外部ディスプレイの活用がテレワーク成功のカギ
オフィスのPC環境を自宅でも揃えたいが…
在宅勤務によるテレワークスタイルが定着した昨今、自宅で仕事をすることが当たり前になった。オフィスと自宅でのワークスタイルは、さまざまな点で異なる。勤務先によっても違ってくるが、オフィスと同等のPC環境を、自宅に揃えることはなかなか難しいはずだ。
ノートPCは画面が狭い
オフィスでは強力なデスクトップPC+大画面ディスプレイで仕事していたけど、そのデスクトップを自宅に持ち帰るわけにもいかず、業務で持ち歩いていたノートPCで在宅勤務をこなしている、という人は多い。
この場合、ノートPCが小型・軽量なモバイル向けであればあるほど、不便さ、物足りなさを感じるのは、画面の広さと、それに伴う資料の一覧性ではないだろうか。ノートPCは、物理的にサイズが小さいため、どうしても画面サイズも小さくなる。大きなExcelシートを作ったり、複数の資料を同時に開いたりといったときに、画面スクロールやウィンドウの切り替えを繰り返すことにストレスを感じてしまうのだ。
外部ディスプレイをつなげよう!
自宅のPC環境を改善したい、そんな人にぜひおすすめしたいのが、ノートPCに「外部ディスプレイ」をつなげることだ。最近のノートPCは、とても簡単に単体のディスプレイをつなげることができ、広い画面をすぐ活用できる。

ノートPC(Macbook Pro 13inch:左)にViewSonicの「VX3211-4K-MHD-7」をHDMIで接続したところ。画面の大きさがよく分かる。
「4K」は仕事でも役立つ
ディスプレイ選びのポイント
「ディスプレイなんてどれでも同じ。特にこだわりはないから、価格は安ければ安いほどいい」
そう考える人は意外と多い。しかし、「オン」と「オフ」が緩やかに切り替わる、これからのテレワーク時代は、その考えは誤っている、ということに気づくだろう。ディスプレイのスペックが、仕事効率にも、ひいてはプライベートの質にも直結するのだ。
「ディスプレイ選び」で、まず気にするべき点は、「画面サイズ」と「解像度」である。
画面サイズは「物理的なサイズ」で、解像度は、「画面内にどれだけの情報を表示できるか」を示している。同じ画面サイズでも、解像度が異なる場合は、解像度が高いディスプレイのほうが多くの情報を表示できる、わかりやすく言い換えると、画面上にたくさんのウィンドウを重ねずに並べられる。つまり、解像度の高いディスプレイは、仕事のドキュメントを同時に複数開くことができ、閲覧や編集もしやすい、ということだ。
4Kディスプレイとは
今回、私が試用したViewSonic(ビューソニック)社の外部ディスプレイ「VX3211-4K-MHD-7」は、「31.5型ワイド」と、大画面の製品だ。解像度は、「4K Ultra HD(4K UHD)」に対応した、いわゆる「4Kディスプレイ」と呼ばれるタイプだ。
「4K」というとテレビを思い浮かべるかもしれないが、解像度「3840×2160」の4K放送をそのまま映せるスペックの、超高解像度ディスプレイである。少し前のテレビは、フルHD「1920×1080」が規格で、4Kはなんと、その4倍もの情報量を表示できる。

フルHD(1080p)にくらべ、4K UHDでは表示できる情報量が4倍となる。
www.viewsonic.comノートPCの内蔵ディスプレイは、今でもまだフルHD対応で、製品によっては「1366×768」止まりだったりすることを考えると、4Kディスプレイにつなぐと、いかに一覧性が上がるか、想像できるだろう。「4K」という言葉は、エンターテインメントを連想させるが、ビジネス用途でも大きなメリットがあるのだ。
ある程度のサイズが欲しい
また、解像度が同じ場合、(ある意味当然だが)画面サイズによって、実際の表示サイズも変わってくる。具体的には、小さいディスプレイだとウィンドウが小さく、文字も小さく表示され、場合によっては文字が読みづらい、ということもあり得る。現在は、「コンパクトな4Kディスプレイ」という製品もあるが、文字を読むことが必須のビジネス用途では、ある程度のサイズが必要といえよう。「31.5型の4Kディスプレイ」というのは、デスク上に設置して複数のウィンドウを開き、資料を読む、ということに、さまざまな点でバランスがいいサイズだろう。

