心理セラピストとして、アメリカと日本で約20年にわたり、さまざまな悩みや心の不調を抱える人たちに心理カウンセリングを行ってきた王丸典子氏。ストレスに苛まれ、自己肯定感が低下している多くのビジネスエリートたちが、彼女のカウンセリングを求め、こっそりと通い続けているという。ここでは、同氏の新著『フェアシンキング』より、自己否定やネガティブ思考のスパイラルから抜け出し、ストレスに強い、柔軟で折れにくい心を生み出す思考法「フェアシンキング」について紹介する。

執筆者のプロフィール

画像: 執筆者のプロフィール

王丸典子(おうまる・のりこ)

カリフォルニア州公認サイコロジスト。臨床心理学博士。心理セラピスト。アメリカ心理学会正会員。アメリカ軍契約サイコロジスト。日本航空株式会社専務取締役秘書、アメリカ・パイオニアニューメディアテクノロジーズ社長秘書を経て、カリフォルニア・スクール・オブ・プロフェッショナル・サイコロジーで、心理学修士号及び心理学博士号を取得。サンディエゴ市のシャープ総合病院をはじめ、メンタルクリニック等でうつ病、不安症、PTSD、統合失調症、慢性疼痛や人間関係の問題に対し、心理カウンセリング面談を提供。その後、心理カウンセリングルームをサンディエゴ市に設立し、様々な保険会社の契約サイコロジストとして年平均1000件のカウンセリング面談を行う。現在、東京・銀座にあるインテグラルカウンセリングサービス代表。日本人プロフェッショナルをはじめ、海外在住経験者や外国人などを対象にカウンセリング面談を提供している。
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※この記事は書籍『フェアシンキング』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。

「自己肯定感」「自信」を持つことで自分が望む人生を創造できる

私は心理セラピストとして、アメリカと日本で約20年にわたり、さまざまな悩みや心の不調を抱える人たちに心理カウンセリングを行ってきました。

アメリカで臨床心理学博士号とカリフォルニア州のサイコロジスト(心理士)免許を取得後、2009年にカリフォルニア州サンディエゴで自分のカウンセリング・クリニックを開設し、年間平均1000件以上のカウンセリングを経験しました。2016年に日本へ帰国してからは、東京・銀座でカウンセリングを行っています。

日本へ帰国してからのクライアント(相談者)は、医師や弁護士、会社経営者や管理職など、いわゆるビジネスエリートの人たちが多く来られます。留学や駐在で海外生活経験のある人も、少なくありません。

ビジネスエリートのクライアントの中には、仕事に関しては極めて有能で、きちんと仕事をこなしているにもかかわらず、根本的なところで自分に自信が持てず、「自分を信じられない」「自分が何者なのかわからない」という得体の知れない不安を感じながら生活している人もいます。また、仕事を離れたプライベートの部分で、対人関係に困難を感じたり、生きづらさに悩んだりしています。

「自分を信じられない」「自分が何者なのかわからない」といった不安や自信のなさは、「自己肯定感」と深くかかわっている、と私は考えています。

自己肯定感とは、ありのままの自分を尊重して受け入れることであり、「自分に対する公平な評価」と言いかえることができます。自己肯定感の低い人、つまり、自分に対する評価がネガティブに偏っている人は、自分自身の人間としての価値を見出すことができず、自信も持てません。迷いや不安に翻弄されて、自分の望む方向になかなか進めません。困難に直面したとき、本来の自分の力を発揮することも難しくなります。

つまり、自己肯定感や自信を持てるかどうかが、迷いや不安とうまくつき合いながら、自分が望む人生を創り上げていくことを可能にする、といっても過言ではありません。

そして、第二次世界大戦後、最大の国難といわれている、新型コロナウイルス感染拡大も、自己肯定感の低下に大きな影響を与えています。この未曾有の事態に、不安で胸が押しつぶされそうになり、自信を保てなくなるかたも増えていることでしょう。

「フェアシンキング」は世界で最も科学研究されている心理療法がベース

では、どのようにすれば、今自分が直面している心の悩みや問題を解決しながら、自己肯定感や自信を育んでいけるのでしょうか。

その方法が、「フェアシンキング」です。

フェアシンキングとは、ネガティブに偏った思考を、客観的で中立的な方向から見直す思考法で、アメリカで広く心理カウンセリングの療法として用いられ、世界で最も科学研究されている「CBT(認知行動療法)」という心理療法をベースに、私が独自に考案したものです。

私たちはふだん、自分が直面した現実に対して、自分なりの解釈(現実の受け取り方やものの見方)をし、それが経験として記憶に残ります。その解釈が大きく歪んでいると、なんでもないことも否定的に受け止めてしまい、怒りや不安、無力感などネガティブな感情が湧いたり、適切な判断や行動が取れなくなったりします。

フェアシンキングでは、そうした歪んだ解釈に対して、自分の思考を客観的に見つめて、「自分を助ける解釈」を意識に植えつけていきます。これをくり返すことで、ネガティブに偏っている思考パターンが、次第に修正されていきます。

画像: 「フェアシンキング」は世界で最も科学研究されている心理療法がベース

フェアシンキングができるようになると、自分を追い詰める「ストレス思考」から解放され、イヤでしかたがなかったことが平常心で淡々とできるようになったり、他人から言われたことが気にならなくなったりします。また、不安や恐れ、怒り、焦り、イライラ、無力感、気分の落ち込みといったネガティブ感情や、習慣化している自己否定の思い癖を軽減することができます。

