時代は一眼レフからミラーレスへ。ニコン、キヤノンからフルサイズミラーレス機登場

この9月ニコンがZシリーズ、キヤノンがEOS Rシリーズでフルサイズのミラーレス市場に参入。カメラ界の2大巨頭が加わったことで、いよいよ本格的なミラーレス時代が到来。今後従来の一眼レフは特殊用途や趣味用カメラとして生き残っていくと考えられる。一方特徴あるコンデジは今も売れ続けているという。スマホカメラも人工知能を採用するなど驚異的な進歩をみせている。他カメラもレンズも高価格帯に人気が集中。1億画素超のモデルも登場予定の富士フイルムの中判ミラーレスなど、トレンドをピックアップした。

フルサイズのミラーレスが続々登場!

ニコン Z7
実売価格例:53万4600円(24-70 レンズキット)

50年以上もレンズマウントを変えなかったニコンが、ついに新マウントを採用した4575万画素モデル。

キャノン EOS R
実売価格例:25万6500円(ボディ)

※レンズは別売。3030万画素センサーを採用したキヤノンのフルサイズミラーレス1号機。0.05秒のAF速度は世界最速。

いよいよ、ミラーレス一眼が本格的な高画質カメラとして認められるようになってきた。

これまでのミラーレス一眼は、センサーサイズが比較的小さめのマイクロフォーサーズやAPS-Cのものが主流で、35ミリ判フィルムと同じセンサーサイズ(フルサイズ)の製品は、ソニーのαシリーズだけだった。ところがこの9月ニコンがZシリーズ、キヤノンがEOS Rシリーズでフルサイズのミラーレス市場に参入。カメラ界の2大巨頭が加わったことで、いよいよ本格的なミラーレス時代が到来したといっていいだろう。

さらには、2年に一度開催される写真業界の大展示会、ドイツの「フォトキナショー」にて、ライカ、シグマ、パナソニックの3社がアライアンス(協業関係)を結び、統一のLマウントを採用したフルサイズのミラーレス製品を出すことを発表。これは、高画質ミラーレスが世界的な流れになっていることをアピールするものとなった。

パナソニックは3社統一の新規格となるLマウントで、フルサイズミラーレスに参入することを発表。写真はLマウント採用のミラーレス製品の試作機。

すでにフルサイズのミラーレス製品を出しているライカに続き、パナソニックもフルサイズのスタンダード機・S1と高解像度機・S1Rという2台のカメラと3本のレンズを開発発表。シグマは、R同社独自のフォビオンセンサーによるフルサイズミラーレスの開発発表に加え、多数のレンズをこのLマウント規格に対応させることを発表している。これからの本格カメラの主流が、一眼レフからミラーレス一眼へと移っていくことが、より確実になった。

ミラーレス人気で一眼レフはこれからどうなる?

一眼レフは今後、生産台数は減るだろうが、趣味で使うためのカメラとして、しばらく使われ続けるだろうと思われる。

趣味として使い続ける人が支える?

ミラーレス一眼は、一眼レフにはあるミラーやプリズムが搭載されておらず、小型・軽量であることが最大のポイントとされてきた。だが、それだけだろうか?

実は、単純にカメラという機器を考えたとき、一眼レフ構造よりもシンプルなミラーレス構造のほうが、より理想に近い。例えば、ミラーレスならば、撮影中にカメラの設定を変えると、リアルタイムでファインダーの像の明るさや色が変化し、撮影するイメージそのままを見ながらシャッターを切れるが、一眼レフではいくら設定を変えてもファインダー像の明るさや色は変わらない。また、撮影した瞬間はミラーが動き、ファインダーはブラックアウトしてしまうので、撮影者は、決定的瞬間をいつも見られないことになる。

さらに、ミラーが入るスペースをレンズとセンサーの間に設けなければいけない一眼レフに対し、ミラーレスは、センサーの位置ギリギリにレンズを配するような設計も可能。これらの理由から、今後ミラーレスが主流になるのは間違いない。

もちろん、一眼レフならではの光学ファインダーの見え味や使い勝手は、これからも写真ファンに愛されていくことだろう。カメラの主流はミラーレスになるが、一眼レフは特殊用途や趣味用カメラとして生き残っていくと考えられる。

スマホより高画質&超高倍率でコンデジも頑張ってる!

富士フイルム XF10
実売価格例:6万3270円

28ミリ相当の単焦点レンズ採用のAPS-C型センサーモデル。スナップカメラとして軽快で、画質も満足!

ニコン クールピクスP1000
実売価格例:13万7700円

光学125倍ズームで、3000ミリ相当の超望遠を実現したコンデジ。並の一眼レフより大きなボディ!

