【バーチャルヘッドフォン技術】Androidで耳と顔の写真を撮るだけでサラウンド実現 クリエイティブメディアの「SXFI」シリーズ

家電・AV

スマホでの音楽再生で人気のヘッドフォンだが、PCで映画や音楽を楽しむ人にとっても、ヘッドフォンは欠かせない。そして、VRムービーの人気の高まりに合わせて、ヘッドフォンでのバーチャルサラウンド再生への注目も高まってきている。Windwos 10では、Dolby Atmos for Headphoneを使えるなど、手持ちのヘッドフォンで手軽にサラウンドを楽しめる機能も増えている。

手持ちのヘッドフォンでサラウンドを実現する「Dolby Atmos for Headphone」「DTS Virtual:X」

ヘッドフォン用のバーチャルサラウンド技術としては、いくつかのヘッドフォンメーカーが、独自のサラウンド技術を盛り込んだモデルを発売している。
これらは、ヘッドフォンも専用に開発されており、ヘッドフォンごと購入する必要があった。

しかし、最近では、手持ちのヘッドフォンで手軽にサラウンドを楽しめる技術が登場し、注目を集めている。

ひとつは、Windows 10のPCで使える「Dolby Atmos for Headphone」。
これは、Windows10用のアプリ「Dolby Access」(無料)をインストールした後で、アプリ内課金(1680円)をすることで「Dolby Atmos for Headphone」が使えるようになる。

数千円の金額で、手持ちのヘッドフォンで手軽に映画や音楽をサラウンド音声で楽しめるようになる。
もちろん、ドルビーアトモス音声にも対応するし、5.1/7.1chのサラウンド音声をより臨場感豊かな立体的なサラウンドで楽しむことも可能だ。

「DTS Virtual:X」も同様のバーチャルサラウンド技術で、手持ちのヘッドフォンでサラウンドが楽しめる。
こちらは、DTS Virtual:X音声が収録されたBD/DVDソフトで楽しめる。
サラウンドで楽しめるタイトルは限られるが、映画やアニメなど、最近では収録タイトルが増えてきている。

ヘッドフォン再生ならば、大音量でも周囲に迷惑をかけることが少ないので、深夜でも迫力ある音で楽しめることが魅力。
手持ちのヘッドフォンが使えるため、誰でも試しやすいので、一度試してみてほしい。

バーチャルサラウンド再生には、サラウンド感が物足りない

ただし、バーチャルサラウンド再生は、実際に複数のスピーカーを部屋に配置した本格的なサラウンド再生と比べると、サラウンド再生の効果には差が出てしまう。

映画館のように、何個ものスピーカーを部屋に配置したシステムの方が効果的なのは当然とはいえ、本格的なサラウンド再生はハードルが高い。
バーチャル再生が何故、最適な効果が出しにくいかと言えば、それは個人の頭部や耳の形状がそれぞれ微妙に異なるためだ。

人間の耳はふたつしかないのに、前後左右や高さといった音の方向や距離を感知できるが、それは、ふたつの耳から入った音の大きさや到達時間の遅れを認識し、距離や方向を感知しているため。
さらに詳しく言うと、頭部や耳の形状による微妙な反射による影響を把握することで、距離感や方向感の精度を高めている。

バーチャルサラウンド再生では、この仕組みを応用している。
一般的な人間の頭部の形状や耳の形状をモデル化して、その反射の影響を数値化し、音楽信号や映画のサラウンド信号を補正しているのだ。
ただし、人間の頭の形や耳の形は人それぞれで微妙に異なっており、平均的な頭部や耳の形状を数値化しただけでは、十分な方向感や距離感が得られない、というわけだ。

Androidスマホで耳と顔の写真を撮って、データを最適化する「SXFI」技術

クリエイティブメディアが発売している「SXFI」シリーズの商品は、Androidスマホを使って両耳と顔の写真を撮るだけで、個人に最適化されたデータを生成する技術を搭載したヘッドフォン。

さまざまなヘッドフォンと接続できる、ヘッドフォンアンプ型の「SXFI AMP」(クリエイティブストア価格 1万6800円)、USB接続のヘッドフォンタイプの「SXFI AIR」(クリエイティブストア価格 1万3800円)などがある。

クリエイティブメディア SXFI AMP

jp.creative.com

クリエイティブメディア SXFI AIR

jp.creative.com

専用のAndoroidアプリで撮影した両耳と顔のデータは、クラウドにあるデーターベースに送られ、最新の画像認識技術で形状を分析、そこにあらかじめ用意された精密な頭部形状のデータを元に、個人に最適化されたデータを生成する。
技術が完成した後、1年ほど時間をかけてデータを蓄積し、今では99%のデータ一致率を達成しているという。

一般的な頭部形状のデータではなく、個人に最適化された頭部形状のデータでサラウンド化を行うので、効果は非常に優れており、比較的安価な製品とは思えないほどリアルなサラウンド空間が体感できる。

「SXFI」シリーズは、PCなどとUSB接続して使うヘッドフォンではあるが、最大7.1chのサラウンド音声の入力に対応しており、PCでの映画や音楽再生、ゲームなどをサラウンド音声で楽しむことができる。

そのサラウンド感はかなりのレベルで、ヘッドフォン特有の頭の中に音の空間がある感じがなく、スピーカーでのサラウンド再生に近い、広い空間感のある再現が得られる。
ステレオ音声の音楽でも、耳の外側で音が鳴っている感じがあり、ヘッドフォンというよりもスピーカー再生に近い聴こえ方になる。
映画やゲームはもちろんだが、ヘッドフォンの音の聴こえ方が苦手という人にもおすすめしたい。

まとめ

ヘッドフォンのサラウンドも、ますます本格的になってきている

手持ちのヘッドフォンを使える手軽なバーチャル再生技術も普及が進んできており、さらに「SXFI」シリーズのようなバーチャルヘッドフォンも大きな進歩を果たしてきている。

映画やゲームをサラウンドで楽しみたいが、本格的なサラウンドはコスト的に負担が大きく、また大音量では近所迷惑になるなど、ハードルは高いと感じている人は多いだろう。
そこで、こうしたヘッドフォン技術を使えば、より本格的なサラウンド再生を多くの人が手軽に楽しめる。
興味のある人はぜひとも試してみてほしい。

◆鳥居一豊(AVライター)
オーディオ、AVの分野で活躍するAVライター。専門的な知識をわかりやすく紹介することをモットーとしている。自らも大の映画・アニメ好きで自宅に専用の視聴室を備え、120インチのスクリーン、有機ELテレビなどを所有。サラウンド再生環境は6.2.4ch構成。

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鳥居一豊(AVライター)

オーディオ、AVの分野で活躍するAVライター。専門的な知識をわかりやすく紹介することをモットーとしている。自らも大の映画・アニメ好きで自宅に専用の視聴室を備え、120インチのスクリーン、有機ELテレビなどを所有。サラウンド再生環境は6.2.4ch構成。

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