まずポイントになるのが、バナナに含まれるカリウムです。カリウムは体内の余分な塩分を排出する働きがあり、血圧の上昇が抑えられることがわかっています。一方、コーヒーの注目成分はクロロゲン酸というポリフェノールです。【解説】赤石定典(東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長)

解説者のプロフィール

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赤石定典(あかいし・さだのり)
東京慈恵会医科大学附属病院栄養部係長。管理栄養士。栄養管理のプロとして栄養に関する研究を行い、入院患者の献立の作成や、患者に直接栄養管理の指導やアドバイスも行う。自身が勤務する東京慈恵会医科大学附属病院栄養部が監修した『その調理、9割の栄養捨ててます!』(世界文化社)はロングセラーを記録。

カリウムとコーヒーポリフェノール!

私は、管理栄養士として、常日ごろから食と栄養に携わり、実際に入院患者さんの献立も作成しています。

高血圧に悩んでいる人に、ぜひ試してほしいのが、朝食に、バナナ1本とコーヒー1杯をとるという方法です。

2018年12月11日に放送された教養バラエティー番組『教えてもらう前と後』(TBS)で、高血圧の予防法として、この食べ合わせを紹介したところ、大きな反響を呼びました。

番組では、高血圧に悩む40~50代の男女5名に検証してもらいました。10日間、バナナ1本とコーヒー1杯を毎日摂取してもらったところ、全員の血圧が軒並みダウン。平均で、最大血圧が14.2mmHg、最小血圧が8.6mmHg下がりました。

なかでも54歳の女性は、検証前、最大血圧は153mmHg、最小血圧が99mmHgでしたが、検証後、最大血圧が134mmHg、最小血圧が87mmHgに下がるという結果が出たのです。

では、バナナとコーヒーをとるだけで、なぜ血圧が下がったのでしょうか。

まず、ポイントになるのが、バナナに含まれるカリウムです。カリウムは、体内の余分な塩分を排出する働きがあり、血圧の上昇が抑えられることがわかっています。

一方、コーヒーに含まれるカフェインは、摂取直後こそ血管を収縮させ、血圧が一時的に上がります。しかし、利尿作用によって尿の排出量が増え、血液中から余分な水分が減ることで、血圧の安定につながります。

長期的に見ても、コーヒーは、高血圧の予防・改善に有効です。

コーヒーというと、カフェインばかりが注目されがちですが、カフェインよりも多く含まれているのが、クロロゲン酸というポリフェノールです。

別名、コーヒーポリフェノールとも呼ばれますが、抗酸化作用が高く、血糖値の上昇や、脂肪の吸収を抑える働きがあります。

これによって、動脈硬化や脂質異常症を改善して、血管がきれいになり、その結果、血圧の改善にもつながるのです。

画像: お手軽朝食で血圧ダウン!

お手軽朝食で血圧ダウン!

コーヒーに豆乳を加えればさらに効果的!

バナナとコーヒーの食べ合わせは、なにより、調理の手間がないので、簡単に続けられることも大きなメリットです。

食べるタイミングですが、朝食として摂取するのが最も手軽でしょう。

日ごろ、塩分摂取量を気にせず、好きな物を好きなだけ食べているという人には、昼食にプラスしてとるのをお勧めします。食事で摂取した塩分を効率よく体外に排出できて、血圧降下につながりやすいからです。

なお、コーヒーのカフェインには、眠気を覚ます覚醒作用もあります。夜間に実践するのは控えたほうがいいでしょう。

バナナとコーヒーの食べ合わせには、さらに高血圧の予防・改善効果を倍増させるコツがあります

まず、バナナですが、皮が黄色の物ではなく、黒くなった物を食べてください。

バナナを置いておくと、黒い斑点が増えていきますが、これは腐っているわけではなく、熟していく過程による変化で、甘みが増しているしるしです。
バナナに限らず、果物全般は、完熟することで、栄養も増加していきます。黒くなったバナナは、代謝を活性化する酵素や、抗酸化作用のあるポリフェノールが増加しています。

また、バナナに含まれるショ糖は、皮が黒くなると、血糖の吸収を緩やかにする果糖に変化します。ただ甘みが増すだけではなく、血管が若返り、高血圧の予防・改善効果がアップするのです。

なお、バナナの身についている細長いスジは、ポリフェノールが豊富なので、取らずに食べることをお勧めします。

一方のコーヒーですが、無調整の豆乳(コーヒーと同量程度)を加え、ソイラテとして飲むと効果的です。

豆乳に含まれる大豆サポニンは、強力な抗酸化作用があり、高血圧の改善効果があることもわかっています。

また、豆乳からはバナナとコーヒーだけでは不足する、たんぱく質を補うことができます。植物性たんぱく質を摂取することは、健やかな血管づくりにも役立ちます。

ただし、腎臓病などでカリウムの摂取制限がある人は、気をつけてください

バナナはもちろん、コーヒーにもカリウムが含まれているので、制限量をオーバーしないようにしましょう。特にインスタントコーヒーには多く含まれているので、注意が必要です。その点に問題がなければ、インスタントでもドリップでも、お好きな物を飲んでください。

血圧降下の観点だけでいえば、カリウムが豊富なインスタントがお勧めです。アイスでもホットでもかまいませんが、やはり砂糖は加えないほうが健康的でしょう。

画像: この記事は『壮快』2019年4月号に掲載されています。

この記事は『壮快』2019年4月号に掲載されています。

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