タイガーの土鍋炊飯器「炊きたて JPG-S100」をレポート!少量でも大量でも美味しく炊ける秘密とは?

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「少量でも大量でも美味しく炊ける炊飯器がほしい!」そんな炊飯器のニーズに応える形で登場したのが、少量サイズでありながら4合まで炊ける象印の「4.0合炊き」。一方、タイガー魔法瓶はサイズではなく別のアプローチ「中ぶた」で、このニーズに応えました。今回は、タイガーの「土鍋圧力IH炊飯ジャー〈炊きたて〉JPG-S100」をレポートします。

注目は「少量でも大量でも」美味しいご飯が炊ける炊飯器

●タイガーは1合用の「中ぶた」でニーズに応える

先日レポートした通り、象印マホービンは4.0合炊きで、「少量だけでも美味しく、いざというときには大量に炊くことが出来る」というハードルの高いユーザーニーズに一つの回答を出しました。ライバル会社のタイガー魔法瓶は、同じニーズに別のアプローチを試みました。今回は、それをレポートします。

⇒象印マホービンの記事はコチラ

さて、5合炊き(含5.5合炊き)と、3合炊き(含3.5合炊き)で1合炊いたとき、どちらが美味しいでしょうか?(火力、仕様などは、同じことが前提です。)

答えは、3合炊きです。
理由は、釜のサイズを炊く量に合わせた方が、より上手く炊けるからです。水深と水上のスペース、この2つの物理サイズが適切でないとベストに炊きあげることはできません。
5合炊きの内釜の場合、1合は、米が立ったとき(炊いたとき)でたった米粒3つ分の高さしかありません。これは、すごく水深が浅い状態で炊くことになります。また、水上のスペースも巨大になります。これが問題というわけです。

今の炊飯器市場のターゲットは、昔からお米を食べてきた高齢者だといいます。
大量には食べないのですが、孫、子どもなど、身内が遊びにきた時を想定して、5合炊きを買うことが多いといいます。
しかし、年を取るにつれて普段の食事量は少なくなりますよね。その時、求めるのは、「少ない量でも、より美味しいご飯を食べたい。」ということ。
お米が一番美味しいのはやはり「炊きたて」です。炊き立ては、温かい料理と同じで、美味しさも一際。わざわざ炊き立てご飯を食べるために、朝昼晩、炊いている人もいる人も多いのだとか。

こんな状態を見てタイガーは次のように考えました。

『人が来たときは、一度に大量に炊かなければならない。このため、5合は譲れない。では、5合で1合を上手く炊くには・・・。
中ぶたを付けて上のスペースを区切る」ことにより、美味しく炊けないだろうか?』

この考えを押し進めてできたのが、新モデル「炊き立て」JPG-S型です。

タイガー
土鍋圧力IH炊飯ジャー〈炊きたて〉JPG-S100

シルキーブラック(KS)

品番:JPG-S100、熱方式:土鍋圧力IH + 可変W圧力IH、白米の炊飯及び保温米飯容量:0.18L~1.0L、最大消費電力:1180W、最大炊飯容量:1.0L、サイズ:26.1×32.5×22.0(cm)、本体質量:7.3kg

このモデルは2つのペットネームが付いた技術が搭載されています。1つは「土鍋ご泡火(ごほうび)炊き」です。そしてもう1つが「一合料亭炊き」です。「土鍋ご泡火炊き」は普通に炊いたときの名前。そして、今回レポートに上がっているのが、「一合料亭炊き」です。

実際にしていることは、内釜の壁面中央部に出っぱりを設け、中ぶたを載せることでスペースを制御。5合炊きでも、1合が美味しく炊けるようにしたわけです。

一合料亭炊き 土鍋圧力IH炊飯ジャー JPG-S100 タイガー魔法瓶

youtu.be

www.tiger.jp

中蓋の設置は「金属加工」では厳しい

●なぜタイガーは内釜に中ぶたを作れたのか?

聞いてみると、コロンブスの卵ではないですが、基本に忠実ですから「スゴい」というより「あっけにとられた」感じです。では、何故今まで、なされなかったのでしょうか?

炊飯器の内釜は基本「金属」で出来ています。金属筒をイメージしてください。その筒の内側中央部に出っぱりが付けているものは、ほとんどありません。筒の端が内側に折れ込んでいるモノはあるのですが、筒の中央部はないのです。ニーズがないのではという話もありますが、それ以上に問題があります。それは極めて作り難いということです。

複雑な層構造をもつ炊飯器の内釜で、中ぶたが置ける出っぱりを作るのは極めて難しいのです。

では、何故タイガーは、成功したか。それはタイガーの内釜が「土鍋」。つまり土で出来ているからです。加工は自在と言うわけです。

こうしてできたのが、1合でも美味しく炊ける5合炊きです。

まとめ

●今年のトレンドは、「少量でも、大量でも美味しく炊ける」

この少量でも、大量でも同じ釜で美味しく炊くのは、非常に難題です。私もユーザーのニーズに半分頷きつつも、どちらかを諦めるのだろうなぁと思っていました。

が、象印は「炎舞炊き」4.0合炊きで、タイガーは5.5合炊き「土鍋ご泡火炊き」の「一合料亭炊き」で見事な回答を出しました。まだ一度しか試食していませんが、十分美味しい。

ライフスタイルが変わりつつある日本で、日本メーカーの炊飯器が、それをバッチリ追従しているのは嬉しいことです。
2019年の炊飯器のトレンドは、まさに炊飯器の原点のような「少量でも、大量でも美味しく炊ける。」なのです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング、ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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多賀一晃(生活家電.com主宰)

企画とユーザーを繋ぐ商品企画コンサルティング「ポップアップ・プランニング・オフィス」代表。米・食味鑑定士の資格を所有。大手メーカーでオーディオ・ビデオ関連の開発に携わる。趣味は東京散歩とラーメンの食べ歩き。

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