【野鳥撮影のカメラ道具】超望遠レンズ専用のカメラバッグが超便利!飛行機好きにもおすすめ

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100万円超えるような超望遠単焦点600mmF4などには、望遠レンズ+カメラ本体専用カメラバッグが用意されていますが、150-600mm、200-600mmといった普及率の高い超望遠ズームレンズ+カメラ本体専用といったカメラバッグはほとんどありませんでした。そんな多くの望遠撮影愛好家が使う超望遠ズームレンズ専用カメラバッグとして登場したのが、Kenko aosta Sanctuary(サンクチュアリ)III RK260です。今回は、ちょっとマニアックですが、非常に便利な超望遠ズームレンズ専用カメラバッグの詳細を紹介します。バードウォッチングや飛行機撮影が趣味の方におすすめです。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータ元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラバッグなどのカメラアクセサリー、車中泊グッズなどの記事も執筆している。目下の悩みは月1以上のペースで増えるカメラバッグの収納場所。

超望遠でしか撮影しないなら、ほかの機材はいらない

Kenko aosta Sanctuary(サンクチュアリ)III RK260

みなさんは、普段使うバッグをいくつお持ちですか? 仕事のときに使うバッグに、プライベート用、さらには趣味のときに使うバッグなど複数のバッグを使いわけているのではないでしょうか。女性はもちろん、男性でも、その日のファッションに合わせて変えているという方も珍しくないと思います。では、カメラバッグはいくつ持っていますか。

ひとつ、多くてもふたつくらいでしょうか。もっとも多い方もいるでしょう。持っていく機材に合わせて、使いわけているという方はプロやハイアマチュアレベルといえます。多くの場合、大きさやバッグの種類、リュックやショルダーバッグなどで使いわけるのが一般的です。しかし、意外と望遠ズーム1本しか使わないというシーンに対応したカメラバッグはほとんどありません。

今回紹介するKenko aosta Sanctuary(サンクチュアリ)III RK260(以下、Sanctuary III RK260)は、そんな望遠レンズ一本勝負のシーンに特化したユニークなカメラバッグです。

写真でみるとはっきりしますが、Sanctuary III RK260にはカメラ本体と装着した望遠レンズしかほぼ入りません。

思う以上によくある「望遠レンズ一本勝負」のシーン

望遠レンズしか使わないシーンなんて、そんなにあるの? という方も多いでしょう。
しかし、実際に撮影していると、超望遠一本だけの撮影シーンは意外とあります。筆者の場合は、例えば空港周辺で飛行機を撮るときや、近くの公園の林間コースを歩いて鳥やエゾリスなどを撮影するシーンでは、基本的に望遠ズームしか使いませんし、特に林道を歩く撮影では、少しでも荷物が軽いほうが機動力も増し、撮影にも集中できるので、望遠ズーム1本と装着したカメラボディ、記録メディアや予備バッテリーなどのアクセサリーが運べれば十分です。

実は、野生動物や飛行機、野鳥などを撮影するプロ・ハイアマチュアレベルのユーザーのために、超望遠レンズと装着したボディ、そしてアクセサリーのみを収納するカメラバッグはいくつか存在します。

例えば、Sanctuary III RK260と同時に発売されたKenko aostaSanctuaryIII RK650や、VANGUARD ALTA SKY 66、Lowepro レンズトレッカー 600 AW IIIなどがありますが、どれも実勢価格が100万円を超えてくる600mmF4クラスの超望遠レンズにカメラボディを装着したまま収納するという極めてハイエンド向けの商品です。

現在、一般ユーザー向けの超望遠ズームといえば、サードパーティー製では、SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary、SIGMA 100-400mm F5-6.3 DG DN OS | Contemporary、TAMRON SP 150-600mm F/5-6.3 Di VC USD G2といった、実勢価格10万円台前半のレンズや、カメラメーカー純正でもNikon AF-S NIKKOR200-500mm f/5.6E ED VR、Sony FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS、Canon EF100-400mm F4.5-5.6L IS II USMといった、比較的リーズナブルなモデルが普及しています。

