【食品ロス対策】に強い味方!最新家電は家計にも地球にも優しい

調理家電

家庭から出る食品ロスをお金に換算すると、一世帯当たり年間約6万円分。食品ロスを防ぐには、「買いすぎない」「食材をしっかり保存する」「無駄なく使いきる」の三つが大きなポイント。これらを手助けできる注目のキッチン家電を紹介していこう。

目指せ!家電選びの達人今回の家電は「食品ロス対策家電」

まだ食べられる食品を廃棄する「食品ロス」が、大きな社会問題になっている。農林水産省によると、日本における食品ロスは、年間約640万トン。全世界の食糧援助量の約2倍に相当するという。家計にも影響を及ぼす食品ロス、家電を使って対策はできるのだろうか。

監修者のプロフィール

中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。

家庭の食品ロスを減らす

■「買いすぎない」「しっかり保存」「使い切る」が大切

国民一人当たり、1日にお茶碗約1杯分(約136グラム)の食べ物が捨てられている昨今。売れ残りや食べ残しが大量廃棄されるニュースもあり、食品ロスというと企業や飲食店の問題というイメージが強いが、実は全体の約半数が、家庭から出るごみだという。

調理の際に食べられる部分を捨てていたり、冷蔵庫に入れたまま期限を超えた食品があったりというのは、誰でも覚えがあるだろう。夏場は特に食材が腐りやすく、食中毒を警戒して、早めに処分してしまうシーズンでもある。

しかし、家庭での食品ロスを削減できれば、食べ物の廃棄量を減らせるという環境面のメリットだけでなく、家計の面でもメリットが生まれる。ちなみに、家庭から出る食品ロスをお金に換算すると、一世帯当たり年間約6万円分。1ヵ月に5000円分の食料を捨てている計算になるのだ。

食品ロスを防ぐには、「買いすぎない」「食材をしっかり保存する」「無駄なく使いきる」の三つが大きなポイント。これらを手助けできる注目のキッチン家電があるので、ここで紹介していこう。

食材の管理と保存

■冷蔵庫の中身をアプリに登録して買い物をサポート

安いからといって食材を買いすぎたり、ストックしてあるのに同じ食材を買ってしまったりと、過剰な買い物をした結果、食材を腐らせてしまうケースは少なくない。

そのような無駄を防ぐには、まめに冷蔵庫の保存食材を確認したり、買い物メモを作成したりするのが得策だ。実は、最近の家電では、アプリを使って、それらの作業が手軽に行える。

日立は、「日立冷蔵庫アプリ」で、冷蔵庫の食材管理が可能。買ってきた食材をスマホで撮影して購入日を入力すると、経過日数が一覧できるようになっている。

さらに、賞味・消費期限を登録すれば、期限が近くなった食品をプッシュ通知で知らせてくれるので、食べ忘れによる無駄の発生を防ぐ効果がある。また、冷蔵庫のドアの閉め忘れもプッシュ通知で教えてくれ、ケアレスミスで食品を劣化させる事態も防止できる。

食材の保存経過日数をアプリで確認できる

日立 コネクテッド家電
日立冷蔵庫アプリ

アプリに登録した食材データは、上部のタブから「きろく」を選んで表示。食材を冷蔵庫に入れてから何日間経過したかが一覧できるので、買い物の際のストック確認に便利だ。

スマホとの連係モデル。約2℃の低温で鮮度を長もちさせるほか、温かい鍋を急冷却させるスペースも装備。

◀︎写真はR-WX62K(実売価格例:38万6640円)

また、シャープの「COCORO KITCHEN」アプリでは、同サービスに掲載しているレシピの材料リストから買い物メモが簡単に作成できる、「買い物リスト」機能を搭載。買った食材は購入履歴で確認でき、重複買いが回避できる。

また、食材ごとの上手な冷蔵・冷凍術のアドバイスが受けられるほか、AIが食材の購入履歴を学習して、「この前買った牛ひき肉を使ってハンバーグはどうですか」など、おすすめメニューを提案する機能も装備。食材の活用や消費を促す方向から、ロス削減をサポートしている。

