【大豆もやしの栄養】レモンと組み合わせると健康効果アップ!ダイエットや疲労回復の強い味方

美容・ヘルスケア

実は「モヤシ」は、ビタミンCやB2、アスパラギン酸やGABA等のアミノ酸、食物繊維、コラーゲン、カルシウム、イソフラボンなど、栄養が豊富でパワーあふれる野菜。このモヤシとぜひ組み合わせていただきたいのが「レモン」です。【解説】三浦理代(女子栄養大学名誉教授)

解説者のプロフィール

三浦理代(みうら・まさよ)
女子栄養大学名誉教授。1969年、女子栄養大学栄養学部を卒業。同大学食品栄養研究室の助手を経て、2001年に同大学教授に就任。17年より現職。野菜が体に及ぼす影響を研究テーマとし、野菜を食べると健康になるということを科学的に立証するための調査、研究を行う。著書『女子栄養大学の疲れをとるもやしレモン』(エクスナレッジ)が好評発売中。

実は栄養豊富でパワーあふれるモヤシ

昔はひょろっとして虚弱な感じの子どもを「モヤシっ子」と呼んだりしましたが、実はモヤシは、栄養豊富でパワーあふれる野菜です。モヤシっ子は、虚弱どころか力強さを示す愛称にこそふさわしいでしょう。

モヤシは、緑豆や大豆などの豆が発芽した野菜です。この発芽工程で、神秘的ともいえる変化が起きます。豆のたんぱく質や脂質などの成分の一部が分解され、ビタミンやアミノ酸の含有量が劇的に増加するのです。

例えば、豆の状態ではほとんど含まれていないビタミンCが発芽後には約5倍となり、ビタミンB2は3倍に増加します。

アスパラギン酸GABAも増えます。GABAはγアミノ酪酸というアミノ酸の一種です。微量が脳に存在する神経伝達物質ですが、加齢に伴い減少します。

GABAの不足は物忘れにつながるといわれています。また、GABAにはストレスを和らげ、気持ちを落ち着かせる効果が認められており、とても必要な栄養素なのです。

大豆モヤシで作ると足腰強化作用がアップ

そして、このモヤシとぜひ組み合わせていただきたいのが「レモン」です。レモンとモヤシの相乗効果で、健康効果がパワーアップします。

その一つに、疲労回復効果があります。

レモンに豊富に含まれるクエン酸には、「TCA回路」を活性化する働きがあります。TCA回路は体内でエネルギーを生み出すサイクルで、このサイクルがきちんと機能することで、疲労のもとになる乳酸が分解されるのです。

そのうえ、モヤシのアスパラギン酸がTCA回路のサイクルを手助けします。レモンやモヤシをそれぞれ単体でとるより、モヤシとレモンを一緒にとったほうが、疲労回復効果がより大きくなるというわけです。

ちなみに、アスパラギン酸は、アスパラガスに多いことから名づけられた栄養素ですが、大豆モヤシには、アスパラガスの2倍もの量のアスパラギン酸が含まれています。

モヤシとレモンのビタミンCによる抗酸化作用(病気や老化の原因となる活性酸素を阻害する作用)も見逃せません。

細胞にダメージを与える活性酸素を抑え、動脈硬化高血圧シミやシワといった血管や皮膚の老化を防いでくれます。また、カリウムが尿とともに過剰なナトリウムを体外に排出し、血圧の安定にも役立ちます。

モヤシとレモンを一緒にとる方法として、私がお勧めするのが、サッとゆでたモヤシにレモン汁と調味料を混ぜた「モヤシレモン」です(作り方は下記参照)。

私も食べていますが、おいしい上、少量でおなかいっぱいになります。また、モヤシは1年を通じて入手しやすく、安いのもうれしいところです。

おいしく作るコツは、ゆで過ぎないこと。モヤシのパリッとした感じが残る程度に軽くゆでると、シャキシャキとしてかみごたえがあります。よくかむと満腹中枢が刺激され、食べ過ぎによる肥満を予防できます。