しかし、これらの望遠ズームレンズ1本とボディ+アクセサリーだけを持ち運ぶのにぴったりといえるカメラバッグは、ほとんど存在しませんでした。
Sanctuary III RK260は、これらの一般ユーザー向け超望遠ズームとカメラ本体を持ち歩くのにぴったりのカメラバッグといえます。

Kenko aosta SanctuaryIII RK650(写真:左)、600mmF4クラス専用のカメラバッグと並べたSanctuary III RK260(写真:右)。大きさが完全にひとまわり違います。

一般的な望遠ズームをほぼ収納できる設計

Sanctuary III RK260に収納するレンズとカメラとしてメーカーが想定しているのは、Sony FE 200-600mm F5.6-6.3 G OSS(最大径約111.5mm×長さ約318mm、質量約2,115g)に、1.4X テレコンバーター SEL14TC(最大径約62.4mm × 長さ約17.2mm (マウント基準))を装着し、Sony α7R IV(幅約128.9mm×高さ96.4mm×奥行77.5mm)に縦位置グリップのVG-C4EM(幅約128.9mm×高さ約52.7mm×奥行約67mm)を付けた状態なので、全体サイズは長さ約41cmで13cm×13cm程度の大きさのレンズ+ボディは比較的余裕をもって収納できます。

試しに、SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | Contemporary(最大径約105mm×長さ約260.1mm)+Canon EOS 6D Mark IIという、大ぶりの一眼レフと150-600mmの望遠ズームを入れてみましたが、まったく問題なく収納できました。
それどころか、かなり余裕があるので、一般的な望遠ズームはほぼ問題なく収納できそうです。Sanctuary III RK260の内寸は幅約190mm×奥行約150mm×高さ約440mmなので最大径12cmクラスのレンズでも十分に収納できる設計になっています。

SIGMA 150-600mm F5-6.3 DG OS HSM | ContemporaryにCanon EOS 6D Mark IIを装着しままSanctuary III RK260に収納したところです。

最小限のアクセサリーを快適に持ち歩く工夫

Sanctuary III RK260は、150-600mmや200-600mm、100-400mmといった普及率の高い望遠レンズをボディに装着したまま、それだけで撮影するのにぴったりのバッグです。そして同時に、望遠撮影時に必要な最低限のアクセサリーを収納して快適に持ち歩けるように工夫されているので、細部をみていきましょう。

双眼鏡をいれることを想定した左サイドポケットです。深さがあるので、筆者は双眼鏡を入れないときはブロアーを入れています。

右サイドには三脚や一脚などが取り付けられるようにストラップとポケットが用意されています。

右サイドのポケットはファスナーでマチが調整できる構造なので、三脚などを取り付けないときは、ペットボトルを入れるのにも使えます。

リュック背面には左右からアクセスできる大型のポケットが装備されており、中はそれぞれが独立しているので小物の整理に便利です。

リュックの上部には小さめのポケットが付いており、中には付属のレインカバーを収納でき、急な雨などから機材を守ることができます。

小型ながら持ち歩きやすい工夫

大型の望遠ズームレンズを背負って、被写体を探して歩き回ることを考慮しているので、利便性とクッション性を保ちながらもSanctuary III RK260はグリーンカモフラージュ(GRCF)で約1,440g、ブラックカモフラージュ(BKCF)で約1,280gと軽量に設計されています。また、基本的に大型のズームレンズとカメラ本体を収納することに特化しているので、カメラリュックとしてはさほど大きくない容量10Lですが、持ち歩きやすいように工夫が凝らされています。