レシピと連動して、アプリで買い物リストを作成

シャープ COCORO KITCHEN
COCORO KITCHEN アプリ

「買い物リスト」では、アプリに搭載したレシピから作りたいものを選ぶと、「材料リスト」を表示。買い足したい食材をチェックすれば、リストにまとめてくれる。

「COCORO KITCHEN」対応のヘルシオやホットクックとの連係が可能。料理の利便性がよりアップする。
◀︎写真はSJ-GA55E(実売価格例:29万7050円)

購入した食材を上手に保存するには、真空タイプのシーラーが役に立つだろう。空気を抜いて密封保存すれば、酸化が抑制されて食品の鮮度が保持でき、寿命を伸ばすことが可能だ。

野菜や生ものなどの傷みやすい食材には特に有効で、週末のまとめ買いや、安く大量に仕入れた食材を、小分けして保存するのに向いている。

生の食材だけでなく、作り置き料理の保存にも便利。密封した料理は、湯煎やレンジで簡単に温められるので、お弁当のおかず保存にもピッタリだ。

さらに、食材をパックするとカサが減って整頓しやすくなるので、庫内がすっきりと見渡せ、冷蔵庫管理が容易になるというメリットもある。アイリスオーヤマの製品は、操作がシンプルで価格的にも買いやすい。

手軽な操作で食材を真空パックに!

アイリスオーヤマ
真空保存フードシーラー
VPF-385T

実売価格例:8208円

専用ロールで袋を作り、食品を入れてボタンを押せば、真空パックが完了。わかりやすい操作で、しっかり密封できる親しみやすい一台。

●サイズ/幅380mm×高さ95mm×奥行き165mm
●重量/2.1kg

無駄のない調理と処理

■ミキサーで食材を使い切り、生ごみは処理機で減容

食材を余すことなく使うには、細かく粉砕できるミキサーがあると重宝する。野菜や果物の皮や種など、栄養価は高いが調理しづらい部分はごみ箱行きになることが多いが、それらを粉砕してスムージーやスープにすることで、無駄なく使い切ることができる。

しなびて形が悪くなったニンジンや、熟しきったトマトなど、新鮮でなくなった食材も、ミキサーで砕いてソースやカレーに混ぜれば、救助が可能。料理がおいしくなり、ごみも減らせて一石二鳥だ。

扱いやすさで評判なのは、タイガーの最新型。心地いい音を追求したモデルだけあって、高音の不快な音が、かなり抑えられている。周囲に気兼ねなく回せる運転音で、毎日気軽に使えるレベル。

一方で粉砕力も強く、「栄養の塊」と話題のアボカドの種を粉々に砕き、スムージーにして摂取することができる。

パワフルな粉砕力! 不快な運転音も抑えた最新型

タイガー魔法瓶
SKT-A100

実売価格例:1万5980円

アボカドを種ごと砕くパワフルな粉砕力と、業界最高水準の心地いい運転音を両立した新モデル。すっきりと見栄えのするコンパクトデザインで、設置性やインテリア性も高い。

●定格容量/1000mL
●消費電力/270W
●サイズ/幅210mm×高さ382mm×奥行き190mm
●重量/2.8kg

ステンレスの6枚刃にはブラックチタンをコーティング。切れ味が長もち。

バイタミックスは、音は大きいが粉砕力も超強力で、半解凍の肉などは一瞬でミンチにできる。芯が付いたままの野菜や果物は、1分でジュースのようなサラサラのスムージーに。食べきれなかった果物を冷凍しておけば、凍ったまま砕いてアイスクリームにリメイクできる。

