ペットフード協会の調べによると、2017年度の全国の犬猫頭数は、約1844万頭。ペットと生活をともにする世帯が増えるにつれ、ペット家電やアプリサービスが注目を浴びている。ここではWi-Fiを利用したペットの見守り、コミュニケーションカメラ、自動餌やり、脱臭・虫対策など、ペットと快適に過ごせる専用家電を紹介する。
4世帯に1世帯が、犬や猫などのペットを飼っているといわれている昨今。かつての飼育動物というイメージから、家族の一員として位置づけられるようになり、関係性も変わってきた。ペットと生活するときの「悩み」はいろいろ。今では、そんなペットとの快適な生活をサポートする家電や新サービスが注目を浴びている。
ペット向け家電が充実
Wi-Fiを利用した見守りカメラが人気
ペットフード協会の調べによると、2017年度の全国の犬猫頭数は、約1844万頭。これは、15歳以下の子供の数=1553万人(2017年度総務省統計局資料)を、上回る数字になっている。
ペットと生活をともにする世帯が増えるにつれ、ペット関連の商品やサービスも充実してきた。飼い主の留守中に食事のケアをする自動給餌器や自動給水器、ペット専用の小型ホットカーペットなどの定番商品も売れているが、特に最近、需要が伸びているのが、ペットの様子をモニタリングする見守りカメラだ。
飼い主は、見守り用のウェブカメラを自宅に設置し、Wi-Fiを経由して、部屋の中の映像をスマホで見られるようになる。外出中、留守番をしているペットの様子を確認できるほか、ペットの食事やトイレの回数がチェックできるなど、健康管理をサポートするサービスも増えている。また、防犯も兼ねて、導入されるケースも少なくない。
現在は、数千円から数万円までさまざまな商品が登場しているが、共通の課題となっているのが「ペットの姿をいかにとらえるか」だ。いつ見てもペットが映っていないようでは、カメラやサービスを使わなくなるのが目に見えている。そのため、各製品やサービスで、さまざまな工夫が施されている。
見守り家電&サービス自動で餌を与えたり健康管理ができたりと多彩
では、今注目の見守りカメラを見ていこう。
首振り機能と各種センサーを搭載し外出先からもペットの姿を探し出せる
まず、パナソニックは、右360度、上下90度を見渡せる首振り機能が特徴だ。カメラはスマホでコントロールできるので、外出先から操作して、ペットの姿を探し出し、ウォッチングすることができる。動きや音を検知するセンサーを採用し、反応があるとスマホに知らせる通知機能を持っているほか、ペットに声かけをして、カメラ前に呼べる音声機能も搭載した。また、温度センサーを備えるため、留守中の部屋の温度もチェックできる。
■パナソニック KX-HC600K KX-HC600K
実売価格例:2万5730円
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【ホームユニット部】
●記録方式/MPEG-4
●記録メディア/microSDHC/SD
●無線LAN/IEEE802.11 b/g/n準拠
●サイズ/幅130mm×高さ42mm×奥行き130mm
●重量/220g【共通】
●電源/AC100V●無線通信方式/DECT
●使用可能範囲/約100m
【カメラ部】
●撮像素子/30万画素CMOS
●画角/水平約70度、垂直約50度
●サイズ/幅77mm×高さ115mm×奥行き77mm
●重量/270g
声がけや自動の餌やりが可能な犬用の遠隔コミュニケーションカメラ
ファーボは、4倍ズーム、自動暗視などに対応した、フルHDD解像度の固定カメラ。パナソニックと同様、通知機能や音声機能を持つほか、スマホからの遠隔操作で、おやつを与えられるのがユニーク。本体からおやつがポーンと飛び出すことで、ペットをカメラ前へと誘導できるほか、ペットがカメラに向かっておねだりするなど、双方向コミュニケーションを楽しむことができる。
■ファーボFurbo ドッグカメラ
実売価格例:2万7000円
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●利用条件/Wi-Fi(2.4GHz)、Android8/iOS8以降
●カメラ/HD 1080p、160度アングル、4倍ズーム、自動暗視モニター
●電源/AC100V
●オーディオ/スピーカー、マイク内蔵
●サイズ/幅150mm×高さ225mm×奥行き120mm
●重量/950g
カメラで撮影したペットの自然な姿をスマホに送信してくれるサービス
ペットみるんは、カメラが撮影した画像を解析してユーザーに提供するアプリサービス。カメラがとらえた画像の中からペットの日常の姿を抽出して送ってくれるので、外れなくペットの映像を見ることが可能。1日に3回、ダイジェストの映像が送られてくる機能もおもしろい。
