【ロボット掃除機の選び方】ルンバ以外にも注目!高性能ながら価格を抑えたモデルが続々登場

掃除機

ルンバやルーロなどのロボット掃除機の最上位機種は、常に一歩先を行く機能を搭載し製品水準を上げている。ここでは5機種、両シリーズの普及クラスにも注目して解説する。将来的にこの分野は、部屋間を自動で移動し、家の中の防犯や安全確認をするなど発展性も考えられるため楽しみだ。

目指せ!家電選びの達人今回は「ロボット掃除機」

新型コロナウイルスの影響で、在宅時間が増えている。家の中で快適に過ごすためにも、クリーンで気持ちのいい環境を整えたい。床掃除に関してはロボット掃除機が有効だ。自動で掃除ができ、時に、人間以上にきれいにしてくれる。そんなロボット掃除機の魅力を検証する。

監修者のプロフィール

中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。

新しい技術も次々に投入

部屋のマップを作成してより効率的に掃除をする

家庭用ロボット掃除機が、日本に上陸したのが2002年。自動で走り回って部屋を掃除するロボット掃除機は、当時はもの珍しい存在だった。

しかし、18年たった今では、「便利な家電」や「欲しいアイテム」として、世間に受け入れられている。そんな注目度が高く、前途洋々なイメージのあるロボット掃除機だが、実は、国内での普及率は10%に満たない。まだまだ拡大の余地があるジャンルでもあるのだ。

改めて、ロボット掃除機を導入するメリットを挙げると、第一は家事の時短・時産だ。スケジュールをセットしておけば、留守中に掃除をして、きれいに仕上げてくれる。忙しくて掃除に手が回らない人はもちろん、肉体労働が負担になる高齢者の助けにもなる。

また、ロボット掃除機の走行時は、人間が動いたときよりもホコリが舞い上がりにくく、小さなチリやホコリなどの捕獲率が高い

これも、長所の一つだ。キャニスター型やスティック型と比べると、床からダストボックスまでの距離が短く、少ないパワーで動くため音も静か。ペットを怖がらせずに掃除ができるなど、ロボット掃除機は、さまざまな面で理にかなっている製品といえる。

その進化もめざましく、次々に新しい技術が投入されている。最近のトレンドは、自動で地図を作るマッピング機能。マッピングには、空間認識技術のSLAMを使用し、本体に搭載したカメラやレーザーを使って、地図を作成する。

マップを見ながら、自分の現在地や掃除すべき場所を把握できるようになったことで、より効率的に掃除ができるようになった。

さらに、スマホアプリと連係できるのも最近の流れだ。スマホでは、外からの操作や、パワーやモードなどの細かい設定ができるほか、マッピング対応機種では、掃除をする部屋の指定も可能になった。

スマホにマップを表示して、「この部屋だけやっておいて」と指定したり、逆に「ここはダメ」と進入禁止エリアを設定したりなど、実用度がアップしている。

ロボット掃除機の注目機能

マッピング機能
人工知能の一種であるSLAMを使い、室内の地図を作成する。本体に内蔵したカメラやレーザーで、部屋の広さや家具の位置を正確に検知する。上位機種に搭載されることが多い。

各種センサー
障害物や壁を認知する超音波センサーや赤外線センサー、高さを検出する落下防止センサーなど、数々のセンサーを搭載。今回紹介するルーロは29個のセンサーを装備している。

ブラシの工夫
回転ブラシを搭載し、ゴミをかき出して吸引するモデルが一般的。中にはラバー製の回転ブラシ(ルンバ)や、2段ブラシ(ミニマル)を採用するモデルもあり、工夫が見られる。

水拭き機能
水拭きクロスを装着し、走行しながら床を拭いていく機能で、海外メーカーの製品に多い。吸い込み掃除と水拭きが一度にできて効率的。

自動ゴミ収集・圧縮
小さいダストケースを有効に使うため、集めたゴミを強い気流で圧縮する機能。また、充電ベースでゴミを自動収集するモデルもある。

スマホでコントロール
アプリと連係して、掃除スケジュールの管理や、掃除の履歴確認、掃除したい部屋の指定などが可能。リモコンとして操作できる機種もある。

ルンバとルーロが進化

D型フォルムの採用とロボット技術導入が新しい

そんな中、市場を牽引しているのは、アイロボットのルンバだ。最上位機種は、同社創業30周年のスペシャルモデル、S9+(エスナインプラス)。これまでにないD型のフォルムで、90度の角にもフィットし、苦手としていた部屋の隅までしっかり掃除する。

