【症状別】足裏マッサージのやり方 不調や痛みを改善する“痛くない”足裏ケア

美容・ヘルスケア

脳は「気持ちいい」と感じることで、脳疲労を癒すために必要な「セロトニン」と呼ばれるホルモンを分泌します。不調な部位をピンポイントでほぐすよりも、少し広範囲でじっくりとほぐすほうがリラクゼーション作用は高まります。イライラや頭痛を改善する「足裏もみ」を8つの症状別にやり方を紹介しましょう。【解説】手島渚(ボディケアセラピスト)

解説者のプロフィール

手島渚(てしま・なぎさ)
ボディケアセラピスト。15万部突破のベストセラーセルフケア本『足裏・手のひらセルフケア』(エイ出版社)の監修をはじめ、多くのメディアや雑誌で、休息術・脳休術としてのリラクゼーションメソッドを監修。現役のセラピスト・講師として日本全国で施術や講座を行う。東京・中野、京都・西陣にて、仲間のセラピストたちとリラクゼーションスペース「WHOLE TREAT」を運営する。最新刊『たった1分 脳疲労にきく魔法の手もみ』(河出書房新社)ほか、著書多数。2月末には『二の腕のぷよぷよがなくなる本』(PHP出版)を発売予定。
リラクゼーションスペース「WHOLE TREAT」=https://www.wholetreat.info/

脳疲労やストレスからくる現代病が増加

足の裏には、全身の臓器や体の部位を反射投影している「反射区」というものがあります。この反射区を押したり、もんだりして刺激すると、対応する臓器や部位を活性化させたり、血流をよくしたりできます。

例えば、便秘がちな人は、腸に当たる左右の足の裏の土踏まずの下あたりの反射区が硬くなるなど、その臓器の状態や体調が足の裏に現れます。そこをもみほぐすことで、不調や痛みが改善に向かうのです。

この考えを治療に用いたのが「リフレクソロジー」です。リフレクソロジーは世界じゅうで代替療法としても用いられ、効果も実証されています。私自身、10年以上リフレクソロジーのメソッドを使って、施術やワークショップを行ってきました。

しかし、ここ数年で、リフレクソロジーだけではケアしきれない症状を持つ人が増えてきました。膨大な情報量やストレスにさらされることで、脳の疲れ、いわゆる「脳疲労」による症状が増えてきたのです。

そこで私が着目したのが、「気持ちいい」と感じることによるリラクゼーション効果です。脳は「気持ちいい」と感じることで、脳疲労を癒すために必要な「セロトニン」と呼ばれるホルモンを分泌します。

不調な部位を細かくピンポイントでほぐすよりも、少し広範囲で、じっくりとほぐすほうがリラクゼーション作用は高まります。

また、背骨の反射区は自律神経との関連が深い部位で、この場所を刺激することによって、脳の中でいちばん負担がかかっているといわれる自律神経の中枢の疲労も癒せるようになります。

これらのことを踏まえて考案したのが、今回ここで紹介する「足の裏もみ」です。脳疲労に対応し、かつ一般のかたでも簡単に行えるケアとして、私も講座やワークショップなどでお勧めしています。

優しくもむだけで効果がある

私が勧める足の裏もみは、体が発しているサインを捉えながら感覚で足裏をもみほぐしていきます。下に足の反射区の図を示しました。不調を感じやすい場所がある場合、この反射区の図を参照にこまめに足の裏をもんでください。

足裏を触って硬くなっていたり、逆にブヨブヨしていたり、また砂利に触れたようなザラザラとした感触があったりした場合には、老廃物がたまり、体内に滞りがあることを表しています。その滞りを解消すれば、体は自ずと働きやすくなります。

全身の痛み・不調に対応する
《 足の裏、甲、側面の反射区図 》

具体的なもみ方については後述しますが、一つ気をつけてほしいのは「痛いと感じるほど強くもまない」ことです。

足の裏もみというと、テレビ番組などでタレントさんが足つぼマッサージを受けて、痛みで悶絶しているのをイメージする人も多いのではないでしょうか。

しかし、私の勧める足の裏もみは、リラクゼーションの役割がとても大きいのです。なので、体に過剰な痛みを与えるような強い刺激はお勧めしません。

痛む施術は交感神経のスイッチが入って体が闘争モードになり、体が緊張して硬くなったり、ストレスを増やしたりなど、リラックスとは程遠い状態になるからです。

これは足裏に硬い部分を見つけた場合でも同じことです。強く押しもみせず、優しくもむようにしてください。強くもみ過ぎると、先述のように体が緊張して硬くなるほか、筋肉や皮下組織を痛める原因にもなります。

