中国のスマホメーカー「シャオミ」が日本上陸!私の注目は格安IH炊飯器

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スマホメーカーで世界第4位のXiaomi(シャオミ)をご存じでしょうか。5つのカメラを搭載したスマホと共に発表されたのが、IH炊飯器。中国メーカーが炊飯器を売り出すことに驚きましたが、一番びっくりしたのは、スマホ連係機能など多機能でありながら価格が9999円(税別)だということ。開発には元パナソニックの社員が関わっており、中国製IH炊飯器の上陸に、今、日本中が注目しているのです。

Xiaomi(シャオミ)が、ついに日本上陸

シャオミは、スマートフォンで、サムソン、ファーウェイ、アップルに続く、世界第4位のメーカーです。シャオミが発表したのが、最高1億800万画素、5つのレンズを持つカメラを持つ、「Mi Note 10」です。

Mi Note 10

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しかし、同時に発表された、「Mi HI炊飯器」もなかなかスゴいモノでした。今回は、この炊飯器を取りあげます。

Xiaomi
Mi IH炊飯器

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監修は元パナソニック社員

爆買いの時代、中国人が買って帰るお土産家電の一つは高級炊飯器でした。人から聞いた話ですが、中国のお金持ちは、自分が食べる米は、日本から種籾(たねもみ)を取り寄せ、無農薬で作り、それを日本の高級炊飯器で炊くのだそうです。日本のお米は「ジャポニカ米」ですし、食味の方、今や嗜好品と言っても可笑しくないレベルですから、いかにもありそうな話です。それだけに、今回の「炊飯器」上陸はちょっとしたショックでした。

Mi IH炊飯器のプレゼンで真っ先に映し出されたのは、一人の日本人。キャプションには、「内藤毅 初代Mi HI炊飯器の共同開発者。圧力鍋炊飯技術の日本の発明者。元三洋、パナソニックの社員。」とありましたので、パナソニックの炊飯器「おどり炊き」の開発メンバーだと分かります。(ちなみに、HIはIHの誤りですね。)

炊飯器や洗濯機といった、仕上がりを重要視される家電は、設計が実に難しいものです。理由は2つですね。
1つめは、そこに至るまでの味に関する要素を、どの様にコントロールするのか?日本の様に、お米がほぼ横並び品質で出てくる国はあまりありません。逆に、そうだから「炊飯器で差が出る」わけです。また、これはある意味、炊飯=味をメーカーに任せるということでもあります。

2つめは、その味などは、数値目標化することが非常に難しいことです。食味は複合要素であり、バランスが必要でもあります。確かに、甘みがこう、白さがこうと言うことはできますが、美味しいという範囲は人によって違います。このため目標値を決めるのが非常に難しい。この評価が出来るようになるには、米に関して膨大な知識と、トライ&エラーの実験、そして、いろいろなお米を食べてみるなどの体験が必要です。

炊飯器を作ってきた日本メーカーは、そのノウハウを持っています。一方、シャオミは2010年創業。メインはスマホですから、炊飯器を開発する「お金」はあっても、開発のための「人材」がいない。このため、パナソニックを退職した内藤氏と共同開発となったわけです。このビジネスモデルは、家電に最近参入したアイリスオーヤマが使った手ですね。パナソニック並みのモノができるんだぞ!と言いたいわけです。

インターナショナル・メーカーの強みは低コスト

で、技術的な説明を聞き、最後の価格発表で驚きました。9999円(税別)。

そして、そこに上げられた技術は、「IH」「3mm厚、テフロン加工の内釜」「ダイキンPFA フッ素樹脂コーティング」「Mi Homeアプリによる遠隔操作」。

日本メーカーが作ると、「IH」だけで倍かかります。同価格なら火力の弱い「ヒーターでマイコン制御」タイプがいいところです。しかし、シャオミはアンテナを内蔵し、(今は、必要なのか、否かは置いて置くとして)IoT機能も持っています。日本では考えられない価格です。

昔、ある物語で、安い兵器を仕入れて、バラした所、世界各国の安いパーツを合わせて作ったものだったというシーンがあります。兵器=軍事は、最高機密にですから、自国のパーツだけでというのが理想なのですが、これが経済に逆らえなかったというギャップを示したシーンです。逆に、世界に広く、そして多くの数量を考えると、似た事ができます。しかし、それを目の前で見せられるとは。かなりの衝撃でした。

これが、中国という広大な市場を持つメーカーと日本メーカーの購買力の差です。

デザインが洗練されてきた

あと、スゴいなぁと思ったのは、デザインですね。余り炊飯器に見えないのです。日本のAVが海外で評価されたことの一つにデザインがあります。欧米のAVメーカーが持っているある種のバタ臭さを徹底的に消したところでできた「COOL」と呼ばれたデザイン。それを感じさせるところがあります。

今の日本メーカーは、何だかんだと言いながらも、やはり「炊飯器」と言うことを意識しています。馴染みもありますし、わかりやすいですからね。

ほとんどそんな感じがない。シャオミの炊飯器を見てそう感じました。

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味が「並」以上ならヒット家電になるかも

使っていないし、味を見ていないので、最終的な結論は出せませんが、私は、このモデル、若い人は違和感を抱くことなく買うのではないかと思いますね。若い人は、自炊も多くないですし、米に対するウェイトも下がっています。当然、中食も多い。それに加えて、家電はなるべく安く上げたいですし、ワンルームだとキッチン丸見え。余り台所台所して欲しくないという気持ちがあると思います。その上、日本メーカーに思い入れが少なければなおさらです。味が、それなりなりなら、ヒットする可能性は十分持ち合わせたモデルだと思います。

12月12日に、Amazonで発売予定ということ。本当に楽しみです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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多賀一晃(生活家電.com主宰)

企画とユーザーを繋ぐ商品企画コンサルティング「ポップアップ・プランニング・オフィス」代表。米・食味鑑定士の資格を所有。大手メーカーでオーディオ・ビデオ関連の開発に携わる。趣味は東京散歩とラーメンの食べ歩き。

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