また、野菜を入れて5分以上回せば、ブレードの高速回転による摩擦熱で熱々のスープが作れたりと、加工のバリエーションが広いのも特徴だ。

超絶的なハイパワーを誇り、多彩に活用できる一台

バイタミックス
Vitamix E310

実売価格例:6万4260円

「混ぜる」「刻む」「こねる」など、1台8役をこなすオールラウンドブレンダー。超絶的なハイパワーで、ロックアイスや粘りのある食材など、どんな物も難なく粉砕する。

●定格容量/1400mL
●消費電力/900W
●サイズ/幅190mm×高さ440mm×奥行き240mm
●重量/4.2kg

長回しで熱々のスープ、凍った素材ではアイスクリームも。一台で多彩な調理が可能だ。

さて、やむをえず、食材を廃棄する場合も、生ごみ処理機でリサイクルに役立てたい。

生ごみ処理機には、微生物により生ごみを分解するバイオ方式と、温風乾燥で生ごみの水分を飛ばして減容する乾燥方式の2タイプがある。現在は、安定して使える後者が主流だ。

ここで紹介する2機種も、スイッチ一つで熱処理ができ、生ごみを1/5〜1/7に減容。いずれの処理物も、一手間加えることで、有機肥料に活用が可能だ。

なお、パナソニック機の「ソフト乾燥モード」で乾燥させた処理物は、熟成期間を設けることなく、すぐに有機質肥料として使うことができる。

高温の熱風処理+撹拌で大量の生ごみも1/7に減容

パナソニック
MS-N53

実売価格例:7万1060円

1回2キロ、1日8キロまで処理できる大容量モデル。130℃の高温で生ごみを熱風処理し、撹拌しながら小さく砕く。処理時のニオイは、プラチナパラジウム触媒で化学的に分解。

●処理方式/温風乾燥式
●消費電力/800W
●運転音/約44dB
●サイズ/幅268mm×高さ550mm×奥行き365mm
●重量/12kg

水を切った生ごみを投入。処理時間は、400グラムで1時間40分、2キロで5時間40分。処理物の上に新しいごみを追加投入できるので、ごみ箱のように使えて便利だ。

熱処理+撹拌で生ごみを1/7に減容。高温で処理するため、焦げたようなニオイがある。

生ごみをためたカゴをセットして、手軽に乾燥処理が可能

島産業
パリパリキューブライト
PCL-33

実売価格例:2万4390円

価格も手ごろな、バケツ大のコンパクトモデル。200~700グラムのごみを、4~9時間かけて乾燥させる。撹拌機能はないが、そのぶん音が静か。動作中の追加投入はできない。

●処理方式/温風乾燥式
●消費電力/150W
●運転音/約36dB
●サイズ/直径215mm×高さ283mm
●重量/2.1kg

80℃でじっくり乾燥させ、干からびたような状態に。内側の白いカゴ(付属品)は、三角コーナー代わりに使える。

乾燥中のニオイは活性炭フィルターで脱臭。フィルターは4〜9ヵ月に一度、交換が必要。

「食品ロス」の削減を目指すサービスも登場

企業や店舗の食品ロスを減らすべく、まだ十分に食べられる処分前の食品と消費者をつなぐ「フードシェアリングサービス」が話題となっている。

ネット通販型」と「店舗訪問型」に大きく分けられ、前者は消費期限の迫った食材や加工品を、通常価格の3〜9割の割安価格でネット販売するもの。

後者は、飲食店の余剰メニューの情報を提供するサービスで、首都圏を中心に展開中。月額1980円で1日2回までフードを受け取れる「Reduce Go」などが注目されている。

食品を無駄にしないフードシェアリングを提案するサービスが話題だ。写真は、「Reduce GO」の画面。
https://reducego.jp/

まとめ

食品を廃棄するのは、気持ちのいいものではない。さらに、焼却するには費用がかかり、二酸化炭素も排出される。さまざまな観点から、食品ロスはないにこしたことはない。

削減へのアクションは家庭でも可能で、家電のサポートがあれば気軽に実践できる。

もちろん、優秀な家電の導入は、食品ロス対策だけでなく、利便性や快適性、暮らしやすさの向上にもつながる。この機会にぜひ目を向けてほしい。

※価格は記事作成時のものです。
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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