【ばね指(バネ指)の治し方】マッサージとテーピングで改善する方法 指の体操とツボ押しも紹介

美容・ヘルスケア

「指が痛い」「指の関節が腫れる」「指の動きが悪くなった」「手がしびれる」「関節が変形してきた」など、中高年以降、さまざまな手の不調が増えてきます。特に、腱鞘炎(けんしょうえん)やバネ指は、手を使うことが多い人なら、誰もが起こす可能性のある指の障害です。近年はスマホやゲーム機による親指の使い過ぎで発症する腱鞘炎も増えています。今回は手指の痛みや障害に詳しい医師の先生がたに、腱鞘炎とばね指の違い、その改善法を聞きました。(2020年3月19日更新)

腱鞘炎とは

腱は、筋肉と骨をつなぎ、筋肉の動きを関節に伝えている。腱鞘はトンネル状の形で、複数の腱を束ねている。指を頻繁に動かすと、腱どうしの摩擦が増え、こすれ合った部分が炎症を起こして腱が太くなり、腱鞘は内腔が狭まる。その結果、腱と腱鞘がさらに強くこすれ合うようになり、炎症が悪化して痛みが生じる状態が腱鞘炎。

 

【腱鞘炎の治し方】手首の痛みをテーピングで改善 簡単にできるセルフケア – 特選街web

スマホやパソコンを使いすぎると手首が痛んだ経験はないでしょうか?病院で「腱鞘炎」と診断され、湿布をもらったり、痛み止めの注射をしてもらってもなかなか治らずに苦労した人も少なくないでしょう。しかし正しいセルフケアを行えば、自分で改善することができるのです。腱鞘炎の専門家であるアスリートゴリラ鍼灸接骨院院長の高林孝光先生にお話を伺いました。(文/編集部・石島葵)

tokusengai.com

 

バネ指とは

指の腱鞘炎の一種。曲げた指を伸ばそうとすると、バネのようにカックンとはじけてしまうことから、そう呼ばれる。主な症状は、指のつけ根の痛みや腫れ、指のひっかかりなど。症状は朝の起き抜けが最も重く、昼ごろになると和らぐが、悪化すると指が動かなくなったり、曲がったままになったりする。症状が現れたら、整形外科を受診するのが重要。

更年期の女性に多く、妊娠出産期の女性にも多く生じる。手を使いすぎる趣味やスポーツをする人、指をよく使う職業の人にも多い。糖尿病リウマチ透析患者にもよく発生する。親指、中指に多く、薬指や小指、人差し指にもよく見られる。

バネ指が改善する体操

山王病院整形外科部長の青木孝文先生は、バネ指の患者さんに通常の治療を行う前に、手指の運動療法を指導しています。手を開いたり握ったりする簡単な運動で、青木先生は「グーパー体操」と呼んでいるとのこと。15年前に考案して以来ずっと、バネ指の患者さんに勧め、効果を上げています。

解説者のプロフィール

青木孝文(あおき・ たかふみ)

日本医科大学卒業、同大学院修了。医学博士。ボストン大学神経筋研究センター留学。現在、山王病院整形外科部長、国際医療福祉大学臨床医学研究センター教授。手や足の病気の改善に役立つ独自の治療法を考案し成果を上げている。日本整形外科学会認定整形外科専門医、日本手外科学会認定手外科専門医など。
▼山王病院整形外科(公式サイト)
▼国際医療福祉大学臨床医学研究センター(公式サイト)
▼専門分野と研究論文(CiNii)

バネ指が改善する体操のやり方

手の指を開いたり握ったりするだけで、なぜバネ指が改善するのでしょうか。

ふだん私たちが手を使う場合、握る動作が多く、しっかり指を伸ばすことは意外と少ないものです。青木先生は、それがバネ指の誘因の一つではないかと考え、最初、手のひらを思いきり開いて指を伸ばすことを重視しました。ところが、伸ばすだけでは腱は柔軟になりにくいため、指を思い切り伸ばしたあとに、しっかり握って曲げる動作も加えました。これをくり返すことで、腱を包んでいる膜(腱鞘滑膜)が引き伸ばされ、腱の柔軟性が回復。その結果、腱のむくみが取れて、腱鞘の中で滑らかに動くようになると考えられるのです。

グーパー体操を続けていると、まず、朝の痛みが軽くなり、早い人なら2週間で症状が改善し、時間のかかる人でも2ヵ月ほどでよくなるといいます。これまで青木先生の指導した患者さんの6~7割は、グーパー体操を行うだけでバネ指が治っているそうです。

バネ指は、親指、中指、薬指によく起こりますが、グーパー体操はどの指にも効果が期待できます。いつ行ってもかまいませんが、入浴時に行うと指の動きがよくなり、より効果的。症状が軽いうちに行えば早く改善が見込めますし、治療や手術の後に行えば再発予防に役立つでしょう。

腱鞘炎・バネ指の一般的な治療法

保存的療法としては、局所の安静や投薬、腱鞘内へのステロイド注射などがある。注射は有効で、おおむね3ヵ月以上は無症状なことが多いが、再発することも少なくない。改善しないときや、再発をくり返す場合は、腱鞘の鞘を開く手術(腱鞘切開)を行う。切開するのは腱鞘の一部だけなので、小さな傷で済む。

