近年増加している鼻のトラブルは、花粉症などアレルギー性鼻炎だけではありません。細菌感染による副鼻腔炎や、原因不明の好酸球性副鼻腔炎が増えています。そこで、正しいセルフケアの方法と、鼻づまりや鼻水を一気に軽減する「筋膜ヨガ」をご紹介します。【解説】石井正則(JCHO東京新宿メディカルセンター耳鼻咽喉科診療部長)

鼻水を気にし過ぎるのは間違い

介者扱いをされがちな鼻水ですが、鼻を掃除したり、加湿したりするために必要不可欠な存在です。

健康な状態でも、毎日1~1.5リットルの鼻水が作られていて、その半分は鼻の後ろからのどに流れ込み、のどの周辺の湿度を保っています。この状態を、後鼻漏と言います。

鼻水がサラサラしていて、透明や白っぽい色ならば、まったく問題はありません。

しかし、なぜか後鼻漏を気にし過ぎて、口から何度も吐き出す人がいます。高齢になると鼻腔やのどの粘膜の表面が乾いて、粘っこく感じられるからかもしれません。

ただ、口から吐き出せばさらに粘り気が増し、のどの乾燥もひどくなります。ですから、のどに落ちた鼻水を吐き出さずに、お茶などと一緒に飲み込むようにしましょう。

鼻については間違ったケアを行って、症状を悪化させているケースも見受けられます。

例えば鼻うがい(鼻洗浄)は、炎症の原因物質を洗い流すために効果的です。しかし、洗面器に張った水に顔を入れて行う方法はお勧めしません。洗面器についている雑菌が、鼻に入る可能性が高いからです。

鼻うがいをする際には、必ず清潔な器具で、専用の洗浄液か生理食塩水(濃度が0.9%の食塩水)を用いて行います。いずれも薬局で購入することができます。

また、鼻の下にメントール入りのリップクリームを塗る方法も知られていますが、これも逆効果です。メントールが鼻の粘膜を強く刺激するので、炎症を悪化させる可能性があります。

ただ、鼻の穴にワセリンを塗る方法が広まっていることには、私も責任を感じています。実は3年ほど前にテレビ番組に出演したときに、私がこの方法を紹介したのです。

鼻の穴が乾燥して不快ならば、ワセリンで保湿されて改善されます。しかし「ワセリンに花粉などがくっついて、鼻の奥に入らないから、花粉症が軽くなる」というのは真っ赤なウソです。ワセリンを塗っても思いっきり息を吸えば容易に鼻腔内に入ります。

×間違った鼻のセルフケア ×

・点鼻薬の使い過ぎ→鼻の粘膜が腫れて厚くなる肥厚性鼻炎を引き起こし、かえって鼻づまりなどの症状が悪化する

・洗面器で鼻うがいをする→洗面器についた雑菌が鼻に入る可能性が高い。必ず、専用の器具を使う

・鼻の下にメントール入りのリップクリームを塗る→鼻の粘膜を強く刺激し、炎症が悪化する

・鼻の穴にワセリンを塗る→花粉が吸着されて、鼻の奥に入らないというのはウソ。鼻の穴の乾燥は軽減される

ストレスもアレルギーを悪化させる原因になる

患者数の増加と関係しているのか、市販の鼻炎薬の種類が増え、自己流のケアも世の中には広まっているようです。

しかし、副鼻腔炎は市販薬では治せないし、好酸球性副鼻腔炎にいたっては、対処が遅れれば喘息の発作を引き起こす可能性が高くなります。

鼻水が黄緑色で粘っこくなっていたり、片側だけの鼻詰まりが長く続いていたりする場合は、速やかに耳鼻咽喉科を受診しましょう。

また、心の状態は体の状態と結びついていて、ストレスで鼻詰まりが起こったり、アレルギーが悪化したりすることがわかっています。

リラックスする時間を作るために、ふだんの生活にヨガや呼吸法などを取り入れることもお勧めします。

ここでは私が考案した「筋膜ヨガ」をご紹介します。アレルギー性鼻炎や副鼻腔炎などによる、鼻づまりや鼻水などでお困りのかたは、ぜひお試しください。

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