背負ったときに背中に当たる部分には、通気性も考慮して3つのパーツに分かれたクッション材が配置されており、快適の機材を運べます。

クッション性のあるショルダーストラップと、さらにチェストストラップとウエストベルトもしっかりと装備されています。

リュックの背中に当たる部分も開閉できる構造で、10インチクラスのタブレットが収納できるようになっています。

メイン収納室にも使いやすい工夫

カメラ機材をギチギチに詰め込むタイプのカメラバッグではないのですが、背負って歩く時間が長くなることを考慮した背中に当たる部分のクッションやウエストベルトやチェストストラップなどがしっかりと装備されています。また、望遠ズームレンズとボディを収納するメイン収納室についてもみていきましょう。

メイン収納室を開けるとフタとなっている部分の裏側にふたつのメッシュポケットが装備されています。記録メディアケースなどを入れるのに便利です。

レンズとボディはメイン収納室のなかで2本のストラップで固定される状態で収納されます。かなり安定した状態です。

内部には面ファスナーで装着位置を変更できるアクセサリーポシェットも用意されています。少し厚みのあるアクセサリーは、ここに入れると便利です。

まとめ

地面と接触する底面には倒れづらいように、しっかりとゴム製のパーツが取り付けられ安定性を確保しています。

超望遠ズームで撮影するすべてのユーザーのおすすめしたいバッグ

Sanctuary III RK260は、実勢価格16,000円前後と決して安価なカメラバッグではありません。当然その分品質も高いです。超望遠レンズ1本とボディだけを入れるカメラバッグなんて、そんな使わないと思う人も多いでしょう。
しかし、実際のところ、ダブルズームキットの55-200mm、70-300mmなどといった望遠端200〜300mmクラスのエントリーレンズが物足りなくなり、望遠端で400〜600mmの超望遠ズームは、選ぶレンズにもよりますが、中古なら10万円以下、新品でも10万円程度から手に入る時代です。
さらに、それでなにを撮るかにもよるのですが、超望遠での撮影にハマると、超望遠ズーム以外は使わない撮影シーンが増え、ほかのレンズを持ち歩くのはもちろん、望遠ズームを入れるためだけに大きなカメラバッグを持って歩くのが嫌になります。筆者は実際、先シーズンの冬、150-600mmとカメラ本体だけを入れて、エゾリスを探し求めて雪の公園のなかを歩くためのちょうどよいカメラリュックがなく、ほかの目的用のバッグにクッション材を入れて、自作したカメラリュックを使っていました。ハイエンドの600mmF4単焦点クラス用カメラリュックはあるのですが、一般的な超望遠ズームには大きすぎます。

ケンコー aosta 望遠レンズ専用カメラリュック Sanctuary III RK260 10L ブラックカモフラージュ AOC-ST3RK260BKCF
200-600mmの超望遠レンズをカメラに装着したまま収納できる、「超望遠レンズ専用」カメラリュック
フラップが下まで開く、ワイドオープン方式で出し入れがラクラク。
双眼鏡や単眼鏡などを収納できるサイドポケットを装備。
11インチクラスのPCや一脚の収納スペースなど、充実の収納力。
【製品仕様】外寸:(W×H×D):210×480×230mm/内寸:(W×H×D):190×440×150mm/重さ:ブラックカモ=1,280g、グリーンカモ=1,440g/容量:10L/主な材質:ポリエステル、TPU
¥15,120
2020-11-16 12:21

Sanctuary III RK260は、望遠端200〜300mm入門望遠ズームを卒業し、望遠端400〜600mmクラスの超望遠ズームで撮影を楽しむ多くの方がほしくなるように設計されたカメラバッグです。「そうなんだよ、そういうバッグがほしかった」という方には、すぐに使ってほしいカメラバッグですし、「本当にそんなバッグ使うの?」と思った方には、ぜひそういったカメラバッグがあることを覚えておいてもらうと、望遠端400〜600mmクラスの超望遠ズームを購入したときに、きっとほしくなると思います。
Sanctuary III RK260は、望遠端200〜300mmといった入門クラスの望遠レンズを卒業し、望遠端400〜600mmクラスの超望遠ズームで撮影を楽しむすべてのユーザーのおすすめしたい、よくできたバッグです。

文・写真/齋藤千歳

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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