バネ指が改善する指のストレッチ

次にご紹介するのは、バネ指の症状を緩和する「指反らし」「関節はさみ」です。これは、手の専門医として有名なキッコーマン総合病院副院長・整形外科部長の田中利和先生が考案・推奨しているものです。

解説者のプロフィール

田中利和(たなか・としかず)

柏Handクリニック院長。1985年、旭川医科大学卒業後、王子生協病院、亀田総合病院、キッコーマン総合病院を経て、2020年より現職。日本整形外科学会認定整形外科専門医。日本手外科学会認定手外科専門医
▼柏Handクリニック(公式サイト)
▼専門分野と研究論文(CiNii)

バネ指が改善するストレッチのやり方

指反らし体操の原則は、「曲がる方向とは逆に指を反らせること」。さらに、関節はさみの動きを加えることで、腱と神経をまとめている腱鞘を緩めることができます。腱鞘が緩めば、その分だけ、腱と神経への圧が少なくなるので、その結果、痛みが軽減されることになります。

また、田中先生によると、食事療法も有効であることがわかっていているとのこと。へバーデン結節だけでなく、関節リウマチ以外の指の疾患は、女性ホルモンと深い関連があるといいます。そのため田中先生は、バネ指や腱鞘炎の患者さんには、イソフラボン(体内に入るとエストロゲンと似た働きをする成分)を多く含む大豆食品をとるよう勧めています。

 

バネ指が改善するツボ押し

最後に、手指の痛みを軽減するツボ療法と、使い過ぎている指を休ませるテーピングをご紹介しましょう。総合医療に詳しい、山口嘉川クリニック院長の田村周先生に教えていただきました。

解説者のプロフィール

田村周(たむら・いたる)

1976年山口県生まれ。聖マリアンナ医科大学卒。山口大学医学部総合診療部、長崎医療センター総合診療部、仁徳会周南病院、樹一会山口病院などを経て、山口嘉川クリニック開院。
▼山口嘉川クリニック(公式サイト)

手指の動きをよくする手首押しのやり方

指の障害は原因が使いすぎとわかっていても、指を使わないわけにもいきません。このため、指の痛みやしびれをごまかし、ごまかし、生活している人が多いでしょう。そうした症状を改善する方法の一つが、「手首押し」です。

刺激するツボは、手首の甲側にあります。
まず、手首にある陽池(ようち)と外関(がいかん)という二つのツボを探してください。陽池は手首の甲側で、手首を反らしたときに現れる太いシワの左右中央です。そして、陽池から、ひじ方向に指の横幅2本分下がったところが、外関になります。手首押しは、陽池と外関の間で、押すと気持ちのいいところを刺激します。

手首には、小指側に尺骨神経、親指側にとう骨神経という神経が通っています。この2つの神経は、指の動きをコントロールしている神経です。そのため、手首押しをすると、これらの神経を刺激することになり、手の動きをよくする効果が期待できます。さらに、手の血流を改善する効果もあります。

刺激するべき場所が見つかったら、そこに反対の手の親指の先を当てて、押しもみしてください。慣れてきたら、ボールペンのお尻の部分などで刺激してもいいでしょう。「気持ちがいい」と、感じるくらいの力で押します。むやみに力を入れて、強く押す必要はありません。押せば押すほど効く、というものではないのです。時間は1分ほどでけっこうです。また、1日のうちに、何回刺激してもかまいません。指に痛みが出ているときに行ってもいいでしょう。

手指の負担を軽減するテーピングのやり方

手首押しと併せて、手首にテーピングをすると、大変有効です。使い過ぎている指の無理な動きを制限し、患部を休めることができるからです。

テーピングには、伸縮性のあるテーピング用テープを使います。幅が2~3cmのものがいいでしょう。痛みの出ている指のつけ根の関節を始点とし、陽池のツボまで、引っ張るようにテープを貼ります。痛みのある指が複数の場合は、それぞれの指のつけ根の関節から陽池に向かって、引っ張るようにテーピングします。

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2020-03-19 12:25

次に、陽池から外関までも同様に、手首からひじの方向に引っ張るようにテーピングします。つまり、痛みの出ている指のつけ根から手首に向かって一本、さらに手首の中央からひじに向かって一本、テープを貼ることになります。下の写真は、人差し指と親指に痛みがある場合と考えてください。

動かしてみて、症状の出ている指の動きが、ほどよく制限されていると感じられればOKです。テープは、かぶれなければ一日中貼っていていいでしょう。田村先生は、腱鞘炎・バネ指の原因となった作業が明らかにわかっている場合、テーピングをしたまま、その作業を行うことを勧めています。テーピングで患部を休ませたうえで、手首押しを行うと、より効果的です。ちなみに、田村先生がお住まいの地域では、農作業の草刈りが原因で腱鞘炎を起こすケースがほとんどだそうです。

まとめ

今回ご紹介したセルフケアはいずれも、日々患者さんと向き合っている医師の先生がたにご紹介いただきました。指に痛みなどの不具合が生じた場合、整形外科を受診することが前提ですが、病院での治療と併行して、今回ご紹介したセルフケアを行ってはいかがでしょうか。

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