フィルムやプリント写真のデジタル化に必要な「スキャナー」の選び方

知識

昔取ったフィルムやプリント写真は化学反応で記録しているため、時間とともに変質したり、破れたりする心配がある。写真を“劣化させずに残す”ためには、これらの写真をデジタル保存することが必要になる。フィルムやプリント写真のデジタル保存の際に必要な機器が「スキャナー」だが、自分の用途に合ったものを正しく選択すれば、快適にデジタル化ができる。

フィルム&プリント写真のデジタル化には何が必要?

写真をデジタル保存すれば、思い出を劣化させずに残すことができる

写真をデジタル化する最大の目的は、「劣化させずに残すこと」だろう。フィルムやプリント写真は化学反応で記録しているため、時間の経過とともに、さまざまな理由で変質していくし、物理的な破損の心配もある。また、紫外線に敏感なフィルムや湿度に影響されるプリント写真は、適切な環境で保管しなければならないし、そういった環境を用意する必要がある。

しかし、デジタル保存すれば、その心配は不要だ。デジタルデータは物理的なモノと違って、変化することはない。データ紛失に気をつけさえすれば、半永久的に、フィルムやプリントを撮影した色のまま保存することができる。

HDD(ハードディスクドライブ)などの記憶装置は、大容量モデルも増えており、データ保全のためのバックアップを行う際も、保存先について、それほど気を遣う必要もない。さらに、クラウドを利用すれば、HDDの物理的な破損や自然災害から守ることも可能だ。

ただし、デジタルもいいことばかりではない。整理を怠ると必要な写真が行方不明になるし、バックアップをしていないと一瞬で万単位の写真が失われることもある。正しい知識で利用することを心がけよう。

フィルムの種類とデジタル化の手段

●35ミリフィルム(ネガ/ポジ)

35ミリフィルムには、明暗や色が反転したネガフィルムや、反転しないポジフィルムもある。

手持ちのフィルムがいわゆる35ミリフィルムの場合は、上記の3種類のスキャナーでデジタル化できる。製品により、SDカードやパソコンのHDDなどのストレージに保存されるが、大量に、かつ高解像度でスキャンする場合は、データがかなりの容量になるため、外付けHDDも用意しておきたい。

●35ミリ以外のフィルム

35ミリより大きなフィルムは中判やブローニーと呼ばれ、「120」や「220」といった種類がある。

手持ちのフィルムがいわゆる中判の場合は、上で紹介したような35ミリフィルム用スキャナーではデジタル化できない。以前は中判対応のフィルム用スキャナーもあったが、今はほとんどない状況だ。パソコンにつないで使うフラットベッドスキャナーを用いることになるが、これも最近の製品ではなく、少し前に発売された高級機のみが対応しているというのが現状である。

写真をデジタル保存する際に、最も重要となるのがスキャナーだ!

写真のデジタル保存には、デジタル化する機器とストレージ(保存用メディアや保存用機器)が必要だ。特に重要なのが、写真を読み取ってデジタル化するスキャナーである。そして、そのスキャナーにも、さまざまな製品がある。

フィルム向けなら、35ミリ専用のフィルム用スキャナー(SDカードスロットがあるものとないものが存在)や、パソコンに接続して使うフラットベッドスキャナーが主なものだ。

プリント写真用なら、大量の写真を一度に読み込めるオートシートフィード機能付きのドキュメントスキャナーや、プリンター複合機の一機能として備わっているスキャナー、そして、アルバムに貼った状態の写真をスマホで撮影してスキャンできるスマホカメラ用アダプターというものまである。

それぞれの製品は、読み込める写真のサイズや種類もさまざまだ。フィルムなら「35ミリネガ/ポジフィルム」と「35ミリ以外のフィルム(中判など)」があるし、プリント写真ならL版や2L版、パノラマ写真、六つ切り、四つ切りなどだ。また、アルバムに貼ってあるプリント写真は、はがせない場合もあるため、オーバーヘッド型のスキャナーという大きな製品も存在するが、現状では、スマホを装着してスマホのカメラ機能を利用するアダプター状の製品が手っ取り早いだろう。

これらの中から、自分の用途に最適な製品を選んで使えば、快適にデジタル保存を実践できるはずだ。

プリント写真の種類とデジタル化の手段

●サービス判プリント

一般的にはL判と呼ばれるサイズのものになるが、写真ショップにより、若干サイズが異なる場合もある。

手持ちの写真がいわゆるサービス判の場合は、上記のような3種類の手段でデジタル化できる。プリント写真の場合、デジタル化したデータの保存場所がSDカードやパソコンのストレージのほか、スマホで撮影して本体に保存する機種もある。

●大きめのプリント

L判の倍の大きさとなる2L判や、六つ切り、ワイド六つ切り、四つ切り、ワイド四つ切りなどがある。

手持ちの写真がいわゆるサービス判以外の大きいプリントの場合は、上記のような2種類の手段でデジタル化することになる。デジタルデータの保存場所は、パソコンのストレージや外付けHDDとなることがほとんどだ。

●アルバム内のプリント

アルバムは、表面に保護フィルムが貼られていることもあり、写真をいちいちはがすのは手間がかかる。

アルバムは、弱粘着のりがついた台紙に写真を置き、その上から透明のフィルムでカバーするものが多い。表面のカバーの反射を防いで手軽にスキャンできる製品は、現状では、スマホカメラ用アダプターしかない。スキャン後のデータはスマホ内に保存されるが、通常のデジタル画像のようにパソコンや外付けHDDに転送したり、クラウドに保存したりすることも可能。

解説/内川功一朗(写真整理アドバイザー) 撮影/河野公俊

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