むしろなでるくらいの優しいタッチでも、何度か繰り返して触れていけば、体は必ず反応します。

手を動かすスピードも、速過ぎると体が緊張しやすくなります。ゆっくり息を吸ったり吐いたりしながら行い、呼吸に合わせて手を動かすと、体も心も緩みやすくなります。

週に2〜3回、3分でもOK

特段に不調なところがない場合、足の裏もみは毎日行う必要はありません。週に2〜3回、3〜5分程度、足の裏全体を優しくもみほぐす感じで行ってください(基本的なもみ方は下項)。

仮に不調がない場合でも、それだけで足の裏に弾力が戻り、色や形にも変化が現れることがあります。

脳疲労や体の不調は気がつかないうちにたまっていくもので、足の裏をケアすることでそれが解消され、見違えるほど心身が変化します。

新陳代謝がきちんと行われ、エネルギーがうまく巡っているときの足の裏は、適度に温かく、つやと弾力があります。

足の裏もみを行った後は、筋肉が動きやすくなり、歩いたときに血液やリンパが流れやすくなります。足の裏につながる神経も圧迫感がなくなり、情報が伝わりやすくなるでしょう。その結果として脳疲労がとれてきて、臓器などにもよい影響が出てくるというわけです。

私は足の裏もみを多くの人たちに施術してきました。肩こり、腰痛などの痛みから、便秘、胃痛などの内臓の不調、うつや不安感、イライラ、高血圧、高血糖まで、多くの症状が改善したという喜びの声をいただきました。

下項では、高血圧、高血糖、腰痛、便秘、生理痛・婦人病など、各症状別に足の裏もみケアのやり方を紹介します。一人で簡単にできる足の裏もみを、体の定期的なメンテナンスとして取り入れてみてください。

3分でも足の裏をもむと体が大きく変化する!

脳疲労を取る! 体と心をケアする「足の裏もみ」のやり方

足の裏もみを行う基本姿勢

基本的には自分が疲れにくく、座りやすい姿勢で行う。写真のように背すじを伸ばし、骨盤を立てて座り、片足を反対側の足の太ももの上にのせて行うのが理想。イスに座って行ってもOK

基本的な足の裏のもみ方

痛むほど強く押さない。なでるくらいでもOK
足に傷や炎症があるとき、発熱があるときは行わない
オイルやクリームを塗って行うとなおよい
妊娠16週未満の妊婦には行わない。それ以後の場合、医師に相談してから行う

もみ方(1)指の腹で押す

指の腹を使い、皮膚の1mmほど下を押すようにイメージし、こするように刺激する。片手で行ってもよいが、写真のように両手で行うと指が痛くならない

もみ方(2)関節(骨)で押す

指で押すよりも深く刺激できる。ネイルをしている人や爪が長い人、指が痛くなりやすい人はこのやり方が押しやすい

もみ方(3)指先で押す

不調を感じる足の裏の反射区に指先を当て、じっくりと長押しする方法

症状別「足の裏もみ」のやり方

《 高血圧・イライラ 》

ストレスや疲れがたまると、ささいなことでイライラしたり、カッとなりやすくなったりします。すると、血圧が急上昇し、心臓に負担がかかります。まずは脳疲労を取るため、頭に当たる親指をほぐしましょう。また、右足の裏の心臓に当たる反射区ほか、胸に当たるゾーンをほぐすと全身の血の巡りがよくなります。

【もみ方】
頭から首に当たるゾーンを縦方向にまんべんなくほぐす

心臓や肺の反射区を含む胸のゾーンを縦方向、横方向に刺激する

《 糖尿病・食べ過ぎ 》

ストレスがたまると脳が糖分を過剰に欲し、食欲がコントロールできなくなります。また、自律神経が乱れることで、血圧や血糖値も上昇します。血糖値を下げるホルモン「インスリン」を分泌するすい臓を含む、内臓全体の反射区をもみほぐしましょう。脳に関わる親指もほぐすとさらに効果的です。

