「アレルギー」と「花粉」。誰でも使っている言葉ですが、実は人により千差万別。アレルゲンも、花粉も無数にあります。ここでは代表的な「ハウスダスト」と「スギ花粉」のお話をします。

ハウスダストやスギ花粉の「大きさ」について

ハウスダストとは、いわゆる「ホコリ」のことですが、実際に問題にされるのは、そのホコリを食べるダニの死骸、脱皮カスの破片、糞がアレルゲンとなります。サイズは10~40μmです。

一方、スギ花粉は、30~40μm。どちらも基本的に肉眼ではほとんど見えないサイズです。
つまり、掃除機で吸い込んで、ダストボックスにゴミが取れたとして、その中にどの位含まれているのかなどは、全く分かりません。
したがって、人間の感覚が当てにならない領域の話なのです。

ハウスダストやスギ花粉の「量」について

次のポイントは「量」です。
どの位あったら発症するかということです。敏感な人は、少量でも発症しますが、WHO(世界保健機構)が調査し、まとめた基準は以下の通り。

◆感作(※)2μg/g
 塵(Der1量)
 ダニ100匹相当

◆発作10μg/g
 塵(Der1量)
 ダニ500匹相当

※感作とはアレルゲンに対し抗体反応が始まる時です。μgは、1/1000gですから、まあ、間違いなく見逃しす大きさです。

アカデミー推薦の掃除方法

医師に対し、特定の病気に対する対応法をまとめたものを「ガイドライン」と呼びます。

どこを見て判断する、どんな薬を使うのかなど、こと細かに書いてあります。
喘息のガイドラインもありますが、喘息の場合は「喘息予防・管理ガイドライン」となっており、一般の人にも使える様になっています。そうでないと「予防」にならないですから。

その中で、床の掃除は「できるだけ毎日、少なくとも3日に1回20秒/㎡を実行。」とあります。要するに「掃除機(掃除の方法)にかかわらず、丁寧にゆっくりかけること」がポイントだということです。

パナソニックの掃除機に搭載された「クリーンセンサー」でテスト

とは言うモノの、この予防基準は90年代中頃作られています。
その後、家電メーカーのダイソンを中心に「吸引力」が注目を浴びましたが、最新の掃除機でも、1回20秒/㎡でなければならないのでしょうか?

疑問を持った私は、パナソニックの掃除機に搭載された「クリーンセンサー(2019年モデルでの名称。時期によって名称が変わります)」で確認してみました。
このセンサーは、吸い込むゴミサイズをレーザーで検知しており、約20μm以上のゴミまで反応します。ハウスダスト、花粉共に確認できるサイズです。

私のリビングで試した結果、センサーが反応しなくなるまできちんと掛けると、20秒/㎡でした。要するに、アカデミー推薦の掃除方法は未だに正しかった、というわけです。

いろいろなところで、「吸引力が大きい=ゴミがすぐ取れる」と書かれていますが、それは肉眼で見えるゴミに関して。
ハウスダストや花粉のような微細なゴミは、床のちょっとした凹凸にもすぐ引っ掛かります。このため、時間をかけ、丁寧に吸い込んでやるというのが正解な訳です。

アレルギー・花粉対策での掃除機選びのポイント

では、どんな掃除機でもOKなのかというと、そうではありません。
やはり吸引力は高い方がイイです。しかし、もっと重要なことがあります。
それは、二次汚染を徹底的に防ぐことです。二次汚染とは、器機内に吸い込んだハウスダストや花粉が掃除機から漏れてしまうこと、あるいはゴミを捨てるときに人体に接触してしまうことをいいます。

このためには、以下の3つに気を付けることが大切です。

1)掃除機本体から空気が漏れないことです。安い掃除機で本体の嵌合部にホコリが溜まっている(=排気漏れが発生)ものは、ダメです。

2)排気フィルターはHEPAフィルター(JIS規格 Z8122:コンタミネーションコントロール用語の中で「定格流量で粒径が0.3μmの粒子に対して99.97%以上の粒子捕集率をもち、かつ初期圧力損失が245Pa以下の性能を持つエアフィルター」)同等のフィルターが使われていること。

3)ゴミ捨て時、勢いよく捨てると、ショックでハウスダスト、花粉が舞い散る可能性があります。勢いよく捨てないこと。

一番ラクなのは、「紙パック」式

これら要素を一番満たすのは「紙パック」式です。紙パックは、使い捨てのダスト袋兼フィルターですから、使いやすいのです。

代表モデルとして、パナソニックの2機種を挙げておきます。

パナソニック「MC-PBU520J」などは、スティック型掃除機で紙パックです。

また、軽い紙パック掃除機(コードあり、キャニスター型)の現行モデル、パナソニック「MC-JP810G」なども使い勝手がよい掃除機です。

双方共に「クリーンセンサー」付きです

パナソニック スティッククリーナー
コードレス イット 紙パック式
MC-PBU520J-N

画像1: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

パナソニック 紙パック式掃除機 Jコンセプト
ハウスダスト発見センサー搭載
MC-JP810G-W

画像2: www.amazon.co.jp
www.amazon.co.jp

サイクロン式は、ゴミ捨て時に工夫して

サイクロン式はゴミ捨て時が問題です。海外には、それに対応したモデルもあります。
独ミーレの「ブリザード CX1」。
ミーレは名の通った高級家電メーカーで、世界中のセレブ御用達。モノにうるさい故スティーブ・ジョブズも、ミーレの洗濯機を愛用したそうです。そのミーレが、サイクロン式の完成版として発売した掃除機です。

画像: Miele Blizzard cx1 Pure吸引Powerline Baglessキャニスター掃除機グラファイトグレー www.amazon.co.jp

Miele Blizzard cx1 Pure吸引Powerline Baglessキャニスター掃除機グラファイトグレー

www.amazon.co.jp

ダストボックスの中に、黒い円筒があり、その中に、微細ゴミを集めます。大きいゴミは普通にゴミ箱へ捨てます。小さいゴミは、円筒の中のフィルターごと水洗いで捨ててしまう仕組みです。こちらは、かなり大きい掃除機でもあるためか、まだ日本で発売されていません。

読んでお分かりの通り、提示してきた条件は、サイクロンを否定しているわけではなく、ゴミ捨て時に工夫が必要ですというわけです。例えば、ゴミ袋の中にダストボックスを入れ、そこでゴミ出し。汚れた手とダストボックスは水洗いするとかの工夫をすれば大丈夫です。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オ
フィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があ
り、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京散歩とラーメンの食べ歩き。
生活家電.com
http://www.seikatsukaden.com/

This article is a sponsored article by
''.