【さくらねことは?】猫の不妊手術・無料チケット発行で10万頭達成間近 どうぶつ基金「殺処分ゼロ」へ一歩前進!

犬や猫の殺処分ゼロを目指す「公益財団法人どうぶつ基金」は、2004年から猫の不妊手術事業を継続して行ってきた。2012年に事業名を「さくらねこ無料不妊手術」と改称して以降、手術数は急速に増加を続け、2014年に1万頭、2016年に3万頭、2017年に5万頭を突破。そして今月、2019年9月中にも10万頭を達成する見通しだ。

「さくらねこ」とは?

「さくらねこ」とは、不妊手術済みのしるしとして、耳先をさくらの花びらのようにV字型にカットした猫のこと。
この呼称は、どうぶつ基金が2012年に石垣島で行った一斉手術の際に生まれた名称だ。

「さくらねこ無料不妊手術」事業では、どうぶつ基金の「協働ボランティア」に登録された全国の愛護団体や個人ボランティア、そして地方自治体などの行政に対して、全国に136ある協力病院で使える「無料不妊手術チケット」をどうぶつ基金が発行する。
チケットを使って不妊手術が実施されると、支援者の寄付金を使って、どうぶつ基金が提携病院へ支払いを行うという仕組みになっている。

野良猫の多い地域や、猫が増えている離島では、どうぶつ基金が獣医師や職員を派遣して出張手術を行う「さくらねこ一斉TNR」を行っている(TNRとは、Trap/捕獲し、Neuter/不妊去勢手術を行い、Return/元の場所に戻すことを指す)。
出張手術には、協力病院の獣医師がボランティアで参加する他、周辺地域から多くのボランティアが集まり、猫の捕獲や手術前の毛刈りや耳カット、器具の洗浄などを行っている。

2018年に実施した青島さくらねこ一斉TNRでの捕獲の様子

多頭飼育崩壊現場での出張手術の様子
近年、不妊手術をしていないために飼い猫が繁殖を繰り返し、面倒を見切れなくなる多頭飼育崩壊や、お金目当てで劣悪な環境で犬猫を繁殖させる悪徳ブリーダーの問題が全国で増加しており、どうぶつ基金に寄せられる相談も急増している。

さくら猫の無料不妊手術数

さくらねこの増加に伴って、猫の殺処分数が減少

全国のボランティアとの二人三脚のあゆみの中で、どうぶつ基金の活動を通して誕生したさくらねこの数は、以下の表の左側。
ピンク色のグラフのように毎年順調に増えてきた。

これは全て全国の協力病院の獣医師の厚意と、協働ボランティアとして活動の柱となるボランティアや行政の尽力、そしてさくらねこサポーターをはじめとする寄付者の支援による成果だ。

全国の協働ボランティアの地道な活動の積み重ねが、さくらねこの認知度向上と、どうぶつ基金のサポーターの増加につながり、より多くのさくらねこを誕生させる活動につながっている。
上の表の右側、青色のグラフは、同じ時期の猫の殺処分数の推移を表したもの(2018年度の数値は未発表)。さくらねこの増加に伴って、猫の殺処分数が激減している。

もちろん、殺処分数の減少の背景には他の要因もある。
それは2013年の動物愛護法改正により、行政が引き取りを拒否できるようになり、動物愛護センターでの引き取り数が大幅に減少したことだ。
引き取り数が減れば、それに伴って殺処分数も減る。
しかし、その裏で、引き取りを拒否された不妊手術をしていない猫が野に放たれることになり、その結果、野良猫は増え、近隣住民の苦情も増えるというしっぺ返しがすぐにやってくることになる。

だからこそ、どうぶつ基金では、野良猫を増やさないための努力が一層必要であり、1匹でも多くの猫に不妊手術を施すことが殺処分ゼロを実現するもっとも有効な手段だと考え、さくらねこ無料不妊手術事業を核とするTNR活動に注力しているという。

2007年まで20万頭を超えていた猫の殺処分数も、2017年時点で3万頭台にまで減少。殺処分ゼロの実現まで、あと一息という所まで来ている。
全国のボランティアとどうぶつ基金の活動によって生まれたさくらねこの数が、まもなく10万頭に達する。

今や一兆円市場の日本のペット産業には、法改正が必要な様々な問題を抱えている。
人間側の都合や身勝手で野良猫となってしまった命には何の罪もない。
ただ、その命をまっとうしようとする猫たちを「殺す」ではなく「生かし、増やさない」為に活動している人達がいることをこの機会に是非知って欲しい。

「買わずに飼ってね」が合言葉

「いのちつないだワンニャン写真・動画コンテスト」

どうぶつ基金では、本当なら殺されていたかもしれない状況から、優しい人たちのおかげで命をつなぐことができた動物たちの姿を追った写真・動画コンテスト「いのちつないだワンニャン写真・動画コンテスト」を毎年4月から7月に開催している。

2018年度大阪府知事賞受賞作品「べーだ!!」

「買わずに飼ってね!」を合言葉にしたこのコンテストでは、行政または動物愛護団体や個人ボランテイアから譲渡された犬や猫、町で保護した犬や猫、さくら耳のさくらねこや地域猫の写真や動画を募り、入賞作品を決定している。

2018年度審査員特別賞受賞作品「ぼくの大好きな兄者」

入賞作品には、殺処分寸前で愛護センターから救い出された犬や、虐待現場で保護された猫など、辛い過去を負った動物たちの写真も多くある。
悲劇を乗り越えて幸せそうに写真に収まっている動物たちの姿を見ると、そんな彼らの心の傷を癒し、一歩一歩共に歩んできた優しい人々の、シャッター越しのやわらかなまなざしに胸を打たれるばかりだ。

ヨーロッパでは既に当たり前になっている『ペット業者から「買う」のではなく、保護された動物の里親になって「飼う」』という選択を多くの人に知ってもらい、動物を飼うことに伴う責任を感じてもらうことが、この活動の背景にあるどうぶつ基金の願いだという。

今年のコンテスト入賞作品の写真展は、10月17日(木)から19日(土)に大阪の本町ガーデンシティで行われる。
大阪での写真展の後も全国各地でコンテスト入賞作品の写真展が開催を予定している。

どうぶつ基金への支援、さくらねこサポーターについて詳細はこちら

産まれてすぐに殺される、そんな悲劇をゼロにするために。
https://www.kifukara.jp/form/doubutukikin/monthly/

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