【開発秘話に迫る】全自動コーヒーメーカー「ツインバードCM-D457B」がおすすめな理由

調理家電

ツインバード工業の「全自動コーヒーメーカー CM-D457B」がコーヒー好きから注目を集めている。コーヒー界の“レジェンド”であるカフェ・バッハ店主の田口護氏の監修のもと、「正しくコーヒーを淹れる作法」を徹底した製品だ。最適な抽出温度、臼式のフラットミル、独自形状のシャワードリップなど、細部にまでこだわり、専門店の味わいの一杯を実現した。製品開発の経緯を、企画担当者に訊いた。

老舗のメソッドが詰まったこだわりの全自動コーヒーメーカー

豆と水を入れるだけで専門店の味わいの一杯が仕上がるこだわり仕様

2018年10月に発売されたツインバード工業の「全自動コーヒーメーカー CM-D457B」は、コーヒー界の“レジェンド”であるカフェ・バッハ店主の田口護氏が監修。83℃と90℃の2種類の抽出温度、粒をそろえて挽ける臼式のフラットミル、6方向からお湯が断続的に注がれるシャワードリップなど、こだわりの仕様が満載されている。コーヒー好きから注目を集めているこの製品は、どのようにして生まれたのか。企画担当者に訊いた。

どこまで突き詰めればいいのか判断できない

くつろぎのひとときや仕事中に、コーヒーが欠かせないという人は多いだろう。日本人一人当たりのコーヒー消費量は世界トップクラス。手軽に購入できるコンビニコーヒーの登場などもあり、ここ数年、消費量は増加傾向にある。

家庭で手軽に美味しいコーヒーを淹れるには、コーヒーメーカーが便利だ。コーヒーメーカー市場も拡大を続けているが、2018年10月に話題の商品が登場した。それが、ツインバード工業の「全自動コーヒーメーカー CM-D457B」(以下、CM-D457B)だ。

ツインバード工業 CM-D457B

価格・製品スペック●実売価格例/4万1950円●最大容量/450ml(3カップ)●サイズ・重量/幅約160mm×高さ約360mm×奥行き335mm・約4.1kg●セット内容/計量カップ、お手入れブラシ、ペーパーフィルター(5枚)、取扱説明書(保証書付)、ガイドブック

シックで直線的なデザインは、最近の同社家電に共通するテイスト。

「CM-D457Bは、豆と水を入れるだけで専門店の味わいのコーヒーが出来上がる全自動コーヒーメーカー。ミルやドリッパー、湯温、蒸らし時間といった細部に徹底的にこだわっており、誰でも手軽に、最高の一杯を自分流に仕上げることができます」

こう話すのは、CM-D457Bの企画を担当した岡田剛さん。ツインバードは、1980年代後半からコーヒーメーカーの開発を続けており、モノ作りの部分に不安はない。だが、コーヒーの味作りではノウハウの蓄積がなく、CM-D457Bの開発を始めた当初は、迷いと苦労の連続だったという。

そこで、開発チームが頼ったのが「田口護の珈琲大全」という書籍だ。東京・南千住にある名店カフェ・バッハの店主であり、国内外でコーヒー界の“レジェンド”と評される田口護氏の著書を徹底的に読み込み、開発担当者が実際にカフェ・バッハを訪れて研究するなどして、開発は進められた。

CM-D457Bの開発期間は約2年で、その間には計3台の試作機が生まれている。最初の試作機を改良し、第2世代を完成させたころに、開発チームは壁にぶち当たった。

「田口氏の著書を頼りに細部の調整を続けていたのですが、どこまで突き詰めるべきなのかを判断できるメンバーが、開発チームにいないのです。また、コーヒーが本当においしくなっているのかも、確信が持てない。そんなころ、縁があって田口氏に監修をお願いできることになり、次の試作機への道筋がやっと開けました」

東京・南千住の名店/カフェ・バッハとは?

いい豆を一粒ずつ選び出すハンドピック、煎りムラのない焙煎などで、多くのファンを持つ専門店。田口氏は、ブルーボトルコーヒー創業者のジェームズ・フリーマン氏ら、数多くの弟子を国内外に輩出。「田口護の珈琲大全」(NHK出版)など、著書多数。

1968年開業の自家焙煎コーヒー専門店。店主の田口護氏。

オリジナルのドリッパーで抽出。サミットの晩餐会にも供される一杯。

正しく淹れるための作法は明確に存在する

迷いや不安を抱えていた開発チームに対して、田口氏が伝えた言葉は明快だった。「コーヒーのおいしい、まずいは個人の嗜好だから正解はない。けれど、正しくコーヒーを淹れるための作法は明確に存在する。CM-D457Bはそれを実現すればいい」というものだ。