その結果、自分に対する自信や自己肯定感を取り戻せるのです。

日常的にフェアシンキングを行うクライアントは、心の安定を手にしたり自己肯定感が向上したりするなど、大きな成果を上げています。

困難な課題や新しい仕事に対して、「結果はどうであれ、今の自分にできるベストを尽くそう」と、前向きな気持ちで取り組めるようになった人。モヤモヤとした不安が消え、どんな場面でも自信を持って自分らしく振る舞えるようになった人。対人関係の苦手意識を克服し、楽な気持ちで良好な人間関係を築いていけるようになった人。

挙げるときりがありませんが、クライアントの皆さんが、それぞれ自分の抱えている心の悩みや問題を克服し、仕事でもプライベートでも自分らしい人生に向かって歩み始めています。

「自分を助ける思考」をくり返し自分に言い聞かせる

では、実際にフェアシンキングを行ってみましょう。

フェアシンキングのトレーニングは、以下の5つのステップからなります。

①「思考の仕分け」をして、自分が今いちばん解決したい問題に焦点を当てる

②問題に遭遇したとき、自分の頭によぎる「自動的な思考」を認識する

③「自動的な思考」に伴って湧いてくる自分の感情を認識する
(ここまでがトレーニング前の思考パターンの確認です)

④「自動的な思考」がフェア(客観的で公平)なものであるか見直して、それにかわる「自分を助ける思考」を考える

⑤考えついた「自分を助ける思考」を検証し、今の自分が受け入れられるものを選ぶ
→⑤をくり返し自分に言い聞かせ、実践する

①~⑤を決めたら、あとは、実際に問題のきっかけとなる出来事や状況に遭遇したとき、⑤で選んだ「自分を助ける思考」をくり返し自分に言い聞かせるのです。

フェアシンキングのトレーニングは、ワークシートを用いて行います。コピーして書いたり、表を書き写して使用したりしてもかまいません。記入例を参考に、書き出してみてください。

<記入例>

画像: <記入例>

<ワークシート表>

画像: <ワークシート表>

フェアシンキングで最も重要なのは、とにかく、くり返すことです。
問題となる「自動的な思考」が出そうになる度、その問題に関して嫌な感情がふっと湧き出る度に、即座に畳みかけるように「自分を助ける思考」をくり返し自分に言い聞かせます。これを行っていると、ある時点で、問題のきっかけとなる出来事や状況に遭遇したり、そのことを思い出したりしても、胸にふっと湧く嫌な感覚が出なくなっていることに気づきます。

最初のうちは「自分を助ける思考」になじめなくても、粘り強く何度もくり返し自分に言い聞かせ続けるうちに、意識の中に「自分を助ける思考」が根づいていきます。すると、同じような状況が訪れたとき、とっさに出る「自動的な思考」も次第に変わっていくのです。

たとえば、「新型コロナウイルスに感染したらどうしよう」という不安や危機感に悩まれている場合、

●ニュースで一喜一憂してもしかたがない
●極力外出しない、手洗い・うがいを念入りにするなど、今できる対策を徹底しよう

といった考えがご自身にとっての「自分を助ける思考」であるならば、これらをくり返し自分に言い聞かせましょう。

「自分はできる」「自分は生きている価値がある」と思える心が生まれる!

健全な自己肯定感を持っている人は、ポジティブな側面もネガティブな側面も含めて、ありのままの今の自分を受け入れて(フェアに評価して)、「自分はできる」「自分は生きている価値がある」といった考えを、意識的または無意識的に自分の中に持っています。

一方、自己肯定感の低い人は、こうした思いや思考になかなかなじめません。
しかし、自分のネガティブな側面ばかり見ようとする思い癖や、自己否定の思考パターンが出てくるのをフェアシンキングで抑えることによって、少しずつ自分のポジティブな面にも目が向くようになっていき、自己肯定感も高まっていきます。

さらに詳しい内容は『フェアシンキング』に書かれているので、ぜひご覧になってください。

フェアシンキングを実践すれば、ストレスに強い、柔軟で折れにくい心が生み出されます。連日の新型コロナウイルス騒動で疲弊している心にも、フェアシンキングは非常に有効です。皆さんが自信を育み、仕事や人生で望む成果を手に入れることを、心より願っています。

※この記事は『フェアシンキング』(マキノ出版)から一部を抜粋・加筆して掲載しています。詳しくは、以下のリンクからご覧ください。

画像: 【コロナストレス対策にも】不安、ストレス、プレッシャーに克つ思考法「フェアシンキング」とは?
自己肯定感が高まる最強の思考法
フェアシンキング
王丸典子(カリフォルニア州公認サイコロジスト・臨床心理学博士)
▼ビジネスエリートたちがこっそりと通うカウンセリングルームの「自信の作り方」を初公開!▼本書では、自分への自信や自己肯定感を高める思考法「フェアシンキング」の具体的なやり方を詳しく紹介。▼また、問題解決に向けて行動を起こせるようになった実例も多数収載しました。▼ビジネスエリートたちから絶大な信頼を寄せられる心理セラピストが提唱する思考法で、自信を育み、不安、ストレス、プレッシャーに打ち克ちましょう。

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