特徴あるコンデジは今も売れ続けている

スマホの台頭で、すっかり影が薄くなってしまったのがコンデジ(コンパクトデジカメ)。「小さくて持ち歩きに便利」という点では、スマホカメラに圧倒されてしまったのだ。

そんな中で残るのが、「スマホカメラにはない魅力を持ったコンデジ」ということになる。

一つは、大きなセンサーを搭載した超高画質コンデジ。このタイプは、レンズ交換こそできないものの、一眼レフ並みの画質を持ったモデルがそろう。中には、高画質を追求してズームも廃し、単焦点レンズで極上の表現をねらったモデルもある。

また、スマホでは搭載しにくい高倍率のズームレンズを搭載したタイプも人気。こちらは、一眼カメラよりも小さなセンサーを採用することで、一眼カメラ用レンズではなかなか難しい超高倍率の光学ズームが実現されているモデルが多い。

カメラもレンズも高価格帯に人気が集中!

ソニー α7III
実売価格例:24万5510円(ボディ)

有効2420万画素で35ミリフルサイズの裏面照射型CMOSセンサーを搭載。ISO20万4800など、高スペック。

シグマ 85mm F1.4 DG HSM (Art) SE
実売価格例:13万7700円

とにかくボケの美しさに注力したため、驚きの大きさになってしまったという。通称「ボケマスター」。

高額な製品が売れ筋に名を連ねている

カメラの売れ筋は、入門用の低価格な製品が多いものだが、最近の傾向としては、かなり高価な上級機の人気も高いようだ。

スマホカメラの性能向上と、SNSへの写真投稿などで、人々の写真を見る目も、また、写真を撮る腕もレベルアップしていることは明らかだ。そこで、これからカメラを買うとなれば、圧倒的な高画質と表現力を持ったものが欲しいと思うのは、ごく自然のことだろう。

カメラ本体で例を挙げると、フルサイズセンサーのミラーレス一眼だ。これは、高感度に強く、暗い室内でもフラッシュなしでノイズの少ない写真が撮影できる。

また、レンズでは、ズームよりも単焦点が注目される。明るく、シャープな描写と美しいボケを両立した単焦点レンズは、重くて高価でも人気となる傾向が強くなっている。

スマホカメラも驚異的な進歩!最新モデルでは人工知能が活躍

●最新のiPhone XSはポートレートモードがさらに進化!

最新のiPhone XSは、デュアルカメラと進化したニューラルエンジンが話題。

XとXSのポートレートモードを比較。進化したニューラルエンジンにより、XSは肌の白飛びが明らかに減っている。また、撮影後、背景のボケ具合を自由にコントロールできるようになった。

●ファーウェイは新製品もトリプルカメラ

ファーウェイの今秋の新製品Mate 20。アウトカメラは広角+超広角+望遠のトリプル構成となっている。

スマホカメラも性能を上げ、単体のカメラに着実に追いつきつつある。近年のトレンドは「デュアルレンズカメラ」で、広角と望遠、カラーとモノクロといった2種のカメラを搭載するというもの。この傾向は今年も続いており、特にファーウェイは、トリプルカメラの搭載をほぼ当たり前のこととしている。

そして、新たな流れとして注目したいのは、iPhoneの「機械学習」。スマホのCPUに、ニューラルと呼ばれる人間の脳細胞構造を模した技術を取り入れ、AI(人工知能)化を進めている。この学習と判断の能力で、さまざまなシーンの写りを肉眼で見たものに近くしてしまおうという発想。最新のiPhone XSでは、その技術がさらに進化している。

1億画素超のモデルも登場予定など富士フイルムの中判ミラーレスが熱い!

富士フィルム GFX 50R
実売価格例:60万9660円(ボディ)

※レンズは別売。レンジファインダータイプと呼ばれるボディ。画質は50Sと同等ながら、本体重量690グラムを実現。

ダイナミックレンジの広さと高解像度を両立

中判ミラーレスの写りは、強い光が差し込んでも破綻しないダイナミックレンジの広さと高解像度が高い次元でバランスしている(GFX50Sで撮影)。

中判ミラーレスの第2弾が登場

富士フイルムは最近、フルサイズより大きい(面積比で約1.7倍となる)センサーを採用した「中判ミラーレス」に注力し始めている。

昨年発売されて人気となったGFX50Sは一眼スタイルの大型ボディだったが、今年は軽量化されたGFX50Rをリリース。中判カメラは大きすぎて、外での撮影に向かないという印象を取り払おうとしている。

さらに、世界最高画素数の1億画素を実現したGFX 100Megapixelsを開発発表。このクラスとしては比較的安価な120万円前後で、究極の高解像度撮影が楽しめる。さらに、大きなセンサーでは難しいと思われていたボディ内手ブレ補正機構も搭載し、このジャンルの将来が楽しみになるような提案をアピールしている。

解説/吉村 永(カメラマン)

※価格は記事制作時のものです。

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