【パレオダイエットブロガー】原始人食で18kg減!筋肉量は増えて若返った体験談

美容・ヘルスケア

原始人食については、20年ほど前からは科学的な検証も始まり、ただやせるだけでなく、中性脂肪値やコレステロール値の大幅な改善や、糖尿病の完治などの報告もありました。海外では、専門のレストランや雑誌が作られるほどのブームを呼んでおり、ハリウッドスターやプロスポーツ選手が実践していることでも知られています。
【解説】鈴木祐(サイエンスライター・ブログ「パレオな男」管理人)

解説者のプロフィール

鈴木祐(すずき・ゆう)

月間100万PVのアンチエイジングブログ「パレオな男」管理人。あまりにも不摂生な暮らしのせいで体を壊し、一念発起して、13kgのダイエットに成功。その勢いでアンチエイジングにのめり込む。「120歳まで生きること」を目標に日々健康維持に励み、アンチエイジング、トレーニング、メンタルなど、多岐にわたって高度な知見を発信している。NASM公認パーソナルトレーナー。『一生リバウンドしない パレオダイエットの教科書』(扶桑社)ほか、著書多数。
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かつては肥満体の虚弱体質だった

私が「パレオダイエット」を始めたのは、2008年です。「パレオ」とは、「旧石器時代」を意味する「パレオリシック」の略です。日々の食事を、人類がまだ狩猟・採集で食料を得ていた旧石器時代の内容に替えるダイエット法です。

今でこそ、パレオダイエットのブログを運営したり、本を執筆したりしている私ですが、10年前まではあまりに不摂生な生活がたたり、締まりのないブヨブヨの体で、おまけに虚弱体質でした。

その頃の私は出版社に勤務していて、日々の激務から慢性的な睡眠不足、食事と言えばラーメン、さらにお酒の量もかなりのものでした。

当時の体重は68kg(身長165cm)、体脂肪率は30%を大きく超え、総コレステロール値も250mg/dlを超えていました(正常値は130〜220mg/dl)。

頭の中がモヤッとして、常に晴れない状態で、仕事の効率も今一つ。顔の周りについた脂肪と、アレルギー体質のせいで、常に呼吸が苦しく、月に一度は肺炎を起こして、病院に駆け込むほどの完全な虚弱体質だったのです。

こんな状況を打破するためには、とにかくやせて、体質を改善することだと考えました。当時から話題になっていた糖質制限ダイエットを試したり、有名トレーナーのプログラムを受けたりもしました。

糖質制限は、確かに体重は落ちるのですが、やたらに足がつるし、なにか抜けきれない疲労感が常にあります。どうも私の体質には合わなかったようです。

糖質制限を含め、多くのダイエット法は、どれも3カ月ほどでやせはしましたが、ずっと続けるには難しく、また止めたとたんにリバウンドしていました。

そして、最終的にたどり着いたのが、パレオダイエット、つまり原始人食ダイエットだったのです。

ハリウッドスターや一流アスリートも実践!

原始人食については、20年ほど前からは科学的な検証も始まり、ただやせるだけでなく、中性脂肪値やコレステロール値の大幅な改善や、糖尿病の完治などの報告もありました。

海外では、専門のレストランや雑誌が作られるほどのブームを呼んでおり、ハリウッドスターやプロスポーツ選手が実践していることでも知られています。今日に至っても、愛好者は増え続けています。

さらに、私が原始人食に着目したのは、「人間の体は、生まれつき太らないようにできている」という「セットポイント」理論に納得したからでした。

このセットポイントさえ正常に働けば、いくら好きなだけ食べようが、最終的には自然と最適な体脂肪率に落ち着くはずです。当時の狩猟・採集民族に肥満がほとんどいなかったのは、このしくみが正常に働いているからだと理解したのです。

この理論によると、先進国に肥満の人が増えているのは、旧石器時代にはなかった「加工食品」が原因で、セットポイントがうまく働いていないということもわかりました。

冷凍食品やコンビニ弁当、スナック菓子、ファストフードなどは、当然、旧石器時代にはなかった食品です。これらの加工食品を減らすだけでも、セットポイントが修正され、私たちの体は苦労もなく自動的にスリムになっていくのです。

不安症やアレルギー体質が改善

原始人食のセットポイント理論に納得した私は、その理論の正しさを自分の体で確かめたくて、原始人食を始めました。

私のパレオダイエットの実験のルールは、次のようなものです。

・カロリー制限はせず、満腹になるまで食べる
・加工食品は完全にカット
・外食はせず、100%自炊
・飲み物は水かお茶だけ
・料理に油、砂糖、塩は使わない
・白米やパン、イモなどの主食類は食べない
・フルーツも食べない

