ぽっこりお腹を解消する「腸もみ」のやり方 腸内環境を整えて便秘・下痢を改善

美容・ヘルスケア

腸をもむと硬さや張りがなくなって、お通じが整い、便やガスが溜まらなくなり、ポッコリおなかがスッキリします。血流がよくなるので体温や代謝が上がり、体重も減少しやすくなるのです。おなか周りも柔らかくなるので、脂肪や水分がつきにくくなり、ウエストもくびれてきます。【解説】真野わか(日本養腸セラピー協会会長)

解説者のプロフィール

真野わか(まの・わか)
セラピスト。養腸家。一般社団法人養腸Brew理事。日本養腸セラピー協会会長。下剤や腸内洗浄に頼らず、腸もみ・食・心のあり方で腸をととのえる「養腸」を提唱。溜めない体や心づくりを目指す独自の腸もみメソッドの普及に努める。これまでに5000人以上の腸をもんできた。著書は『1日1分 腸もみ』(だいわ文庫)ほか多数。
日本養腸セラピー協会:http://yocho-brew.org/

腸を観察すると自分の気持ちや現状がわかる

私はふだんから”溜めない心と体”にするため、「腸もみ」の施術や指導を行っています。腸は自分自身を映し出す”鏡”であり、自分の分身であり、ペットのような存在。自分の手でもんで腸とコミュニケーションをとることは、心身の健康や体調管理に役立ちます。

腸には、日々の食事や生活習慣、本人の性格や考え方が如実に現れます。例えば、頑固な人は、腸も硬くこわばっていて便秘がちですし、人に頼らず1人で気を張ってがんばってしまう人は、腸もパンパンに張りがちです。プレッシャーに弱い人ほど、腸もパニックに陥って、下痢を引き起こす傾向にあるのです。

腸を観察すると、自分の気持ちや、現状をそのまま映し出してくれています。まずは、腸の様子を見て、腸、つまり自分自身を責めることなく、大きな心で受け止めましょう。

腸は、心身がリラックスしているほうが、本来の動きがスムーズにできます。また、規則正しい生活リズムが好きで、ゆっくりとしたペースで、24〜36時間かけて動いています。

逆に過度な緊張や、ストレスがかかると、たちまちダメージを受けてしまう繊細さがあるのです。腸は苦しい状況を、硬さや張り、冷え、むくみ、重さ、便秘、下痢、ガス、肌トラブルという症状で表現します。

さらに、空腹を感じないときは、腸がまだ仕事をしていて、食物を消化吸収する準備が整っていないというサインです。

調子がいいときの腸は、つきたてのお餅のように柔らかく温かいものです。空腹を感じますし、スッキリ快便です。体温は36.5〜37℃に保たれています。

《腸と対話する時間を持ちましょう》

【 腸が苦しいときのサイン 】
硬さや張り、冷え、むくみ、重さ、便秘、下痢、ガス、肌トラブル
【 腸が調子がいいときのサイン 】
つきたてのお餅のように柔らかく温かい、空腹を感じる、快便、体温は36.5〜37℃

便やガスが溜まらずポッコリおなかがスッキリ

腸は、食物を消化吸収し、体外に不要なものを排泄する臓器です。腸をもんで、働きがよくなると、さまざまな健康効果が期待できます。

腸をもむと、硬さや張りがなくなって、お通じが整い、便やガスが溜まらなくなって、ポッコリおなかがスッキリします。血流がよくなって体が温まるので、体温や代謝が上がり、体重も減少しやすくなるのです。おなか周りも柔らかくなるので、脂肪や水分がつきにくくなり、ウエストもくびれてきます。

ほかにも、腸から全身に温かい血液が巡るようになるので、冷えや頭痛、肩こり、腰痛、肌荒れが解消したり、生理痛や生理不順、不妊などの婦人科系のトラブルも改善。ホルモンバランスも整うので、更年期の諸症状も軽減します。

腸が温かくなって、良好な状態が保てると、夜は寝つきがよくなります。眠りの質もよくなるので、寝ている間に体の修復がしっかり行われたり、目覚めがよくなったり、疲労も回復したりするのです。

腸には全身の約70%の免疫細胞が集まっています。体温が上昇し、腸の免疫細胞が活性化すれば、花粉症やアトピー性皮膚炎などのアレルギー症状の緩和が期待できます。免疫機能が整うと、病気になりにくく、なったとしても治りやすいのです。

腸もみをすると、脳や腸から幸せホルモンのセロトニンが分泌されるため、イライラしなくなって、心も穏やかになっていきます。

腸はあらゆる臓器の中で唯一、自分の手でもむことができる臓器です。ペットをかわいがるように、毎日、腸をもんだり、観察したりしていると、自分の腸の状態や、体調がわかってきます。腸に意識を傾けることで、たいせつに思う気持ちが芽生え、食べ物の質や量にも、気づかうようになるのです。

空腹の時間がないと腸はずっと残業状態

実はポッコリおなかの原因の一つは、食べ過ぎです。現代人の8、9割の人は、食べ過ぎていると言っても過言ではありません。特に中高年層は、食事の時間になると、空腹でなくとも無条件に食事をとる人が多いようです。

空腹でないのに、次から次へと食べ続けるのは、腸がずっと残業しているような状態です。食べ過ぎると、腸は元気にならないし、若返ることもできません。

おなかいっぱいになるまで食べるのではなく、腹八分目かそれ以下、つまり2食で取る量を3回に分けて食べるイメージです。体にいいものを適量、よくかんで、ゆっくりと味わっていれば、食べ過ぎて腸を疲弊させることもなく、ボディラインもスッキリします。