しかも、モヤシ50g分のモヤシレモンは、たったの15kcalです(緑豆モヤシ)。さらに、モヤシの食物繊維が便秘の解消にも働きますから、ダイエットの強い味方になってくれるでしょう。

なお、大豆モヤシでモヤシレモンを作ると、健康効果がアップします。特に、骨や腱の材料となるコラーゲン、骨を強くするカルシウム、カルシウムの流出を抑えるイソフラボンといった成分が多くなるため、骨粗鬆症を防いで丈夫な足腰をつくるのを助けます。

食事量が減る高齢者は、どうしても栄養が不足しがちです。元気に年を重ねるためにも、毎日の食事にモヤシレモンを加えてみてはいかがでしょうか。

モヤシレモンの栄養価
緑豆モヤシ
レモン
大豆モヤシ
レモン
エネルギー(kcal) 15 26
たんぱく質(g) 0.9 1.9
脂質(g) 0.1 0.8
炭水化物(g) 3.4 3.3
食塩相当量(g) 0.5 0.5
食物繊維・総量(g) 0.7 1.2
カリウム(mg) 43 88
カルシウム(mg) 6 12
ビタミンB1(mg) 0.02 0.05
ビタミンE(mg) 0.1 0.3
ビタミンC(mg) 8 6
『女子栄養大学の疲れをとるもやしレモン』(三浦理代監修)より引用。
・1食分約50gで計算

5分で作れて美味!疲れも吹っ飛ぶ「モヤシレモン」基本の作り方

レシピ考案/柴田真希(管理栄養士)
女子栄養大学短期大学部を卒業後、給食管理、栄養カウンセリング、食品の企画・開発・営業などの業務に携わり、独立。(株)エミッシュ代表取締役。三浦理代氏との共著『女子栄養大学の疲れをとるもやしレモン』(エクスナレッジ)では、73ものモヤシレモンアレンジレシピを紹介している。

【材料】(モヤシ1袋分)
モヤシ……1袋(200g)*サッと水で洗ってざるにあげておく
レモン汁……大さじ2
きび砂糖(白砂糖で代用可)……小さじ2
……小さじ1/3

モヤシ
緑豆モヤシ、大豆モヤシなどモヤシにはいくつか種類があるが、入手のしやすさ、価格、栄養価など、好みでどのモヤシを使ってもよい(レシピでは緑豆モヤシを使用)。

●大豆モヤシ

大豆を発芽させたモヤシ。たんぱく質や葉酸、カルシウムなどの栄養素が緑豆モヤシよりも高い。一方、緑豆モヤシに比べると高価。

●緑豆モヤシ

春雨の原料でもある緑豆を発芽させたもの。最も多く市場に出回っており、安価で手に入りやすいモヤシの代表格。

レモン
レモンは、レモンを搾った果汁を使っても、市販のレモン果汁でもOK。

【作り方】

鍋にたっぷり(1.6~1.8L)のお湯をわかし、塩小さじ1/4とレモン汁小さじ1(いずれも分量外)を加える。

(1)の鍋に、洗って水気を切ったモヤシを入れて、30秒~1分ほどゆでる。
*大豆モヤシを使った場合は緑豆モヤシよりゆで時間が長くなるので、袋に書いてあるゆで時間を参考にする。

モヤシをざるにあけて水気を切り、そのまま粗熱を取る。
!冷水に取るとモヤシが水っぽくなるので注意

ボウルなどにレモン汁、塩、砂糖を混ぜ合わせ、(3)のモヤシを加えてあえれば完成。

【食べ頃】
調味料と混ぜ合わせたらすぐ食べられるが、半日ほど置くと味が染みておいしい。

【食べ方】
そのまま食べてもおいしいし、サラダやスープの具として食べてもよい。いろいろな食べ方を楽しんで。

【保存】
密閉容器やジッパー付きポリ袋などに入れ、冷蔵庫で保存し、3日ほどで食べ切るようにする。

この記事は『安心』2019年12月号に掲載されています。

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