カメラには、いろいろな「モード」があって、どれを使えばいいのかよくわからない、という人もいるだろう。初心者向けのモードとしては「オート」があるが、それとは別に「プログラムオート」というのもある。どちらもカメラまかせの簡単に撮れるモードらしいが、「この2つの違いはなんだろう?」という疑問にお答えする。

「オート」はほとんどすべてを「カメラまかせにするモード」

「オート」モードは、初心者でも簡単にミスなく撮るためのもので、カメラのほぼすべての機能が自動になる。

ピント合わせや露出合わせ、画づくり機能などもカメラまかせになる。機種によってはズームとシャッターを切ること、セルフタイマーの設定ぐらいしかできないものもある。

パソコンで言えば「ゲストユーザー」みたいなもので、いろいろな機能を使いたいと思ってボタンを押すと「実行できません」「操作できないボタンです」といった警告メッセージが表示される。

オーナーなのに、と疎外感をおぼえるかもしれないが、制約が多い代わりに失敗するリスクをぐんと減らしてくれるのはいい点。

目の前のシーンに対して、考えられるかぎりもっともうまく撮れる方法をカメラが自動的に選んでくれるのだから安心なわけだ。

カメラを使い慣れていない人、知識や経験が少ない人でも、気軽に使えてきれいに撮れるのが「オート」モードの最大の特徴だと言える。

画像: モードダイヤルのAUTOポジション。カメラはソニーα6300。

モードダイヤルのAUTOポジション。カメラはソニーα6300。

画像: オートモードのガイド表示。カメラはソニーα6300。

オートモードのガイド表示。カメラはソニーα6300。

「プログラムオート」は自分らしさが出せる「自動モード」

「プログラムオート」は、露出だけをカメラまかせにするもので、絞りとシャッタースピードをあらかじめ決められたとおりに設定されるところから「プログラム」の名がある。

「オート」モードのようになにもかもがカメラまかせというのではなくて、露出以外の機能は自由に決めることができる。

たとえば、写真の仕上がりを好みに合わせて明るくしたり、景色を撮るときに青空の色味を強調したりといった工夫ができるのが「オート」モードとは違う。

パソコンなら「管理者」として使っている状態で、カメラをあつかううえでの制約はない。

その分、不適切な設定を選んでしまって失敗写真になるリスクもある。慣れや練習も必要だし、考えて撮らないといけないから面倒も多い。

その代わり、自分の気持ちや意思に合わせて機能を選び、それをうまく生かして撮るという楽しさが味わえる。カメラに「撮ってもらう」のではなく、自分でカメラを使って「撮れる」モードなのだと言える。

画像: モードダイヤルのP(プログラムオート)ポジション。カメラはソニーα6300。

モードダイヤルのP(プログラムオート)ポジション。カメラはソニーα6300。

画像: プログラムオートモードのガイド表示。カメラはソニーα6300。

プログラムオートモードのガイド表示。カメラはソニーα6300。

「オートとプログラムオートの中間」にシーンモードもある

「オート」モードと「プログラムオート」の中間的存在なのが「シーン」モードだ。「ポートレート」や「風景」といった撮影シーンに合わせて選ぶモードで、「オート」モードに近い使い方でもう一歩踏み込んだ撮り方ができる。

「オート」モードでは、カメラがその場その場で適切と思われる機能の組み合わせを選んでくれるのに対して、「シーン」モードは、撮影するシーンに合った機能の組み合わせが選ばれる。

たとえば、「スポーツ」モードであれば、ピント合わせの方式が動く被写体を追いつづけるコンティニュアスAFになるし、ドライブモードも動きを連続でとらえられるように連写に設定される。そんな具合に「オート」モードでは使われない機能も利用される。

スポーツに特化した設定になる分、動く被写体を撮りたいときには「オート」モードよりもいい写真を撮れるチャンスも多くなる。

反面、選んだモードに合わないシーンには弱くなるので注意が必要。運動会だからと言って、いっしょにお弁当を食べるシーンは「スポーツ」モードよりも「オート」や「ポートレート」モードに切り替えないといけない。

オートとプログラムオート、シーンモードの使いわけ

難しいことを考えずに、気楽に撮りたい人にとっては「オート」モードがベストだろう。

スマートフォンからステップアップしたばかりで写真の撮り方、カメラの使い方がよくわからない人にもおすすめと言える。

「シーン」モードは、自分がこれから撮るのがどういうシーンなのかが明確なときに強い。

子どもの運動会やモデルを使った人物撮影、景勝地で景色を撮るときなど、同じシチュエーションで何枚も撮るのがわかっている条件で使うとうまく撮れる率が上がるはずだ。

あれこれ撮っていくうちに「こんなふうに撮りたい」というビジョンが明確になってきたら「プログラムオート」モードを試してほしい。

手間や面倒くささは増えるし、失敗することもあるだろうが、いい写真が撮れたときの感動は大きい。

ほかの人とは違った写真を撮りたい人、スマートフォンでは思いどおりに撮れなくて不満を感じていた人には特に積極的に使ってもらいたいモードだ。

◆北村智史(カメラライター)
いろいろなメーカーのカメラを使って写真を撮ったり記事を書いたりするのがなりわいのフリーライター。カメラ専門誌や一般誌、ウェブ媒体で活動中。文字数多めのブログも運営してます。他人を沼に招く習性があるため、取り扱いには注意が必要です。愛用ソフトウェアはPhoto MechanicとLightroom Classic CC。
Twitter:kitamura_sa
blog:どや顔カメラ通信 https://doyacame.net

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