【むくみを解消】きゅうりの食べ方は「加熱」がおすすめ 体を冷やさずダイエットにも最適

美容・ヘルスケア

焼きキュウリは、シンプルですがよい食べ方です。焼いたり煮たりしても、キュウリの利尿作用は変わりません。また漢方では、血液循環、新陳代謝が悪くなり、病気の原因になると考えられている、体を冷やす作用も弱まります。【解説】池田好子(薬膳研究家・日本薬局製剤研究会講師)

解説者のプロフィール

池田好子(いけだ・よしこ)

昭和12年鹿児島県生まれ。薬膳研究家。日本自然療法学会常任講師。東京如水会会長。日本薬局製剤研究会講師。薬膳、温野菜を中心とした食事療法の大切さを説き、自身でレシピ考案も行う。セミナーなどでの講演多数。著書に『野菜がからだに効く!-この食べ方が自然治癒力を高める』(家の光協会)など。

加熱しても利尿作用は変わらない

[別記事:血流向上!水太り解消!HOTキュウリレシピ→]

私は、子供のころから体が弱く、腹膜炎になったり、リウマチになったりと病気ばかりしていました。結核にかかって、療養生活を送ったこともあります。治療のための化学薬品の影響で、胃けいれんに襲われる毎日が嫌でした。

そんなときに、出合ったのが、漢方です。漢方医学を学んで健康を取り戻して以来、漢方の勉強を続けながら、薬膳研究家としても活動をするようになりました。80歳になる現在も、薬膳のセミナーなどを行っています。

さて、皆さんが日常的にお食べになっているほとんどの食材には、「体を温める」「体を冷やす」「余分なものを排出する」など、さまざまな作用があります。

それぞれの食品の薬理作用を上手に活用することで、病気の予防・改善に役立てることができます。これが、中医学に基づいた薬膳の考え方です。

そして薬膳では、食べ物をそれぞれ「四気」、すなわち、「温・熱・涼・寒」という、四つの性質に分類しています。大まかにいえば、食べ物を、体を温める「温熱性」の物と、身体を冷やす「寒涼性」の物に分けるのです。

今回お話する「焼きキュウリ」は、シンプルですがよい食べ方です。焼きキュウリにして食べることで、以下の三つの利点が生じると考えられます。

一つめは、利尿作用によって、むくみや水太りの解消が見込める点です。

キュウリは、四気でいえば、「涼性」に分類されています。体内の水はけをよくして、体にこもった熱を取り、冷ます性質があると考えられてきました。

薬膳でいえば、キュウリは、体がむくんでいる人や、熱っぽい人などに勧められる物です。また、疲れやだるさを取り除くのにも役立つとされています。

栄養学的にいえば、キュウリの95%は水分です。栄養素は多くはないものの、水分の代謝を促すカリウムが多く含まれています。その量は、1本(100g)当たり、200mg。これはかなり多量です。

カリウムは、細胞内の余分な水分を腎臓に集める働きがあります。加えて、カリウムによって腎臓に運ばれてきた水分を、尿として体外へ排出するシトルリンという成分も、キュウリには豊富です。

キュウリは、この相乗作用によって、体内にたまった水分を出すのに最適な野菜といえるのです。

しかも、加熱することによって、カリウムも、シトルリンも壊れたり、流れ出したりすることがありません。焼いたり煮たりしても、キュウリの利尿作用は変わらないのです。

加熱することで体を冷やす作用が弱まる

二つめはかさを減らすという点です。

火を通すことによって、かさが減ると、たくさん食べることができるようになります。キュウリを多く食べることで、ほかに食べる食材が減って、ダイエット効果が期待できるでしょう。

こうした効果を望むには、まず食前に焼きキュウリを食べるのがお勧めです。

三つめは、体を冷やすというキュウリの欠点が薄れる点です。

日本では、キュウリは、サラダとして生のまま食べたり、漬け物にして食べたりすることが多いと思いますが、中国では少し違います。暑さが盛りの時期には、生で食べますが、それ以外は、加熱して食べるのが一般的です。

なぜなら、キュウリが持っている体を冷やす作用は、漢方では、あまりよいとは考えられていないからです。体が冷えれば、血液循環が悪くなり、新陳代謝も悪化します。それが、病気の原因になる恐れもあります。

そうした四気でいうところの寒涼性が、焼いたり、温熱性の食品をいっしょに食べたりすることで弱まります。逆に、体を温める効果まで見込めます。

このように、焼きキュウリは、いいことずくめ。シンプルな焼きキュウリ以外にも、キュウリの中をくりぬき、ひき肉やツナ、カニなどを詰めて蒸してもおいしくいただけます。葛粉を混ぜて、簡単なスープを作るのもお勧めです。

ぜひ皆さんも、焼きキュウリをお試しになってはいかがでしょうか。

焼きキュウリの健康効果

【食べ方】
キュウリを焼く、煮る、蒸すなど、加熱調理をして食べるだけ。
利尿作用
ダイエット効果
体を冷やさない
※キュウリは1日1本を目安に食べる
※キュウリを細かく切ると熱が通りやすい

[別記事:血流向上!水太り解消!HOTキュウリレシピ→]

この記事は『壮快』2020年6月号に掲載されています。

www.makino-g.jp

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