田口氏の作法は細部にまで多岐にわたるが、大きなポイントとなるのは三つ。抽出時の湯温、豆の粒度(挽き具合)、そして蒸らしとドリップだ。まず抽出温度だが、田口氏が推奨する湯温は83℃。これに、豆の鮮度や焙煎具合によってはより適した90℃を加えて、2段階の湯温設定を可能にした。

湯温は田口氏の推奨する83℃のほかに、豆の鮮度や煎り具合によって適した90℃の2段階設定が選べる。

豆の粒度は、CM-D457Bでは粗・中・細の3段階で設定できるが、いずれにしても粒の大きさをそろえることが重要になる。粒がそろっていれば、コーヒーの成分の出方や濾過速度を均一にでき、非常に細かな微粉も減ることで、雑味を抑えられるからだ。

本体天面にあるミル部。豆の粒度は粗・中・細の3段階調整。粒度にばらつきのない粉に挽かれる。

「CM-D457Bは、業務用機材で使われる臼式のフラットミルを採用しています。刃は当初、鉄製を検討していたのですが、サビの発生などによるメンテナンスの大変さから、ステンレス製に変更。刃の形状を独自設計にし、低速回転でも力強く挽けるように調整することで、粉の粒の大きさをそろえつつ、摩擦熱を抑えて豆の風味を損なわないことにも成功しました」

ステンレス製の低速臼式フラットミルを採用。高速回転による摩擦熱を抑えることで、豆の風味を損わない。

蒸らしについては、ドリッパーの形状にこだわった。ハンドドリップでの抽出に適した楕円形となっており、ドリッパーの内側にあるリブ(畝のような部分)は、蒸らしのときに発生するガスが逃げやすいように、高さと形状を調整している。これはカフェ・バッハで実際に使われているものと同じだ。

ドリッパーはカフェ・バッハで使われているものと同じタイプ。穴の数や形状、リブの高さまで、メソッドをきっちりと受け継ぐ。

抽出は、6方向からお湯が注がれるシャワードリップを採用。ドリッパー内に積もったコーヒー粉の中心に向かって、湯を断続的に注ぐことで、ハンドドリップを再現している。

「お湯を注ぐ時間や回数、蒸らしを待つ時間など、田口氏のハンドドリップを再現するのは、非常に苦労しました。試作機の制御基板とパソコンを直接つなぎ、すぐに設定を変更できる状態にして、調整を繰り返しました。田口氏にも、何度も試飲をお願いして、そのたびに改善点を指摘してもらいました。最終的なOKが出たときは、本当にうれしかったですね」

シャワー噴出口とドリッパーの間にあえて2センチのすき間を設けることで、挽かれた豆が落ちる様子やドリップされて膨らむ様子、香りなどを感じられるようにしている。

ミルで挽かれた豆は静電気を帯びるため、ドリッパーと反発して飛散するが、それを回避するための除電レバーを装備。コーヒーの粉は、ドリッパー内できれいな円錐形になる。

豆を挽く音/湯気/アロマで期待が高まる

今回、筆者は自宅にある豆を使って、CM-D457Bを試用してみた。操作はシンプルで、迷うことはない。豆をミルに入れて、抽出温度と杯数を選び、スタートボタンを押すだけだ。

出来上がったコーヒーを飲んでみると、確かにいつもと味が違う。口の中に、苦みや酸味、甘みなどさまざまな味がバランスよく広がり、なんだかホッとする味わい。もちろん、香りもよく、昔ながらの喫茶店のコーヒーという印象だ。

1杯のコーヒーが出来上がるまでに、少し時間がかかる(約7~8分)のは確かだ。けれど、豆を挽く音やお湯がしたたる音、湯気やコーヒーのアロマによって期待が高まり、待つ時間も楽しめる。何より、朝の忙しい時間でも、豊かな気持ちになれるのがうれしいところだ。

「自分の嗜好に合う豆を見つけ出すのはコーヒーの楽しみの一つですが、CM-D457Bではさらに、豆の挽き具合や湯温を変えることで、自分好みの味わいを探る楽しみも加わります。さまざまな組み合わせを試して、自分だけの最高の一杯を楽しんでもらえたらうれしいですね」

CM-D457Bに最適化されたオリジナルブレンドをカフェ・バッハとのコラボで近日販売開始。抽出温度にちなんで「83」と命名。

memo

毎日使う道具はメンテも重要。CM-D457Bのミルは着脱式で、ブラシでの手入れが簡単。また、除電レバーと導電性プラスチック製ドリッパーにより、粉の飛散を防ぐ工夫もされている。

インタビュー、執筆/加藤肇(フリーライター)

※価格は記事作成時のものです。

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