【疲れ目・ストレスを改善】目の機能を助ける「干しブドウ酢」の食べ方

美容・ヘルスケア

干しブドウ酢は、干しブドウを酢とハチミツに漬けたものです。これは非常に目によい組み合わせです。中医学では、干しブドウも酢も目に関係の深い「肝」に属するからです。肝は特に目と関係が深く、肝の気がスムーズに流れていれば目の機能もよく働くと考えられています。【解説】井上正文(木暮医院漢方相談室薬剤師)

解説者のプロフィール

井上正文(いのうえ・まさふみ)
木暮医院漢方相談室薬剤師。自分の身体は自分で守るというコンセプトの下、患者一人一人の体質に合った漢方薬を処方している。

目によいベストの組み合わせ

「目の疲れが取れた」「老眼鏡がいらなくなった」「加齢黄斑変性の進行が止まった」

『安心』誌上で「干しブドウ酢」が紹介されてから、このような、「目に効いた!」という声が、続々届いているそうです。

それもそのはずで、干しブドウは昔から、中医学では「目の特効食」としてよく知られています。

干しブドウ酢は、干しブドウを酢とハチミツに漬けたものです。これは、非常に目によい組み合わせです。というのも、主材料である干しブドウも酢も、目に関係の深い「肝」に属するからです。

中医学では、人体を五臓(肝、心、脾、肺、腎)と六腑(胆嚢、小腸、胃、大腸、膀胱、三焦)に分けて考えます。

その中で、肝は特に目と関係が深く、肝の気(一種の生命エネルギー)がスムーズに流れていれば、目の機能もよく働くと考えられています。

干しブドウは、肝に入って、肝の血を補う作用があります。一方の酢の酸味も、五行論の五味で分類すると、肝に属します。

このように、どちらも肝にかかわりが深いのですが、作用が若干違います。

干しブドウは、肝の機能を直接補って助けるもの、酢はその収れんする性質から、干しブドウの滋養がもれなく肝に届くように守り、干しブドウの肝への働きを助けます。

自動車でいうと、干しブドウはガソリン、酢はエンジンオイルのようなものです。車は、ガソリンがなければ動きません。エンジンオイルは、そのガソリンをもれなく燃やして、車が効率よく動くようにしてくれます。

目に対しても、干しブドウの滋養をもれなく肝に渡し、目に届けるのが酢です。

それをハチミツが、体内に取り込みやすくします。ハチミツは、異なる物を調和させる働きがあります。

これは、多くの漢方薬に配合されている、甘草の働きによく似ています。甘草は異なる物を調和させ、味を整える働きがあるのです。ハチミツは、その作用に加えて、脾を補って、消化器の力を強くする働きがあります。

イライラしやすい人、怒りっぽい人にもお勧め

干しブドウは、ブドウとはまったく違う性質を持ちます。ブドウを干して太陽の陽気に当てると、ブドウがもともと持っている滋養の力のグレードが、1段も2段も上がるのです。柿と干し柿、梅と梅干しと同じように、果物から薬食に変わるのです。

また、酢は体内でクエン酸回路(細胞の中でエネルギーを生み出す回路)を回して疲労物質を分解し、エネルギーに変える働きがあります。

中医学でも、酢は疲労の素を取り除く作用があるとされています。日の周りの筋肉の疲労の素が取れれば、干しブドウの目を養う滋養やハチミツの栄養が目に届きやすくなります。

すると、目の疲れが取れるだけでなく、目の焦点が合いやすくなり、物が見えやすくなります。

飛蚊症(目の前を蚊が飛ぶように見える症状)や、緑内障などの目の病気も、目の周りの緊張がほぐれれば、症状が改善したり、眼圧が改善したりする可能性があります。

干しブドウ酢をとって、目の組織の環境がよくなれば、目の機能も向上していきます。

現代人は、スマートフォンやパソコンの使いすぎで、常に目が疲れています。ですから、まず目を休めることが最優先ですが、目の機能を助ける食品として、干しブドウ酢は一押しの食品です。

また、干しブドウ酢を食べると、酢のストレスを追い散らす作用によって、肝の気の緊張がゆるみ、リラックスします。

この作用は、抑肝散という漢方薬に似ています。抑肝散は肝の高ぶりを抑えて、イライラや怒りを鎮める薬です。

目に力が入っている、眉間にシワが寄っている、頭痛があって目の奥が痛いといった人が、干しブドウ酢を習慣的に食べれば、イライラした気分を発散させる一助になります。

干しブドウ酢の食べ方ですが、酢の酸味で胃に刺激が強いので、空腹時は避けたほうがいいでしょう。食後に食べて、その後に白湯を飲むと、胃の温度が上がって、干しブドウを消化・吸収しやすくなります。

胃の弱い人、胃酸過多、胃炎などがあって酢に敏感な人は、酢の量を少なめにして作るといいでしょう。また、甘味が強いので、糖尿病の人は食べる量を控えめにしてください。

中医学では、肝は夕方から夜にかけて働くとされていますから、目のために食べるなら、夕食後がお勧めです。また、目が疲れたときに食べれば、その場で目がらくになります。仕事や学校で強いストレスを感じているような人は、朝食後に食べてもいいでしょう。

「人生100年時代」と言われるようになりましたが、目が悪い人生では、楽しみも半減します。何歳になっても目を健康に保つために、干しブドウ酢を食べていただきたいと思います。

「干しブドウ酢」の作り方

【材料】(作りやすい分量・2~3週間分)
リンゴ酢……50ml
ハチミツ……大さじ2
干しブドウ……100g
※酢やハチミツの量は、好みで増減可。
※酢はリンゴ酢がまろやかでお勧めだが、好みの醸造酢(米酢、黒酢、穀物酢など)を使ってもよい。

【作り方】
リンゴ酢とハチミツをよく混ぜ合わせる。

ふたのできる保存容器に干しブドウを入れ、(1)を注いでよく混ぜる。

ふたをして常温で2~3日ほど置き、干しブドウが酢にしっかり漬かったら、冷蔵庫で保存する。
すぐ食べられるが、漬けて1日たってからが食べごろ。

《干しブドウ表面の油や汚れなどが気になる場合》

干しブドウには、ブドウを乾燥させただけのものと、表面にオイルコーティングをしたものの2種類があります。オイルコーティングしたものでも、同様に作って問題はありませんが、油が気になる人は、下記の手順で作ってください。

干しブドウを、40℃ほどのぬるま湯につけてさっと洗い、すぐにザルに上げる。

水気を切って乾かし、後は通常の作り方と同様にして作る。
干しブドウの表面の水分が完全に飛ぶまで乾かすこと。水分が残ったままだと、カビなどの心配がある。

《保存方法と保存期間の目安》

ふたをして冷蔵庫で保存する。
冷蔵庫で1ヵ月は保存可能。
1日に1回、上下を返すように全体を混ぜるとよい。

《1日に食べる量の目安》

【10~20粒(大さじ1/2~1)程度】
(約35~70kcal ※オイルコーティングなしの干しブドウで作った場合)

これ以上食べても特に害はないが、糖分やカロリーのとりすぎになったり、人によってはおなかがゆるくなったりすることもあるので注意。

《お勧めの食べ方》

●そのまま食べる。
●ヨーグルトにトッピングして食べる。

この記事は『安心』2019年2月号に掲載されています。

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