【ふくらはぎマッサージのやり方】ポイントは「痛いところ」と「いい加減」

美容・ヘルスケア

ヨガでは、ふくらはぎは「腎臓と膀胱」に深く関わっていると考えられています。ふくらはぎは、ガチガチに硬くても、ユルユルに緩んでいてもいけません。ふくらはぎほぐしのよいところは、何と言っても楽なところ。寝たままで、できるので、ズボラな人にもぴったりの健康法です。もちろん、テレビやスマホを観ながらでもかまいません。【解説】佐藤松義(イタリア政府公認沖道密教ヨガ総合自由大学教授)

解説者のプロフィール

佐藤松義(さとう・まつよし)
イタリア政府公認沖道密教ヨガ総合自由大学教授・沖ヨガ協会本部講師。1978年、ヨガの世界的権威で沖道ヨガの創設者、沖正弘師のヨガ修道場に入門。日本だけでなく世界各国で沖道ヨガの指導を行いながら、世界の食養生や自然療法を学び、精神鍛錬を通した各種健康法とかねあわせ、独自の実践哲学を確立。現在、ヨガの哲学や生命科学に基づいた、一般の人が実践しやすい健康法の指導にも力を注ぐ。

ふくらはぎは腰の周りと関係する

ふくらはぎほぐし」は、寝ながらでも、イスに座りながらでも、体が硬くてもできます。

こんなに楽な健康法なのに、ふくらはぎほぐしは多くの不調を改善します。また、足が軽くなるので、歩くのも走るのも、階段の上り下りも楽になります。

軽くなるのは体だけではありません。ふくらはぎほぐしをすると、気分がスーッと軽くなり、心の悩みがずいぶん小さくなります。

私は、沖ヨガ(※1)というヨガの講師です。沖ヨガでは、内臓の不調や心の悩みは、体の各所に現れると考えます。

それではまず、今回のテーマである「ふくらはぎ」に、どんな内臓の不調や、心の悩みが現れるかを見ていきましょう。

ヨガでは、ふくらはぎは、「腎臓と膀胱」に深く関わっていると考えられています。

つまり、ふくらはぎがガチガチにこわばっていると、腎臓や膀胱、その周り(子宮、腰など)にも影響があるということです。

反対に、腎臓や膀胱の調子が悪ければ、その兆しは、ふくらはぎに現れます。

例えば、ふくらはぎがこわばっている人は、頻尿、尿もれ、尿の出の悪さ、むくみ、冷え性、生理不順、下肢静脈瘤(※2)、腰痛などを抱えていることが多いのです。

実際に、腰痛の人にふくらはぎほぐしを試してもらうと、ほとんどのかたが「痛い!」と言います。

※1 日本に初めてヨガを紹介した沖正弘氏が、インド建国の父として知られるマハトマ・ガンジーからヨガの神髄を学び、伝統的なヨガに東洋医学や禅などを融合させてつくった総合ヨガ。沖道ヨガとも呼ばれる。
※2 足の静脈がふくれてこぶのようになる病気

不安や緊張を軽くしてくれる

さらに、ヨガでは内臓が、喜怒哀楽といった感情につながっていると考えます。

腎臓と膀胱につながっている感情には、「不安」「心配」「緊張」「恐れ」などがあります。お金のこと、家族のこと、仕事のこと。生きていれば悩みは尽きません。私たちは頭の中で、こうした悩みを無意識に繰り返しています。

すると、自分でも気づかないうちに、不安や心配の感情が体に溜まっていきます。それが度を超えると、不安や心配とつながる腎臓や膀胱の調子が悪くなり、ふくらはぎも硬くなってしまうのです。

不安や心配を体に溜めないために、ぜひ試してほしいのが、ふくらはぎほぐしです。

ふくらはぎをほぐせば、腎臓や膀胱に働きかけられるので、その結果、緊張や恐れも小さくなり、動揺する心が落ちついていきます。

また、ふくらはぎが柔らかくなれば、ひざの裏も伸びるようになります。すると、姿勢がよくなり、胸が開くので、息がたくさん吸えます。

呼吸が楽になれば、落ちつきや意欲が生まれます。物事をいい方向に考えられるようになります。

ふくらはぎは、ガチガチに硬くても、ユルユルに緩んでいてもいけません。理想のふくらはぎは、ふだんは柔らかいのに、立ったり歩いたりするときにはキュッとしまる、カモシカのようなふくらはぎです。