また、カーペットモードでは、普及機であるルンバ600シリーズの40倍の吸引力を実現するなど、掃除の精度を徹底的に上げてきた印象だ。

吸い取ったゴミの処理にもこだわりが見られる。充電のたびにルンバ内のゴミを自動収集する「クリーンベース」を用意。使用する密封型の紙パックには、S9+のダスト容器30杯分のゴミが格納でき、ゴミ捨ての手間を大幅に削減した。留守の間にハイレベルな掃除ができ、ゴミは数ヵ月に1回紙パックを捨てるだけ。ルンバが掲げる「人々を掃除から解放する」という命題に、かなり近づいたモデルだ。

ルンバ史上最大の吸引力と最高の掃除力を実現

アイロボット ジャパン
ルンバ 「s9+」

実売価格例:18万6780円

アイロボット社、創業30周年のスペシャルモデル。「ユーザーのニーズを本気でかなえる」をコンセプトに、ルンバ史上最大の吸引力と最高の掃除力を実現。

SPEC
●電源/充電式リチウムイオン●充電時間/約3時間●連続使用時間/最大120分●サイズ/幅312mm×高さ89mm×奥行き312mm●重量/4.0kg

本体裏面

密閉度が高く、吸引力に富むゴム製ローラーを採用。D型の直線部分に設置することで、部屋の角の掃除を強化した。

専用スマホアプリ

清掃開始時間のスケジュール設定ができるほか、進入禁止エリアを指定して、見えない壁が作れる。

ゴミ捨て・充電

クリーンベースに戻ると、充電と同時にゴミの自動収集を開始。紙パックは取り出すときにフタがされるので、ゴミに触れずに衛生的に捨てられる。


国内製品で人気が高いパナソニックのルーロは、ルンバにない展開を見せる。新製品では、千葉工業大学未来ロボット技術研究センター(通称:fuRo【フューロ】)と連携して、ロボット技術を積極的に導入。

精度の高いレーザーSLAMを採用したほか、段差を乗り越える際に本体を斜めに持ち上げる「アクティブリフト」や、人の足を認識して後ろをついていき、止まった先で掃除を始める「otomo(オトモ)」など、ユニークな機能を盛り込んだ。

特に、otomo機能は、本体を持ち上げて移動させる必要がなくなり、年配者に重宝する

これまでは三角形であることが目立った特徴だったルーロだが、「ロボ的」な持ち味が色濃くなり、キャラがさらに確立したといえる。

世界最高レベルのレーザーSLAM技術を採用

パナソニック
ルーロ 「MC-RSF1000」

実売価格例:16万9400円

世界最高レベルのレーザーSLAM技術を採用。精度の高いマップを瞬時に作るほか、360度センサーで広範囲に部屋を検知するため、走行中の障害物回避能力もアップした。

SPEC
●電源/充電式リチウムイオン●充電時間/約5時間●連続使用時間/約100分●サイズ/幅345mm×高さ99mm×奥行き330mm●重量/3.4kg

本体裏面

壁際や隅に強く、方向転換がスムーズな三角形状。吸込口とサイドブラシとの距離が近く、ゴミの取り逃がしが少ない。

ゴミ捨て・充電

集めたゴミは気流で圧縮し、0.25リットルのダストボックスに約5倍の量のゴミが集塵できる。

5時間の充電で約100分の連続使用が可能。

専用スマホアプリ

「ゴミマップ」が作成でき、ゴミがたまりやすい場所が確認できる。

特徴機能

本体を持ち上げるようにして段差を乗り越えたり、人の足を認識して後ろをついていったりなど、ユニークながら実用的な新機能を搭載。

多彩なアプローチがある

コンパクトボディや水拭き対応なども話題

業界をリードするこの2機種は、価格的にも高水準だが、手ごろな価格帯にも魅力的な製品が多く、さまざまなアプローチを見せている。

まず、ボディの小ささで勝負しているのが、日立ミニマルだ。直径30〜35センチの製品が多い中、ミニマルの直径は25センチ。椅子の脚の間にもスムーズに入り込めるサイズ感で、家具やモノが多い家での使用に適応する。

マッピング機能は持たないが、ゴミ圧縮機能や、自動ブラシクリーニング、ゴミセンサーなど、掃除に便利な機能を搭載。さらにソフトウエアのアップデートにより、ペットモードや夜間モードなどの新機能も追加している。

