大豆のイソフラボンは更年期以降の女性の体内で、女性ホルモンの代わりを務めてくれ、生活習慣病などのリスク低減に役立ってくれます。さらに、大豆のたんぱくには、代謝を高めて抗肥満作用を発揮する「β-コングリシニン」という成分も含まれることがわかっています。【解説】吉川千明(美容家・オーガニックスペシャリスト)

解説者のプロフィール

画像: 解説者のプロフィール

吉川千明(よしかわ・ちあき)
美容家・オーガニックスペシャリスト「更年期と加齢のヘルスケア学会」認定メノポーズカウンセラー。「目指すのは自然体でエレガント」「科学的にナチュラルに」をモットーにコスメのみならず、食、女性医療、漢方、植物療法、ファッション、インテリア、旅とナチュラルでヘルシーな女性のライフステイルを提案。1990年代より、オーガニックコスメと植物美容を日本に広げたナチュラルビューティーの第一人者。代表著書:「美しくなれる自然療法」(主婦の友社)「オトナのための女性ホルモンの話」(宝島社)「これからの美しさの磨き方」(KADOKAWA)など。

体の内側からきれいにしてくれる

長年、美容の仕事に携わってきた私ですが、近年、折りに触れて痛感することがあります。それは、もっとも重要なのは、「体の内側からの美容」だということ。

もちろん外からのケアも大切ですが、どんなによい化粧品を使っても、体内に必要な栄養をとらないと、本当の美容にはなり得ないのです。

そんな観点から、最近、私が自分で活用するとともに、皆さんにお勧めしているのが「蒸し大豆」です。

文字どおり大豆を蒸すだけで、特に味つけもしないシンプルな食品ですが、美と健康と若さを保ちたい女性、特に更年期以降の女性にとっては、いいことずくめの食品です。

蒸し大豆の栄養面での最大の特長は、「イソフラボン」を豊富に含むことです。

イソフラボンはポリフェノールの一種で、高い抗酸化作用(老化や生活習慣病を進める活性酸素を除く働き)を持っています。

同時に、代表的な女性ホルモンであるエストロゲンに似た働きを持つことで知られています。そのため、「フィト・エストロゲン」とも呼ばれます(フィトは植物という意味)。

女性の体内では、成人期の間、エストロゲンが分泌され、月経周期や妊娠できる体勢を整えるほかにも、血圧や血糖値のコントロール、骨中のカルシウムの維持などに働いています。

エストロゲンはいわば、女性の体を守る「鎧」のようなものなのです。

それだけに、エストロゲンの分泌が急速に減少する更年期以降の女性は、「鎧」がなくなるわけですから、健康上のリスクが高まります。

血圧や血糖値が上がりやすくなり、脂質異常症や肥満、骨粗鬆症(カルシウムの不足によって骨がもろくなる病気)なども起こりやすくなるのです。

大豆のイソフラボンは、そんな更年期以降の女性の体内で、女性ホルモンの代わりを務めてくれ、生活習慣病などのリスク低減に役立ってくれます。 

エストロゲンは、女性の体に必要な作用をする一方、多すぎると乳がんのリスクを高めることが知られています。

大豆のイソフラボンは、エストロゲンに似た働きはするものの、発がんのリスクは高めません。逆に、発がんのときにエストロゲンが結合する部分に、代わりに入ってブロックするので、乳がんのリスクを抑えてくれるのです。

イソフラボンの含有量は大豆食品の中でダントツ

イソフラボンは、大豆食品全般に含まれていますが、中でも蒸し大豆は、100g中120mgと、含有量が高くなっています。水煮大豆と比べても、倍近い含有量です。これは、成分が溶け出す水煮と違って、蒸すと成分が内部に凝縮されるからです。

さらに、大豆のたんぱくには、代謝を高めて抗肥満作用を発揮する「β-コングリシニン」という成分も含まれることがわかっています。この成分も、蒸し大豆なら効率よくとれます。

更年期以降、太りやすくなる女性が多いのですが、その対策にも、しっかり蒸し大豆が役立ってくれるわけです。

蒸し大豆は最近、市販品も多く出ているので、それを利用するのもいいですし、ある程度まとめて作り、小分けにして冷凍しておくのも便利です。

「音や匂いがしないので、いつでもどこでも手軽に食べられる」「手でつまんでも汚れない」「余計な味つけをしていないので、体にやさしく、料理にも使いやすい」なども蒸し大豆の大きなメリットです。

私もこのメリットを生かし、日々忙しい仕事の合間に食べる、「携帯食」として活用しています。

忙しくて食事の間隔が開きそうなときや、普段でも午前10時や午後3時ごろなどに、小鉢1杯(20~30粒)の蒸し大豆を食べておくと、血糖値の急激な上昇を防ぐことができるのです。

空腹の時間が長いほど、次の食事のときは急激に血糖値が上がります。

その分、糖を細胞にとり込んで脂肪を増やすインスリンも多く出てしまうので、血糖値の変化はできるだけゆるやかにするほうが、肥満や糖尿病などの生活習慣病対策に役立ちます。

蒸し大豆の間食は、そのために効果的です。私は、仕事の合間に蒸し大豆をとるほかに、カレーやスープやみそ汁に入れたり、ご飯に混ぜたりして食べています。

そのままご飯や汁物に混ぜてもよいのですが、少し豆を崩して混ぜると、よく馴染んで食べやすくなるんです。炊いてあるご飯に、崩した蒸し大豆を混ぜ、少し再加熱するだけでも、風味豊かな大豆ご飯ができます。

手軽においしく食べられて、女性の体を守る蒸し大豆を、ぜひ取り入れてください。

画像: 仕事中の間食用に蒸し大豆を携帯している

仕事中の間食用に蒸し大豆を携帯している

画像: この記事は『安心』2019年1月号に掲載されています。

この記事は『安心』2019年1月号に掲載されています。

This article is a sponsored article by
''.