そして、カモシカのようなふくらはぎを作るのに、最も簡単な方法が、ふくらはぎほぐしなのです。

足でやるからちょうどいい加圧

ふくらはぎほぐしのよいところは、何と言っても楽なところ。手を使わないので、肩がこることもありません。

寝たままで、できるので、ズボラな人にもぴったりの健康法です。しかし、一見ズボラに見えて、ふくらはぎほぐしの動作には、ちゃんと意味があります。

まず、あお向けになると、血液やリンパ液が全身を巡るようになります。運動不足だと血液やリンパ液が下半身に溜まりがちなので、その解消につながります。

また、自分の足を使うことにも理由があります。
ふくらはぎほぐしは、他人に頼るのではなく「自分の足の重さ」(自重)を利用して、ふくらはぎをほぐします。実は、自重を利用すると、無意識に体にとっていちばん正しい加圧の仕方になるのです。

意識をしなくても体がストップをかけてくれるので、つい力を入れ過ぎてケガをする心配もありません。

ズボラでいい加減な動きに見えますが、実は自分にとって最も「いい加減」、最高の力加減で、ふくらはぎをほぐすことができる、優れた方法なのです。

頭で考えず、自分の体で感じる力を「感知力」と言います。ふくらはぎほぐしは、ふだん頭で考えてばかりの私たちが、もともと持っている感知力を取り戻すのに最適な方法でもあります。

痛いところが不調を治すポイント

ふくらはぎをほぐすときは、
・アキレス腱に近いへこんだ部分
・ふくらはぎの最も膨らんだ部分
この2箇所を重視しながら、アキレス腱側からひざ裏側までまんべんなくほぐしましょう。

ふくらはぎほぐしをしていると「イタタ!」と感じる場所があります。それはあなたの“急所”とも言える場所で、腎臓や胱膀の不調につながったポイントです。

最初は痛いですが、そこを多めにほぐしているうちに、「イタ気持ちいい」に変わっていくはずです。

そうなればしめたもの。先ほど挙げた腎臓や膀胱の不調、不安や緊張が軽くなっていくでしょう。

次項のやり方を参考にアキレス腱側からひざ裏側まで、ポイントをずらしながら下から上にほぐしていきます。1箇所をひざにこすり当てるように10往復。それを、ほかの箇所でも繰り返します。

気持ちいいと感じるうちは、どれだけやってもかまいません。気持ちよく感じるということは、体が無理をしていないサインだからです。

ふくらはぎほぐしは、シンプルで気持ちいいからこそ楽に続けられます。起床時や就寝前、ふくらはぎほぐしを習慣にしてみてください。もちろん、テレビやスマホを観ながらでもかまいません。

「ふくらはぎほぐし」のやり方

こんな症状に効く!

【 体の不調 】糖尿病 高血圧 腰痛 頻尿 尿もれ 尿の出の悪さ むくみ 冷え性 生理不順 下肢静脈瘤 不眠
【 心の不調 】不安を抱えやすい 心配しすぎる 恐れを感じやすい 緊張しやすい

あお向けになり右足のふくらはぎを左ひざにのせる

右足のふくらはぎを左ひざにこするようにほぐす

ふくらはぎのアキレス腱側からひざ裏側まで、全体をまんべんなくほぐす。
1つのポイントにつき約10往復こすりほぐす

左足のふくらはぎを右ひざにのせて同じようにほぐす

❶~❹あわせて1~2分が目安

ふくらはぎほぐしのポイント1

ふくらはぎ全体をまんべんなくほぐす
ふくらはぎを、アキレス腱側からひざ裏側まで4つのエリアにわけて((1)(2)(3)(4))、それぞれの場所につき10往復、ひざにこすり当てるようにほぐす

ふくらはぎほぐしのポイント2

起床時や就寝前にふくらはぎほぐし
起床時に布団やベッドの上で行うと血流がよくなってスッと起きられる。就寝前に行えば体の緊張が取れて眠りにつきやすくなる

ふくらはぎほぐしのポイント3

痛いところは多めにほぐす
痛いと感じたら、ふくらはぎとつながった腎臓や膀胱、腰周りが弱っている証拠(詳しくは記事上)。痛いところはほかの場所より多めにほぐす。イタ気持ちよくなってきたら、調子の悪い腎臓や膀胱、腰周りに効いているサイン

ふくらはぎほぐしのポイント4

座ってもできる
ふくらはぎほぐしは座った状態でもできる。仕事や家事で「疲れたな」と思ったとき、休憩ついでにやるとよい。電車の中やテレビを観ながらでもできる

この記事は『ゆほびか』2019年1月号に掲載されています。

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