直径25センチの小型ボディで掃除しにくい場所もOK

日立
ミニマル 「RV-EX20」

実売価格例:7万1500円

小型化が難しいとされるロボット掃除機において、直径25センチのコンパクトボディを達成。家具の間やソファーの下など、掃除しにくい場所に入り込んで集塵する。

SPEC
●電源/充電式リチウムイオン●充電時間/約3時間●連続使用時間/最長約60分●サイズ/幅250mm×高さ92mm×奥行き250mm●重量/2.3kg

本体裏面

ゴミをかき出す回転ブラシと、綿ボコリをかき取る赤いブラシの2段構え。回転ブラシは充電ごとにクリーニング。

ゴミ捨て・充電

充電台に戻ると、自動でゴミを圧縮する機能を搭載。本体が小型のため、充電時のスペースもコンパクトで、じゃまになりにくい。

専用スマホアプリ

スマホでリモコン操作ができる。スケジュール予約や掃除履歴確認もOK

特徴機能

小ささを生かし、椅子の脚周りも念入りに掃除できる。10センチの高さがあれば、ベッドやソファーの下も清掃可。


中国のロボット家電メーカー、エコバックスOZMO(オズモ)は、吸引と水拭きが行えるハイブリッド型のロボット掃除機だ。本体には、給水タンクとモップシステムを装備し、前方半分で吸引をしながら後ろ半分で水拭き掃除が可能。

レーザーSLAM搭載で部屋のマッピングもできるので、丁寧な吸引&水拭き掃除が効率的にできるようになっている。それでいて、実売価格は7万円台前半だ。

本格的な水拭きと吸引掃除が同時にできる一台2役モデル

エコバックス
DEEBOT「OZMO 950」

実売価格例:7万1280円

本格的な水拭きと吸引掃除が同時にできる、一台2役のOZMOシリーズ最新機種。ロボット掃除機世界シェア2位のエコバックス製だけあり、製品レベルが高い。

SPEC
●電源/充電式リチウムイオン●充電時間/約5時間●連続使用時間/最長200分●サイズ/幅350mm×高さ93mm×奥行き350mm●重量/3.6kg

本体裏面

水色のモップを装着すると水拭きモードに自動切り替え。床認識センサーにより、水拭き時はカーペットを回避する。

ゴミ捨て・充電

ダストケースは、軽く持ち上げるだけで取り外し可能。ケースの口が大きく、ゴミが捨てやすい。

5時間の充電で最長200分稼働できる。

専用スマホアプリ

掃除の開始やタイマー予約、エリア指定などがアプリで行える。掃除状況を画面上で確認することも可能。

特徴機能

給水タンクの水をポンプで吸い上げる独自のOZMOシステムを搭載。水量を制御しながら本格的な水拭きを行う。


また、モバイルバッテリーメーカーであるアンカーの家電ブランド、「Eufy(ユーフィ)」のフラッグシップモデルも、吸引と水拭き掃除ができる2in1(ツーインワン)タイプ。こちらもレーザーSLAMでマッピングができ、5万円台という低価格を実現している。

高性能ながら、価格を抑えたモデルが増えていて、今後の市場拡大に大きく影響を与えそうだ。

手ごろな価格ながら最新の技術を多数搭載

アンカー
Eufy「 RoboVacL70 Hybrid」

実売価格例:5万4800円

実売価格例:5万4800円

SPEC
●電源/充電式リチウムイオン●充電時間/約4〜5時間●連続使用時間/最大150分●サイズ/幅355mm×高さ105mm×奥行き355mm●重量/4.0kg

本体裏面

%回転ブラシとサイドブラシを一つずつ装備。走行は小気味よくスピーディだが、走行音に雑音が混ざることも。

ゴミ捨て・充電

モップの水滴から床材を保護するため、充電ステーション用の防水パッドが付属。

充電時間は約4〜5時間、連続運転時間は最大150分。

専用スマホアプリ

水拭き時の水量調節がアプリで可能。マップでエリアの指定も行える。

特徴機能

モップ機能を装備。ゴミを吸引しながら拭けるほか、水拭きのみも可能。モップ禁止エリアはスマホで指定可能。

まとめ

ルンバやルーロの最上位機種は、気軽に買える価格帯ではないが、常に一歩先を行く機能を搭載し、製品水準を上げている。

両シリーズには、普及クラスのラインアップもあるので、そちらにも注目したい。

なお、部屋間を自動で移動できるロボット掃除機は、将来的には家の中の防犯や安全確認など、掃除以外の発展性も考えられる。本業の掃除も含め、今後どう進化していくかが楽しみなアイテムだ。

※価格は記事作成時のものです。

解説/中村剛
取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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