【最新プリンターの選び方】エプソン・キヤノン・ブラザー 各メーカーのココに注目!

知識

家庭用プリンター市場、今年のラインアップは、新コンセプトの低印刷コストモデルと、従来型の正常進化モデルの二本立てという様相を呈している。低印刷コストをどう実現するのか、どう高画質プリントを進化させるのか、各社とも惜しみなく技術を投入し、ユーザーのプリンター選びも、さらに楽しみが増してきた。

大容量インクタイプが人気!高画質タイプと2極化の時代へ

高画質写真印刷タイプのニーズも根強い

すでに成熟市場となって久しい家庭用プリンター市場は、昨年から低印刷コストの波が押し寄せている。とはいえ、従来からの高画質写真印刷用途の機種も根強いニーズを持っており、今年のラインアップは、新コンセプトの低印刷コストモデルと、従来型の正常進化モデルの二本立てという様相を呈している。

大容量モデルなら1年間インク交換不要!

大容量インクは印刷コストが安いだけでなく、1回のインク補充で印刷できる枚数が桁違いに多い。ブラザーの大容量モデルなら、1年間インク交換不要という。

低印刷コストのモデルは、もともとオフィス向けとして販売されていたが、家庭用としても印刷コストの低減を求める声が大きくなり、メーカーも本腰を入れて投入したということだろう。各社とも、低印刷コストを実現する手法は、基本的に大容量のインクタンクを搭載することにある。ただ、その具体的な仕組みにはメーカーにより大きな差がある。

エプソンの場合は、プリンター本体にタンクを装備し、そこにユーザー自身でインクボトルからインクを注入する方法をとる。この方法が印刷コスト低減に最も効果的な方法なのだが、作業が煩雑になったり、手が汚れる可能性があったりと、手軽さには欠ける。

対してブラザーは、従来の標準容量に対して、約10倍(ブラックは約16倍)に大容量化したインクカートリッジを採用。インク注入式ほどの印刷コスト低減はできないが、従来型よりははるかに印刷コストが低く、インク注入の手前もかからない。同社では、この機種を大容量インクの入門モデルと位置づけている。

大容量インクの交換方法はメーカーで異なる

ブラザー DCP-J988N の場合
ブラックインクの場合、従来の標準サイズの約16倍の容量があるが、機構としては従来と同じカートリッジ式なので、装着の手間はかからないし、手が汚れる心配もない。

エプソン EW-M630T* の場合
本体に装備されるタンクに、インクボトルからインク液を一色ずつ注入する。失敗しにくい構造だが、インクをこぼす危険性はある。ただし、印刷コストはブラザーより低い。

具体的な印刷コストはエプソンの場合、A4カラー文書1枚で1円を切って0.9円、ブラザーは3.7円となっている。従来型の6色インク標準容量カートリッジでは約15円なので、大容量インクは圧倒的に低コスト。ただし、大容量インクの機種は、本体価格も従来型機種より高くなるので、導入時のコストは上がってしまう。本当に大量のプリントが必要なのか、購入前に検討しておこう。

キヤノンは、家庭向け大容量インクを採用していないが、低コスト化はしっかり意識しており、画質とコストを両立したプレミアムクラスのモデルでは、A4カラー文書1枚の印刷コストを5.7円まで下げることに成功している。

エプソン 「エコタンク」はじめ多彩な7機種を投入

従来からの家庭用ブランド「カラリオ」は、新モデル3機種を発売。同時に、大容量インクの「エコタンク」搭載モデルもカラー複合機を1機種、モノクロ複合機2機種を投入。さらに、ハガキ専用プリンターを1機種と、家庭用で合計7モデルの新機種が発売となる。

その中で、純粋な家庭用のA4複合機は、カラリオの3機種とカラーエコタンク1機種の合計4機種となる。カラリオの3機種はすべて6色染料カートリッジで、スマホとのWi-Fi-Direct接続が簡単になり、普通紙印刷の画質が向上している。エコタンクは、A4カラー文書1枚の印刷コストが驚異の0.9円を実現している。

「カラリオ」のフラッグシップモデル。従来のコンパクトでスタイリッシュなボディを継承し、より質感をアップ。Wi-Fi Directの接続設定が改良され、iPhoneではQRコードを撮影するだけで接続できるようになった。また、普通紙写真印刷の画質も向上している。

発色のいいカラー染料インクと、文字がクッキリと見える顔料のブラックインクを採用した4色エコタンクモデル。インクボトルの先端をタンク上部に挿すだけで、満タンまで注入するインク補充方式を採用。手を汚す心配はほとんどなく、安心して使える。

キヤノン 高画質とコスト削減を両立した独自路線

「PIXUS」ブランドは、スタンダードシリーズの「TS」が6色インクモデル1機種、5色インクモデル2機種を投入。また、画質とランニングコストを両立したプレミアムクラスのXK80を新発売。全機種でスマホからのプリント機能を強化し、上・中位機種では「LINE」のトークからのプリントや、スマートスピーカー(Amazon Echo)からのコンテンツ印刷、プリンターのステータス確認が可能となっている。

極端な大容量タンクモデルは用意されていないが、XK80は低印刷コストを実現。増量カートリッジを使用すれば、TS系モデルに比べて印刷コストを4割程度減らすことができる。

昨年登場したXK70と比べ、基本性能は変わらず、液晶を5.0型から4.3型にするなどして低価格化。フォトブルーインクを使った「プレミアム6色ハイブリッドインク」を採用。印刷コストの低減にも成功しており、A4カラー文書1枚5.7円でプリントできる。

PIXUSのスタンダードシリーズである「TS」の最上位モデル。従来型の独立6色ハイブリッドインクを採用。XK80と異なり、グレーインクを使い、色の安定性と豊かな表現力を実現している。インテリアに合わせやすい3色のボディカラーが用意されている。

ブラザー 大容量インクモデルと多機能モデルが両輪

A4複合機「PRIVIO」は、従来型インクカートリッジ採用モデルで2機種、大容量インク型は「ファーストタンク」ブランドとして展開し、1機種を投入した。従来型の2機種は、富士フイルムの「画彩 写真仕上げ pro」ペーパーに対応した専用のモードを搭載し、高画質プリントを実現している。

ファーストタンクは、黒インクが従来の16倍、カラーインクは従来の10倍の容量を持つカートリッジとなっており、モノクロ文書なら6000枚の印刷ができ、1年以上の使用が可能だという。また、インクがサブタンクに自動注入されることにより、カートリッジが空になっても200枚の印刷ができる。

家庭でも仕事でも使えるファーストタンクモデル。モノクロなら1回のカートリッジで6000枚印刷が可能で、カートリッジが空になっても約200枚プリントできる。スマホ印刷では、スマホ内の写真・書類に加え、クラウドにあるデータも印刷することができる。

家庭用従来型タイプの最上位モデル。染料系カラーインクと顔料系ブラックインクの4色カートリッジを採用。自動両面プリント機能も搭載しており、用紙を節約できる。DCP-J988N同様、実質3年間の保証が付く。本体カラーは、黒と白の2色展開。

解説/福多利夫(フリーライター)

※価格は記事作成時のものです。

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