【2020年版・冷蔵庫の選び方】巣ごもりで需要拡大!アクア、シャープなど注目6社の最新モデルを比較

冷蔵庫

最新モデルの冷蔵庫は、急速冷凍&冷却など、新鮮にキープできる機能が充実している。ここでは、注目6社のアクア「AQR-VZ46J」とシャープ「SJ-AF50G」、東芝「GR-S600FZ」、パナソニック「NR-F656WPX」、日立「R-KX57N」、三菱電機「MR-MX57」を解説する。

目指せ!家電選びの達人今回の家電は「冷蔵庫」

急速冷凍&冷却など、新鮮にキープできる機能が充実。野菜室の位置も、選択基準に

巣ごもり需要で調理家電の売れ行きが大きく伸びたが、同様に存在感を示しているのが冷蔵庫だ。まとめ買いした食品のおいしさを新鮮にキープする冷蔵庫は、豊かな食生活を支え、生活の質の向上に貢献する。最新の6機種をもとに、今の冷蔵庫の実力を見てみよう。

監修者のプロフィール

中村剛
「TVチャンピオン」スーパー家電通選手権で優勝の実績を持つ家電の達人。家電製品総合アドバイザー、消費生活アドバイザー。東京電力「くらしのラボ」所長。現在、暮らしに役立つ情報を動画(Facebook)で配信中。

巣ごもりで冷蔵庫が活躍

長期の鮮度保存が可能になり、まとめ買いも安心

外出の自粛要請による巣ごもり期間は、食材のまとめ買い傾向が高まり、改めて冷蔵庫の役割が注目された。大量に買い込んだ食材を、ロスを出さず、いかに上手に使いきるかが課題となったが、それも、高性能な冷蔵庫があれば、容易かつ快適に行える。

最近の上位モデルでは、冷凍直前の温度帯である「チルド」(約0〜3℃)や、半冷凍の「パーシャル」(マイナス3℃前後)機能が標準装備され、鮮度や栄養価を保ちながら、食材を長もちさせることが可能だ。

買ったときと同じような鮮度が、チルドでは3~5日、パーシャルでは7日ほど保てるため、まとめ買いの際にためらいがちな刺し身などにも、気兼ねなく手が伸ばせる。

野菜室は、冷蔵室と同程度の約2〜5℃だが、密閉構造で高い湿度を保ち、野菜の乾燥を防いでいる。さらに、LED光を照射してビタミンCをアップさせたり(三菱)、プラチナ触媒を利用して栄養の減少を抑えたり(日立)など、さまざまな工夫を凝らすことで鮮度や栄養価をキープ。野菜のまとめ買いも、安心してできる。

なお、最新の冷蔵庫は省エネ性も高く、電気代の心配が少ない。今回、最も大容量のパナソニック機でも年間の電気代は約7830円(パナソニック・NR-F656WPXの年間消費電力量は290kWh。電気料金の単価を27円/kWhとして、「290×27=7830」で、年間の電気代は、約7830円。)で、1ヵ月換算では約653円となる。全体に省エネ性は進化しているので、ゆったりした気持ちで使ってほしい。

冷蔵庫選びの
チェックポイント

●年間消費電力量
年間の電気代は、各製品の「年間消費電力量」に1キロワット時当たりの電気料金を掛けると算出できる。1年じゅう運転しっぱなしの冷蔵庫は、使用電力量が安定しており、実態に近い値がわかる。

最小必要設置スペース(単位mm)

※東芝のWebサイトより引用

●設置スペース
本体サイズはもちろん、ドアを開くスペースも考慮。1枚ドアの場合は、開く方向も決めておきたい。また、設置場所までの経路や、搬入口の広さも確認しておくと、トラブルが少ない。

●各室のレイアウト
特に、野菜室が引き出し室の上段か下段かがポイント。最近は、かがまずに重い野菜を出し入れできる上段を野菜室にしたモデルが増えている。日立では、上段と下段の切り替えが可能。

調理のサポートにも一役

食材のダメージを抑え、調理しやすい状態で保存

上位モデルは、冷凍室も優秀で、質の高いホームフリージング(自宅で食品や料理を凍結させて保存すること)が可能だ。最近は、解凍して調理するときのことを考慮し、”おいしくて、調理しやすい冷凍”に注力が見られる。

