【1分うつぶせ】自律神経を整えてリラックスする効果 便秘や過敏性腸炎の改善に役立つと医師が推奨

美容・ヘルスケア

自律神経のバランスが整うと、高血圧や冷え、不眠などの症状が改善しやすくなります。また、不眠が解消すれば、疲労回復やカゼ予防にもなります。胃腸の働きもよくなるため、便秘が解消して、ポッコリ出ていたおなかがへこんだり、過敏性腸炎の改善にもつながるでしょう。【解説】岡田真理子(まりこ中町内科院長)

解説者のプロフィール

岡田真理子(おかだ・まりこ)
総合内科専門医、医学博士。まりこ中町内科院長。大阪医科大学卒業。神戸大学大学院医学系研究科循環呼吸器病態学講座博士課程修了。2017年より現職。

うつぶせで不調の改善と薬の減量が期待できる

[別記事:「1分うつぶせ」のやり方→]

私はこれまで、主に循環器や呼吸器の医療現場で、内科医として働いてきました。現在は、地域のかかりつけ医として、子どもから高齢者まで幅広い年齢層の患者さんの診療にあたっています。

そんななか、不眠や高血圧、便秘などの胃腸症状があるかたには、年齢を問わず、うつぶせになることをお勧めすることがあります。不調の改善に期待でき、薬の量を減らすことができるからです。

その結果、患者さんからは、「腰痛が取れた」「よく眠れるようになった」という声をよく聞きます。

うつぶせが不調の改善に効果的な理由は、まずは呼吸器の機能が向上することが挙げられます。

うつぶせになると、ふだんは意識しづらい、後ろ側や下側の肺を意識して使えます。そして、体の中の換気ができる場所が増えるので、効率よく換気ができます。つまり、血液に酸素が取り込まれやすくなるのです。

また、痰を吐き出しやすくなり、誤嚥性肺炎の予防にも役立ちます。特に、重力により肺の同じ場所に痰がたまりやすくなっている、ずっと同じ体勢で寝たきりの患者さんには効果的です。

ほかにも、人工呼吸器をつけている患者さんなど、うつぶせは医療現場でよく行われている効果的な体位なのです。

多忙な現代人は心身が常に緊張している

うつぶせが不調に効果的な理由として、もう一つ、自律神経のバランスが整うことが挙げられます。

体を無意識にコントロールする自律神経は、本来、心身を活発に働かせる交感神経と、心身をリラックスさせる副交感神経がバランスよく入れ替わりながら働いています。

ところが、多くの現代人は、朝から晩までスケジュールがびっしりの多忙な毎日を過ごし、心身の緊張状態が続いています。さらにテレビやパソコンなど、ブルーライトの刺激もあり、体内時計の調整が不安定となり、交感神経が優位になりっぱなしです。

ここで、うつぶせの体勢になると、副交感神経の働きが活発になり、リラックス効果が高まって、自律神経のバランスが整う可能性があります。

うつぶせになると、呼吸器の機能が向上したり、自律神経のバランスが整う。
その結果、リラックスができてさまざまな不調が改善する

自律神経が乱れると多種多様な不調を招く

交感神経が常に優位だと、脈が速くなったり、呼吸が浅く速くなったり、筋肉が緊張し、血管が収縮したりします。

すると、高血圧を招いたり、脈が非常に速くなったりするのです。ほかにも、血流が悪くなって、体が冷えやすくなります。

また、入眠しにくく、不眠になりやすくなります。じゅうぶんな睡眠が取れず、心身のオン・オフの切り替えができない状態が続くと、ホルモンバランスが乱れたり、副腎などが行う体のメンテナンスが満足にできなかったりします。

結果的に疲労がたまってしまったり、免疫力が落ちて、カゼを引きやすくなったりするのです。

交感神経が優位になり、自律神経のバランスが乱れると、胃腸の症状が出やすくなります。特に、便秘過敏性腸炎(主に精神的ストレスが原因で、腸の運動や分泌機能に異常が起こる病気)になりやすくなるのです。

自律神経のバランスが整うと、このような高血圧や冷え、不眠などの症状が改善しやすくなります。また、不眠が解消すれば、疲労回復やカゼ予防にもなります。脳も休まり、集中力も高まるのです。

胃腸の働きもよくなるため、便秘が解消して、ポッコリ出ていたおなかがへこんだり、過敏性腸炎の改善にもつながるでしょう。

世の中には、さまざまなトレーニングや健康法が存在しますが、やはり、継続できるかどうかが成功のカギになるでしょう。

ふだんの生活のなかで、うつぶせの体勢を意識して行う人は、あまりいないかと思います。ですが、「1分うつぶせ」は、1分という無理なく行える時間で、誰でも簡単にできます。ハードルが低く魅力的な健康法だといえるでしょう。

[別記事:「1分うつぶせ」のやり方→]

この記事は『ゆほびか』2019年12月号に掲載されています。

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