AI解析で犬や猫の映像を抽出するため、人間のみの映像はカットされ、家族のプライバシーが守られるのも特徴。録画だけでなくライブ映像も見られるほか、食事場所やトイレなどの位置を設定することで、行った回数をグラフ化するレポート機能も備える。
■TEPCO ペットみるん
料金▶【カメラレンタル】事務手数料1080円(初回)、月額540円
【アプリ利用料】月額1350円
※2019年3月31日(申し込み)まで無料トライアル期間あり。
専用トイレでおしっこの量や体重などを自動計測してくれる猫向けIoTサービス
また、カメラをペット用のトイレに搭載し、ヘルスケアに役立てるサービスも登場した。tolettaは、カメラと測定機を搭載したIoTトイレ。体調の変化が表れやすいおしっこの量や回数、体重などを自動計測し、アプリでデータを確認できる。カメラが猫の顔を見分けて個体識別するため、複数飼いの家でも個体ごとのデータを取ることが可能。首輪やタグをつけなくても見分けられるため、猫に負担がかからない点がユーザーに評価されている。
■ハチたまtoletta
料金▶初期費用無料、トイレ1台当たり月額540円(契約期間2年。途中解約の場合、残額は一括支払い)、送料2376円(1台当たり。全国一律)。
※製品やアプリの仕様、料金などは変更になる場合があります。
●通信機能/Wi-Fi(2.4GHz)
●対応OS/Android5.0以降/iOS10以降
●電源/AC100V
●サイズ/
【筐体部】幅436mm×高さ303mm×奥行き 548mm
【トイレスペース部】幅384mm×高さ225mm×奥行き494mm
●重量/3.3kg。※製品やアプリの仕様、料金などは変更になる場合があります。
脱臭、虫対策、カーペット水洗いにも対応飼い主をサポートする家電
これらのほか、ペットだけでなく、飼い主の悩みを解消する製品も増えてきた。
「ペット用」をうたう毛・ニオイ対策の一台
例えば、トイレや動物臭のニオイ対策には、ペット向けの脱臭機が発売されている。例えば、富士通ゼネラルの脱臭機は、ニオイだけでなく、ペットの毛や表皮なども除去する集塵機能付きだ。
【脱臭機】
■富士通ゼネラル HDS-302G
実売価格例:2万930円
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●適用床面積/~20畳
●風量/最大3.0㎥
●消費電力/最大28W
●サイズ/幅274mm×高さ643mm×奥行き262mm
●重量/6.5kg
カーペットの水洗いが可能なアイテム
また、ペットの嘔吐やトイレの粗相でカーペットが汚れたときは、switleが重宝する。これは、キャニスター掃除機のホースに接続して使う製品で、水を噴射しながら汚れを吸い取れるため、手軽にカーペットの水洗いができる。
【水洗いクリーナーヘッド】
■シリウス switle
実売価格例:1万4800円
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●タンク容量/清水タンク:500ml、汚水タンク:FULLラインで600ml
●サイズ/幅148mm×高さ283mm×奥行き506mm
●重量/1.2kg(本体)。
薬剤を使わずに虫対策ができる蚊取り空清
さらに、虫対策と空気清浄で使える、シャープの蚊取り空清も注目。薬剤を使わずに蚊やコバエが捕れる仕組みで、ペットがいる家庭でも安心して使える。なお、これらは、ペット向けといいつつも、一般にも使えるものばかり。裏を返せば、それくらいペット家電の存在価値が高まっているといえそうだ。
ハニカム状の金属に酸化触媒をコーティングした特殊フィルターが、ニオイを急速に吸着・分解。放出された空気が、カーテンやソファーなどの布製品に付着したニオイも脱臭する。
【空気清浄機】
■シャープFU-JK50
実売価格例:2万2590円
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●適用床面積(空気清浄)/~23畳
●風量/最大5.1㎥●消費電力/最大50W
●サイズ/幅394mm×高さ540mm×奥行き281mm
●重量/5.9kg。
まとめ
見守りカメラは、安否確認や健康管理という側面もあるが、実際には「ペットの姿を見て癒されたい」という目的で使われることが多い。実用品であると同時に、ペットと飼い主の心をつなぐコミュニケーションツールとして親しまれている。なお、今回紹介したカメラは、いずれもセキュリティ対策済みだが、カメラを設置する際は、家庭のWi-Fiのセキュリティ対策も確認しておきたい。
●取材・文/諏訪圭伊子(フリーライター)
※価格は記事作成時のものです。