クロスを装着すれば床の拭き掃除ができる
「年末は、大掃除という風習がなければ、もっと楽しいのではないか……」。毎年のように、筆者はそう思うのである。というわけで、文明の利器を使い、少しでも楽をすることとしたい。今回は大掃除の強い味方、拭き掃除機を比べてみた。今回取り上げているものは、掃除機にクロス(掃除用の布や紙)などを装着し、床を拭くことができるツールである。表を見ればわかるように、さまざまなタイプがあり、それぞれのタイプの代表製品を1機種ずつピックアップしている。
タイプがバラバラなので、一つずつ見ていくことにしよう。まずは、ブラーバジェット240から。ルンバでおなじみのiRobotの製品で、自動的に床を走行するロボット掃除機である。ルンバと異なるのは、ゴミを吸い込むことはせず、本体内のタンクから床に向けて水を噴射し、専用のクロスを使って床をゴシゴシと拭くという点。細かく前進後退を繰り返し、1ヵ所を3回拭き取るモードと2回拭き取るモードがあり、水を使わない「から拭き」もできる。
ロボット掃除機の最大のメリットは、自動で掃除してくれることにある。そのため、年末の大掃除に活用するというより、日常的に使っていれば、汚れが蓄積しないというわけだ。そうなれば、大掃除のときの負担を減らすことができるだろう。
シャープのEC-FW18は、コードレスのスティック掃除機だが、床と接するヘッド部分にクロスがついている。さらに、クロスの前方に吸引口があり、通常の掃除機のようにここからゴミを吸い取ることが可能だ。つまり、ゴミを吸い取りながら、クロスで拭き掃除もできるようになっているのだ。ヘッドに取り付けるのは、市販のワイパークロスで、ドライタイプもウェットタイプも利用できる。今まで、掃除機をかけてから、雑巾がけやワイパークロスでの拭き掃除をしていた人ならば、本機の投入で手間が一つ減らせることになる。また、柄を短くすることで、壁などの掃除も行える点は、年末の大掃除向きといえるだろう。
洗濯可能なクロスのほうが低コストで済む
イーバランスのEB- RM08Aは、二つ並んだ円形モップが1分間に80回転するというもの。キッチンの床に頑固な汚れがあった場合でも、汚れに洗剤をスプレーして、腰をかがめずに、このモップでゴシゴシと拭き掃除ができる。スティックの長さが調整できるので、壁や窓の掃除も可能で、かなり大掃除向きといえる。
SC1 Easy Fixプレミアムは、ケルヒャーのスチームクリーナーで最もコンパクトなタイプ。ハンディタイプの本体にロングタイプのダクトとクロスをつけて床掃除ができる。電源を入れて3分で高温スチームが発生し、連続で6分間の噴射が可能となっている。高温のスチームが出るので、熱に弱い素材のものには使えないが、汚れを溶かして浮かす性能は高いので、大掃除には最適。付属アタッチメントが豊富だから、家中どこでも使えるツールである。
どれが欲しくなるかは、ユーザーの目的しだいだが、実は、最もコストがかかるのは、使い捨ての専用クロス。そのため、クロスのコストについては、十分考慮したほうがいい(ブラーバにこのタイプのクロスがある)。しかし、ブラーバも含め、3機種は布製の洗濯できるクロスが付属しているので、こちらを使えばランニングコストは下げられる。また、市販のワイパークロスを使うシャープなら、手軽だし、汎用市販品だから価格も安い。
テーマが大掃除なので、そのために買う一台であれば、汚れ落としの能力が高いケルヒャーが魅力的。回転モップ式のイーバランスも活躍しそうだ。

●解説/福多利夫 (フリーライター)
※価格は記事掲載時のものです。