない、そんな壊れたスマホや携帯電話なら当然データ盗難もありえない──なかには、そんなふうに考える人もいるだろう。

しかし、それは大きな誤りといえる。というのも、壊れたスマホや携帯電話であっても、内部のデータ記録用のフラッシュメモリーが破損していなければ、なんらかのファイルが残っている可能性があるからだ。

むしろ、壊れて操作を受け付けないせいで、初期化もできないことから、写真やアドレスなどの個人ファイルは高確率でそのまま保存されていると考えたほうがいい。万が一にも、こうした端末が専門知識を持った者の手に渡れば、ストレージ内のデータを盗み見られてしまう。

例えば、ドコモでは、壊れたスマホのデータ復旧サービスを提供しているが、こうしたことからも壊れたスマホのデータ復元が技術的に決して不可能ではないことがわかる。

無論、ドコモの復旧サービス自体は至極まっとうなサービスではあるが、その一方で、こうした知識を悪用する人間も腹立たしいことに必ずいるのだ。

画像: ドコモの「ケータイデータ復旧サービス」は、壊れたスマホやケータイからデータを復旧してくれるサービスだ。 www.nttdocomo.co.jp

ドコモの「ケータイデータ復旧サービス」は、壊れたスマホやケータイからデータを復旧してくれるサービスだ。

www.nttdocomo.co.jp

どんなスマホでもOK「MRN」の無料回収サービス!

家庭ごみとして出すこともできないし、しかもデータ盗難のリスクもある──ほとほとうんざりしてしまいそうな「スマホの処分問題」だが、実は手軽な解決策がある。

それは、「モバイル・リサイクル・ネットワーク」(MRN)の回収サービスを利用するという方法だ。

MRNとは?

使用済みの携帯電話等の端末には、金、銀、銅、パラジウムといった多くの希少金属が含まれ「都市鉱山」とも呼ばれています。これらの希少金属はもちろん、使われている有用資源をできるだけ有効利活用するために、これら端末の回収・再資源化が求められています。

モバイル・リサイクル・ネットワーク(MRN)は、利用者の皆様のご協力と携帯電話事業者を中心とした、回収・再資源化の取組みです。

MRNは電気通信事業者や製造メーカーによって立ち上げられた団体で、ドコモやau、ソフトバンクなど、全国9000ヵ所のケータイショップで無料の回収サービスを提供している。

回収した端末はリサイクルして、内部の基板などに利用されている資源の72.9パーセントを再資源化。こうした社会的な取り組みに加えて、平成13年からの16年間で、約1億3千万台の使用済み端末を回収した実績もあることから、壊れた端末の処分を安心して任せられるはずだ。

しかも、うれしいことにキャリアやメーカーを問わず、どんな端末でも受け付けてくれるうえ、確実な情報漏えい措置も講じてくれる。壊れたスマホのみならず、不要になったスマホを処分するのにもうってつけだ。

このように、費用は一切かからないうえ、身元もはっきりしていることからも、壊れたスマホの処分は「MRN」を利用するのがベストといえるだろう。

究極のデータ消去はドコモショップのスマホパンチ

壊れたスマホの処分に際して、個人情報の盗難がどうしても心配というのなら、目の前で端末を物理的に破壊してもらうのも手だ。

実は、ドコモショップでは、目の前でスマホパンチやケータイパンチといわれる破壊工具を使って、端末を破壊してくれる回収サービスを実施している。

ドコモショップ、各種イベントなどで、ブランド・メーカー問わず回収しています。
個人情報保護のため、携帯電話破砕工具(ケータイパンチ、スマホパンチなど)を用いて、原則お客様の目の前で破砕処理を実施し、データの取り出しを確実に防いでいます。

スマホパンチの外観は以下のとおり。こんなにいかつい工具で目の前でスマホに穴を空けられたのなら、さすがにデータ盗難は不可能と心から得心がいくはずだ。

画像: ケータイやスマホに穴を空けられるだけあって、幅70×奥行290×高さ113ミリ、重量1.5キロとかなりのビッグサイズ。ただし、筐体に穴を空ける都合上、バッテリーを取り外せない端末は危険なため利用できない。 www.docomo-cs-tokai.co.jp

ケータイやスマホに穴を空けられるだけあって、幅70×奥行290×高さ113ミリ、重量1.5キロとかなりのビッグサイズ。ただし、筐体に穴を空ける都合上、バッテリーを取り外せない端末は危険なため利用できない。

www.docomo-cs-tokai.co.jp

ただし、店舗によっては目の前で実演してくれない場合もあるそうなので、気になる場合は事前にショップに問い合わせたほうがいいだろう。

まとめ

スマホの処分は、無駄なゴミを減らして、貴重な資源の再利用に協力するためにも「MRN」を利用するのが最善。データ消去も施してくれるので、個人情報が盗まれる心配もない点も安心感がある。なお、意外に見落としがちだが、端末を回収に出す際はmicroSDカードスロットも必ず確認すること。メモリーカードを挿したまま端末を捨てないように、くれぐれも注意してほしい。

◆篠原義夫(フリーライター)
パソコン雑誌や家電情報誌の編集スタッフを経て、フリーライターとして独立。専門分野はパソコンやスマホ、タブレットなどのデジタル家電が中心で、初心者にも分かりやすい記事をモットーに執筆活動を展開中。

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