通常のパレオダイエットでは、フルーツは禁止ではありません。白米やイモ類なども禁止まではされていません。

原始人食で推奨する食品リストは別記事:「人の遺伝子に合った「原始人食」で腸から全身が若返る!」参照

しかし、セットポイント理論によれば、脂肪・糖・塩の3つを減らせば減らすほど、人間の食欲は落ちていくと言われています。どこまで自然にカロリーを減らせるかを確かめるために、あえて脂肪・糖・塩はとらないマイルールを設定しました。

実際にやってみると、最初の1週間は想像以上にたいへんでした。好きなだけ食べているので空腹感こそなかったものの、なんの味付けもしていない野菜と赤身肉しか食べていないので、とにかく口さびしくて、物足りない感じがします。

しかし、2週目以降は、大好きだったラーメンやパスタのことも考えなくなり、塩気のない野菜炒めでも満足感を覚えるようになりました。別に無理をしているわけではなく、普通に満ち足りた感覚になるのです。

1カ月もたつと、1日1食でも平気になりました。体は以前よりも活力にあふれ、頭もかつてないほどクリアなのです。メキメキと気分がよくなり、生来の不安症やアレルギー体質までが大幅に改善しました。

約3カ月たつ頃には、10kgの減量に成功しました。これほど効果が出るとは思っていなかったのでおもしろくなり、さらに続けてみたところ、ほどなく体重は50kgを切りました。合計で18kgのダイエットに成功したことになります。

ただ、このときの体は自分で見てもかなりガリガリに感じたので、実験はここで打ち切りました。

仕事の効率も上がり、集中力もアップ!

米やイモも食べてよい

実験の後は、通常の原始人食で過ごしています。炭水化物はサツマイモでとり、味付けには塩を使っています。ただし、食用油は酸化しやすいので、極力使いません。

海外の原始人食では、米やイモ類は避けたほうがいい、という主張が多いですが、私は食べてもいいのではないかと思います。旧石器時代の人類も、少しはイモや穀物を食べていたのではないかと思うからです。

私が特に気をつけているのは、以下の2点です。まず、「できるだけ新鮮なものを食べること」。すべての食べ物は、収穫したときから酸化が始まります。酸化したものを食べると、体内で活性酸素が発生しやすくなり、老化が早まるからです。

そして、「高温で調理しないこと」。肉や魚がお勧めだからと、高温の油で揚げたり、フライパンで強火で焼いたりすると、たんぱく質を変性させ、有害物質が発生します。

高温の油で揚げ、時間がたち、酸化の進んだフライドポテトや唐揚げは、最悪の老化促進食品なのです。

なので、原始人食では、「ゆでる」「蒸す」「弱火であぶる」などの食べ方が推奨されますが、特に私がお勧めしたいのは、「真空調理」です(下の写真参照)。

材料を密閉袋に入れて、空気を抜き、真空パックにしたものをお湯に入れます。そのまま3〜4時間放置したら出来上がり。肉も魚も野菜も、しっとりとした食感で、おいしく仕上がります。

鈴木さんが実践する
酸化を防ぎ有害物質の発生を抑える
「真空低温調理」

鈴木さんは低温調理専用の機器を使って、肉や野菜をじっくりゆでる

12時間放置して出来上がった鶏の胸肉。しっとりとおいしく、まるでハムのような食感!

タッパーに詰めて「筋トレ弁当」にすることも!

現在の私は、外食もします。原始人食を8割守れば、あとの2割は好きなものを食べてよいと思います。

現在の体重は、ガリガリのときよりは増えて、55kg。それでも以前よりは13kgも減っていますし、何より当時よりも筋肉量は9kg増えています。いわゆる細マッチョな体になりました。

リバウンドすることもありません。仕事の生産性や集中力も、以前とは比較にならないほど上がりました。肉体と精神的には、15年前よりも今の方が若返っています。

個人差はありますが、原始人食を8割守る生活を続ければ、たいていは1カ月でハッキリと肉体と心に変化が出てきます。「太り始めた」「いつも体がだるい」「集中力がなくなった」などと感じている人は、それを年齢のせいにせず、原始人食を試してみてください。

この記事は『ゆほびか』2019年5月号に掲載されています。

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