VewSonicの31.5型ワイドディスプレイ「VX3211-4K-MHD-7」。
www.viewsonic.com一台で「仕事」も「ゲーム」も「動画」も快適に
HDMIとDisplayPort、多彩な入力端子を搭載
実際に、ノートPCと外部ディスプレイをつなぐときは、ノートPCに搭載された映像出力端子をチェックしよう。最近のノートPCであれば、テレビやレコーダー、ゲーム機などでもおなじみ「HDMI端子」が標準的に用意されているはずだ。
「VX3211-4K-MHD-7」には、「HDMI2.0」×2系統+「DisplayPort」と、合計3系統の映像入力端子を搭載。HDMI搭載のノートPCとは、HDMIケーブルをつなぐだけで外部ディスプレイとして認識される。

3系統の映像入力端子は本体背面右側に集中している。コネクタは下向きに配置されているので、壁に寄せて設置するときもケーブルが邪魔にならない。右端のミニプラグはヘッドホン出力だ。
選べる外部ディスプレイの動作
ノートPCに、外部ディスプレイをつないだときの動作は、主に二つ。
本体ディスプレイに、2台めのディスプレイを追加したように、画面を拡げて使える「拡張」と、本体ディスプレイと同じ画面を「ミラーリング」して表示する「複製」がある。システム上の表現が多少異なるが、WindowsとMac、どちらでも同様の使い分けが可能だ。
「複製」で使うなら、ノートPCの画面を閉じ、外部キーボード&マウスをつないで操作する設定もできる。拡張でも、複製でも、「ディスプレイ」と「ノートPC」の配置によって、使いやすいパターンを選べばよいだろう。今回は、主に「拡張デスクトップ」として使ってみたが、本体ディスプレイでは一つしか開けず、タブを切り替えて使っていたChrome(ブラウザ)が、4Kディスプレイ側では、無理なく2つ、3つと並べられる。情報量の多さは圧倒的だ。

外部ディスプレイを拡張領域として利用した例。二枚のディスプレイは仮想的に繋がっていて、外部ディスプレイの左端にマウスポインタを動かせば本体ディスプレイ側へと移動する。キーボードは好みで、内蔵キーボードも外部キーボードもどちらでも使える。

内蔵/外部ディスプレイ設定の一例。両方のディスプレイにまったく同じ画面を表示する「ミラーリング」も選べる。今回は例としてMacを使っているが、Windowsでも基本的には同じように設定できる。
複数PCでも活用できる
もちろん、本製品はノートPCだけではなく、デスクトップPCとつなぐこともできる。高性能なグラフィック性能を備えたデスクトップ機のように「DisplayPort」出力を備えたPCなら、そちらを活用してつないでもよい。ノートPCとデスクトップPC、2台のノートPCなど、複数のパソコンを1台のディスプレイにつないで、切り替えつつ使うことも可能だ。
圧倒的な4K画質のコンテンツが楽める
Amazon「Fire TV Stick 4K」で4K映画を!
前述したように、外部ディスプレイは、テレワークの業務効率アップに役立つことは間違いないが、これだけ高品質なディスプレイが自宅にあるのに、仕事にしか使わないのはもったいない。プライベートの時間は、エンターテインメントにも活用してしまおう。
「VX3211-4K-MHD-7」で4Kコンテンツを楽しむには、いくつか方法がある。
Amazonの「Fire TV Stick 4K」は、Wi-Fi環境があれば、ディスプレイやテレビのHDMI端子に挿して、Amazon Prime Videoの動画配信を手軽に楽しめる端末だ。現在のPrime Videoは、まだ一部ではあるものの、4K映像で配信されている作品もあり、「VX3211-4K-MHD-7」のような4Kディスプレイで再生すると、本来の高画質のままに映せる。HDMI端子が2系統あるので、PCと同時に挿せるのも本製品のメリットだろう。