【もみ方】
すい臓の反射区に当たる土踏まずの辺りを含め、腹のゾーンを縦横方向にまんべんなく丁寧に刺激する

頭、脳の反射区に当たる親指を縦方向にまんべんなくほぐす

《 頭痛 》

頭痛は、脳疲労やストレスで悪化します。脳をいたわってあげましょう。背中から肩にかけての血行を改善することで、頭皮を緩ませ、脳のリラックスにつながります。

【もみ方】
頭から首に当たるゾーンを縦方向にまんべんなくほぐす

背骨のゾーンをかかとから親指のつけ根にかけて縦方向にほぐし、続いて足裏の骨から筋肉をはがすように横方向にほぐして緩める

《 腰痛 》

腰痛は、姿勢のクセや、骨を支える筋力の不足により筋肉や関節に負担がかかって、引き起こされます。また、冷たい食べ物で腎臓が冷えたり、食生活の乱れから内臓が疲れたりすることで、腰痛が現れる場合も。骨盤、背骨に当たるゾーンを刺激し、背中や骨盤のしなやかさをサポートしましょう。

【もみ方】
かかとにある骨盤のゾーンを、手の人さし指から小指までの第二関節を使ってほぐす

うちくるぶし側の足裏の側面にある背骨のゾーンに沿って、かかと側から親指のつけ根まで縦方向に刺激し、次に骨から筋肉をはがすように横方向に刺激する

《 慢性疲労・疲れやすい 》

ストレスを受けると甲状腺(首の前側、のどぼとけのすぐ下にある、新陳代謝を盛んにするホルモンを分泌する器官)の働きが弱くなり、体力が低下することがあります。また、腎臓の働きが弱まり、体内にたまった疲労物質を排泄しにくくなります。甲状腺の反射区を含む胸のゾーン、そして代謝全般を行う内臓の反射区がある腹のゾーンも刺激して、働きを促しましょう。

【もみ方】
甲状腺の反射区を含む胸のゾーンを縦方向、横方向に刺激する

腹のゾーンを縦横にまんべんなくほぐす

《 便秘 》

便秘に悩む人は、ストレスの影響で自律神経の切り替えがうまくできない状況になっています。悩みが多いなど、頭を使うことが多いと、内臓が動きにくくなり、消化、吸収、排泄をする力が弱まります。頭と腹の両方を緩め、働きをスムーズにしてあげましょう。

【もみ方】
胃腸の反射区を含む腹のゾーンを縦横方向にまんべんなく丁寧に刺激する

頭から首に当たるゾーンを縦方向にまんべんなくほぐす

《 生理痛・婦人病 》

生理痛の原因となるのは女性ホルモンや、血行不良などが考えられます。ホルモンをコントロールするのは、脳内にある脳下垂体という場所です。その反射区をほぐしましょう。また、子宮や卵巣がある骨盤を温め、血行を上げることも効果的です。

【もみ方】
親指と人さし指の腹を使って、骨盤のゾーンをグッとつかみ持つようにして刺激する

頭から首に当たるゾーンを縦方向にまんべんなくほぐす

《 ひざ痛 》

近年は年齢にかかわらず、ひざの痛みを訴える人が増えています。ひざの痛みのケアは、まずひざのゾーンを刺激し、動きをスムーズにしてあげることがたいせつです。次に、ひざと対をなして太ももの筋肉を引っ張っている骨盤、座骨、仙骨、尾骨のゾーンをよく刺激します。

【もみ方】
かかとの上、足の外側にあるひざの反射区を親指と人さし指で挟んで刺激する

背骨のゾーンをかかとから親指のつけ根にかけて縦方向にほぐし、続いて足裏の骨から筋肉をはがすように横方向にほぐして緩める。仙骨・尾骨の反射区は特に念入りに

骨盤のゾーンを親指以外の4本の指の関節でゴリゴリとしごく。かかとの少し上にある座骨の反射区もほぐす

この記事は『ゆほびか』2019年4月号に掲載されています。

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