「8時間ダイエット」とは、8時間以内に1日のすべての食事をとる食事法のことで、「ものを食べない時間を増やす」ことに主眼を置いた食事療法です。これを「間欠的ファスティング(断食)」といいます。ファスティングは、健康面で多くのメリットが得られることが明らかになってきましたが、その最たるものが「オートファジー」の解明です。オートファジーとは、古くなった細胞を、内側から新しく生まれ変わらせるしくみのことです。
【解説】青木厚(あおき内科・さいたま糖尿病クリニック院長・医学博士)

ナッツとヨーグルトはOK

8時間食事術では、1日のうち8時間は「食べてOK」の時間です。好きなタイミングで食事をとり、基本的には、何をどれだけ食べるのも自由です。

何も食べずに16時間も過ごすのはつらそうに見えるでしょうが、実際はそうでもありません。私たちは毎日約8時間は睡眠をとっています。寝ながらものを食べる人はいませんし、睡眠中は空腹を感じることもありません。

睡眠時間の前後に合計8時間の「空腹の時間」を割り振れば、「おなかが空いた」「何か食べたい」といった思いにさほど苦しむことなく過ごすことができます。

「食べてOK」の時間をいつにするかは、自分の生活スタイルに応じて決めるのが成功のコツです。下に、モデルケースを紹介しました。

《ライフスタイル別「8時間食事術」》

基本スタイル
体内時計に合致したいちばん健康的な方法

画像3: 【8時間ダイエットのやり方】オートファジーが働く「空腹時間」が効果 医師がすすめる16時間断食とは

【 向いている人 】
・65歳以上、主婦
・夕食を早い時間に食べられる人
・空腹を感じる時間を短くしたい人
【 メリット 】
無理なく取り入れられるため、体の負担が少なく、アンチエイジングや老化の予防効果も高まりやすい

午後6時頃など早い時間に夕食をとれる人は、朝食の時間を後ろにずらすといいでしょう(上図)。

働き世代の基本形
朝食抜き

画像4: 【8時間ダイエットのやり方】オートファジーが働く「空腹時間」が効果 医師がすすめる16時間断食とは

【 向いている人 】
・働き世代
・空腹を感じる時間を短くしたい人
【 メリット 】
朝食抜きのみで取り組みやすくアンチエイジングや老化の予防効果も高まりやすい

夕食の時間が遅くなる人は、朝食抜きにします(上図)。

働き世代の応用形
昼食抜き

画像5: 【8時間ダイエットのやり方】オートファジーが働く「空腹時間」が効果 医師がすすめる16時間断食とは

【 向いている人 】
・夕食が遅くなってしまう人
・集中しているときおなかが空かない人
【 メリット 】
仕事の効率が上がりやすい
ランチ代の節約になる
【 気をつけたいこと 】
朝食を食べる場合は、肉、卵、魚などのたんぱく質中心に取る。糖質を取り過ぎると、お昼頃に空腹感が強くなる

夕食の時間が遅くなり、しかも、日中、集中しているときにおなかが空かない人は、昼食抜きにするという方法もあります(上図)。

「空腹の時間」におなかが空いたら、ナッツ類ヨーグルトなどを食べます。これらは少量でも空腹感が和らぎ、体に必要な栄養素を補給できて腹持ちもよいので、空腹がつらいときは我慢せず食べてOKです。

飽食で栄養過多な状態に体は適応できない

「8時間食事術」に関する質問で多いのが、「1日3食しっかりとらないと体に悪いのでは?」「16時間も空腹を我慢できない」という2つの声です。皆さんも、同様の不安をお持ちかもしれません。

しかし、そんな心配は無用です。日本に1日3食の習慣が広まったのは、江戸時代のこと。原始時代から江戸時代まではせいぜい1日2食で、狩りや労働の間はものを食べないのがあたりまえでした。

人類の誕生以来、人間の体のしくみはほとんど変わっていません。人体には飢餓に備えて体内に栄養を蓄え利用するしくみは発達していますが、飽食で栄養過多な状態に適応するしくみは、まだ不十分なのです。

現代人の1日3食の生活は、それだけで食べ過ぎになる可能性が大いにあります。糖尿病や高血圧、脂質異常症、肥満、動脈硬化、ガンなど、現代人の生活習慣病の多くは、食べ過ぎが関係しています。

「食事のあと眠気や体のだるさを感じる」「最近、疲れやすくなった」「胃腸が弱っている気がする」「イライラや不安、無気力など気分の変動が激しい」といった症状に思い当たるものがある人は、食べ過ぎの可能性があります。

1日3食の最大の弊害は、胃腸を休ませる時間がなく、内臓が疲弊してしまうことです。内臓が疲れて消化機能が衰えると、食べ物からきちんと栄養素を吸収できなくなり、栄養不足で髪や肌のコンディションが悪くなったりします。

また、本来は肝臓で解毒されるはずの毒素や老廃物が体内に残ったり、体内で産生できるエネルギー量が減ったりして、体が疲れやすくなるなどの不調を招きます。

食べ物が胃腸で消化し終わるまで8時間くらいかかるので、朝昼晩と食事をとると、内臓を休ませる時間がなくなってしまいます。脳や体に休息が必要なのと同じく、内臓にも休みが必要です

食事をとらない時間を16時間確保してようやく、内臓は1日8時間の休息・メンテナンス時間を得られるのです。

空腹12〜14時間でもいい

《あなたの「8時間食事術」は?》
24時間時計の絵に、あなたの「空腹時間」と「食べてOK」時間を書き入れてみましょう

画像6: 【8時間ダイエットのやり方】オートファジーが働く「空腹時間」が効果 医師がすすめる16時間断食とは

食欲や空腹感は、頻繁に食べるほど高まる性質があります。特に、糖質の多い食事は、血糖値が乱高下し、食欲中枢が刺激されて、空腹感を強く感じます。

反対に、ものを食べない時間が長くなると、食欲は抑えられます。ものを食べない空腹の時間は、体内の糖質や脂質がエネルギーに変換され、盛んに消費される時間。活動エネルギーがじゅうぶんにあり、体は軽く頭の回転も速い、とても爽快で快適な状態です。

肥満解消だけが目的であれば、空腹の時間が12〜14時間程度でも、体内の脂肪が燃焼し始めます。8時間以内にすべての食事を終えるのが難しければ、10時間でもかまいません。まずは、無理なくできる範囲で試してみてください。



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