「VX3211-4K-MHD-7」はNTSCカバー率86%、NTSC比95%に対応し、動画や写真で鮮やかな色彩表現を可能としたディスプレイだ。
www.viewsonic.comPrime Video、Netflix、huluの4K映像が見れる!
実際に、Prime Videoで4K配信作品を再生してみると、フルHDテレビ+非4Kの「Fire TV Stick」で見ている映像に比べ、「パキッ」と鮮明で、細部まで鮮明に表現された映像に圧倒された。さらに、「VX3211-4K-MHD-7」は、映像の「暗い部分」と「明るい部分」の差を鮮明に表現できる「HDR10」にも対応しているため、暗部表現も潰れることなく楽しめ、映画向きといえよう。Prime Videoでも、HDRコンテンツが配信されている。
「4Kテレビに買い替えるほどではないが、気軽に配信サービスで4K作品が楽しめるなら、ちょっと試してみたい」という人もいるはずだ。そんな人にはまさに最適。「Fire TV Stick 4K」では、Prime Videoだけでなく、さまざまな4Kコンテンツが配信されている。Netflix(ネットフリックス)やhulu(フールー)、YouTubeも同様に楽しめ、おすすめだ。

「VX3211-4K-MHD-7」のHDMI端子に、「Fire TV Stick 4K」を挿し、Prime Videoで配信されている4Kコンテンツを再生。

Prime Viedoでは4K(Ultra HD)作品に加え、HDR対応コンテンツも配信されている。
「ViewMode」で常に最適な映像をセレクト
「仕事」「ゲーム」「映画」…シーンに合わせ素早く切り替え
そもそもディスプレイという機器は、自分の好みや設置環境、表示するアプリケーションやコンテンツの性質に合わせて、コントラストや明るさ、色温度といった設定を調整することが望ましい。
「VX3211-4K-MHD-7」でも、もちろん多彩な調整項目が用意されているが、「ゲーム」や「映画」「ウェブ」など、6種類のプリセットモードから選んで、最適な画面環境を、誰でもすぐに設定できる、ViewSonic独自の「ViewMode」を搭載。仕事とゲームなど、使用シーンに合わせて素早く切り替えることが可能だ。

6種類のプリセットから選び素早く設定を替えられるViewMode。
目に優しいディスプレイ
「オン」と「オフ」どちらでも使えるディスプレイだけに、長時間画面を見ていると、目の疲れも気になるところ。
「VX3211-4K-MHD-7」は、ViewSonic独自の「アイケアテクノロジー」を盛り込み、画面のチラツキがないフリッカーフリー技術と、効きを調整可能な、「ブルーライトフィルター」を搭載することで、目に優しいPC環境を実現できることも特徴だ。

ViewSonic独自のアイケアテクノロジーを搭載。
www.viewsonic.comPCワークしながらゲーム機の画面を映し待機
そのほか、広い画面の一部に、他入力系統の画像を「小窓」のような小さい画面で映せるのが、「PIP」(Picture-In-Picture)機能だ。PCワークしながらゲーム機の画面を映して待機する、といった使い方もできる。また、テレワーク中のウェブ会議には必要不可欠な、ヘッドセット等を掛けられるフックも付属。使わないときに、掛けておくといいだろう。

小画面に他の入力系統の映像を映せるPIP機能。
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背面側にはヘッドホンやヘッドセットなどを掛けられるフックを用意。
このように、ViewSonicの「VX3211-4K-MHD-7」は、テレワーク時代の心強いパートナーとして、使い勝手にこだわり、さまざまな機能が盛り込まれたディスプレイとなっている。
まとめ
画面が小さなモバイルノートPCであっても、外部ディスプレイをつなげば、広い画面で多くのウィンドウを開ける。ViewSonicの「VX3211-4K-MHD-7」は、4Kディスプレイ、31.5型ワイドという大画面、「3840x2160」という、超高解像度を手頃な価格で実現。テレワークで作業効率を上げるにも最適な製品となっているが、プライベートの動画視聴でも活用できるなど、オンとオフの両面で活躍する4Kディスプレイだと断言できる。

VX3211-4K-MHD-7
4K/HDR対応 広色域パネル搭載 31.5型ワイド 液晶ディスプレイ
◆大坪知樹
オーディオやPCといった記事を多く手がけてきたが、ガジェットはもちろん白物家電、クルマ・バイク、模型や玩具、時計に服・靴など基本的にモノが好きな物欲系フリーランスライター。