腸はある意味、自分の分身です。便秘や張りなどで苦しいとき、思うような結果が出せず、いちばん苦しんでいるのは腸です。腸はプレッシャーに弱いので、責めずに、いたわり、共感するようにしましょう。腸がほんの少しでもできたことに目を向けて認める加点方式で、長い目で見守ってあげてください。

特にまじめな人ほど、リラックスできずに腸にトラブルを抱えやすいようです。そこで、お勧めなのが腸もみ。腸をもむことで、心身ともにリラックスして健康になれます。下に腸もみのやり方を紹介していますので、ぜひ試してみてください。

短時間でいいので毎日続けること

腸もみは、食後1時間以内を外せばいつ行ってもいいですが、特に朝起きたときや夜寝る前、お風呂に浸かったときに行うのがお勧めです。

基本は、腸の流れに沿って「小腸もみ」から「大腸もみ」の順に行います。時間がないときなどは、別々に行っても問題ありません。たいせつなのは、短時間でいいので、毎日続けることです。回数は1日に何回行ってもかまいません。

締めつけの少ない楽な服装や、ウエストのベルトやボタンを緩めてから行うといいでしょう。

腸もみは、4つの基本姿勢のいずれかで行います。基本姿勢になれば、自然と腹筋を緩めた状態になるので、腸に触りやすくなるのです。

もむときのスピードや強さは、腸が好むゆっくりとしたテンポで、気持ちいいか、痛気持ちいい程度の強さを保ちます。もむスピードは、首を大きくゆっくりと回すときや、首を真横にゆっくりと倒すときのゆったりとしたテンポを目安にしてください。

速いテンポや、痛いくらいの強さで腸を押しもむと、かえってストレスになり、過緊張を招いて逆効果になるので、やめましょう。ペットをかわいがるのと同様に、腸も「心地いい感覚」や「不快でない感覚」を大事にしてもんでください。

1日1分「腸もみ」のやり方

腸もみの4つの基本姿勢

おなかに力を入れない姿勢で行うことがたいせつ。仰向けになるときは、ひざを立てるとおなかがゆるむ

【姿勢(1)】イスに深く腰かけ、背中を少し丸め、上体はやや前かがみになる

【姿勢(2)】イスに浅めに座り、背もたれに寄りかかってリラックス

【姿勢(3)】あお向けに寝て、両ひざを立てる

【姿勢(4)】お風呂の湯船の中でひざを曲げて座る

腸もみ(1)「小腸もみ」
おなかやせや肌荒れ・冷え・腰痛改善に効果的

おへそを覆い隠すように両手のひらを重ねて置く。どちらの手を上にしてもOK

手のひらの下半分、手根部を使い、息をゆっくりと吐きながら、腹部を横からじんわりと押す。息を吸いながら手の力を抜く

左右ともに10〜20回繰り返す

❶の状態から、おなかに手のひらをぴったりと密着させたまま、自然な呼吸をしながら、時計回りにゆっくりと回す。両手の外側の縁でおなかを押すと、腸を心地よく刺激できる

10〜20回繰り返す

腸もみ(2)「大腸もみ」
便秘や下痢・腸内環境をみるみる大改善

利き手を下にして、人さし指、中指、薬指の3本の指の腹が重なるよう両手を重ねる。右骨盤の内側、右肋骨の下、みぞおちとおへその間、左肋骨の下の4カ所を順に、息をゆっくりと吐きながら、両手の指の腹で押して、息を吸うタイミングで手の力を抜く。このとき、指を立てて押すのはNG

最後にS状結腸のある左骨盤の内側を小さな円を描きながら、時計回りにくるくると押しもむ

5カ所で1周として、1〜3周繰り返す

腸もみ(3)「腸もみ深呼吸」
自律神経が整い、腸のマッサージもできる

おなかに両手を当てて、鼻もしくは口から息をしっかり吐ききる。吐く息の半分の時間で、鼻から息を吸う。このとき、おなかをしっかりへこませてから、ふくらませること

吐いて吸う呼吸を10〜20回繰り返す

腸もみ(4)「腸もみストレッチ」
肩こりや背中のこりを撃退

みぞおちの前で両手を組む。息をゆっくりと吐きながら、両腕を前に伸ばし、両手を突き出して背中を丸める。このとき、両手で大きなボールを抱えているような姿勢になる。息を吐ききったら、吐く息の半分の時間で、鼻から息を吸い、腕や背中を元の姿勢に戻す

これを3〜5回繰り返す

腸もみ(5)「便秘もみだし」
便が溜まるS状結腸を楽々刺激

体の右側を下にして横になる。左脚は曲げてひざを床につけ、右脚は曲げても伸ばしてもOK。左手でS状結腸のある左骨盤の内側をつかむようにしてもむ

自然な呼吸で、10〜20回もむ。もう少し強くもんでも心地いいと感じるときは、親指側を前に向けてもむといい

腹部をもめば腸もみにハズレなし!

中には、腸をきちんと押せているのか、不安になるかたもいると思います。しかし、肋骨と骨盤に覆われていない腹部は、全部腸なので、どこを押しても腸には当たっているのです。小腸か大腸の違いはあっても、ハズレは絶対にないので、安心してもんでください。

腸もみは、妊婦さん以外は、誰が行ってもOKです。腸もみをすることで、腸内環境が整い、腸のぜん動運動が本来の動きを取り戻します。腸本来の動きに近づけてくれるのが腸もみです。便秘のかたも下痢のかたも、ぜひお試しください。

この記事は『ゆほびか』2019年10月号に掲載されています。

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