おいしさの面では、食品内の水分が凍りやすい温度帯を素早く通過させる「急速冷凍」で、食品細胞へのダメージを抑制。肉や魚はもちろん、下ごしらえした食品や作り置きの料理も質よくストックできる。しかも、料理やご飯が熱々の状態からでも冷凍できるため、冷凍室への入れ忘れを防げるうえ、時短にもつながっている。

また、カットした葉物野菜も、ゆでずにバラバラな状態でフリージングできるので、調理の際に必要な分だけ取り出して、そのまま火にかければOK。自炊が増え、調理の効率化が求められる昨今、このスタイルは重宝する。

ただし、質よく冷凍しても、冷凍室に入れっぱなしにしては、食品から水分が抜けて霜だらけになることがある。そこに注目したのが、シャープアクアだ。シャープは、霜取り運転前やドア開閉後に冷気を増やすことで、アクアは開閉式のフタで暖気を封じることで庫内温度の上昇を防ぎ、霜の付着を抑制。長期間でも、質を落とさない冷凍保存を実現している。

なお、ネット(スマホ)との連係を進めるモデルも多い。現在は、アプリで庫内の温度管理を行ったり、ドアの開閉状況で家族の安否確認をしたりといった機能が一般的だ。

そんな中、シャープでは一歩先を行き、登録したスーパー特売情報が得られるようになっている。外部の情報といかに連係していくかが、今後のサービス向上の鍵になりそうだ。

各社が独自機能を展開

使い勝手のアイデアや衛生面への配慮も特徴的

シャープは、今の時代にマッチした「メガフリーザー」が人気。冷凍ケース内を自在に仕切れる整頓システムや、500ミリリットルのペットボトルが立てて入れられる収納力が売りだ。氷をゆっくり凍らせ、宅飲み用の透明なロックアイスが作れる機能もおもしろい。

各室内には、独立したプラズマクラスターユニットが搭載され、雑菌やニオイを抑えるなど、衛生面に配慮した。

シャープ
SJ-AF50G
実売価格例:37万1800円

まとめ買いに適した大容量冷凍室を搭載
各室専用のプラズマクラスターユニットを搭載し、 庫内の清潔と食品の鮮度を保持。”新しい生活様式”で推奨される、 まとめ買いに適した大容量冷凍室にも注目。

SJ-AF50G
●ドア数/6
●年間消費電力量/250kWh/年
●省エネ基準達成率/116%
●サイズ/幅685mm×高さ1833mm×奥行き699mm
●重量/109kg

シャープ「SJ-AF50G」
定格内容積 502L
冷蔵室 259L
【198L】
(うちチルドルーム17L)
野菜室 73L
【49L】
アイスルーム 21L
【6L】
冷凍室❶ 20L
【11L】
冷凍室❷ 129L
【86L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

左から野菜室、チルドルーム、冷蔵室

●各室専用プラズマクラスターユニット
各室にプラズマクラスターユニットを採用。扉の開閉頻度や周辺温度で自動調整しながらプラズマクラスターを放出する。

●メガフリーザー
野菜室を抑えたぶん、スペースを確保した大容量フリーザー。3段構造で見やすく整理でき、さっと取り出せて使いやすい。

●スーパー特売情報をお知らせ
お気に入りの店舗や、指定した食品の特売情報が受け取れる。自宅や仕事場周辺のスーパーなど、最大5店舗まで登録可能。


パナソニックは、冷蔵室最上段奥にコンプレッサーを配置してスペースの効率化を図るトップユニット方式や、埋もれがちな食材が楽に取り出せるフルオープン方式の引き出しが好評だ。また、冷ます/急冷/急凍ができる小部屋の「クーリングアシストルーム」を装備。お弁当のあら熱取りや料理の下味つけなど、調理の時短をサポートする。

パナソニック
NR-F656WPX
実売価格例:43万9540円

「スピード冷却」で毎日の調理をアシスト
独自の「スピード冷却」機能を進化させ、お弁当のあら熱取りや離乳食作りをサポート。おいしく保存するだけでなく、調理のアシストという新たなテーマを掲げる。

NR-F656WPX
●ドア数/6
●年間消費電力量/290kWh/年
●省エネ基準達成率/114%
●サイズ/幅750mm×高さ1828mm×奥行き745mm
●重量/120kg

パナソニック「NR-F656WPX」
定格内容積 650L
冷蔵室 335L
【257L】
(うち微凍結パーシャル/
チルド切替室21L)
クーリング
アシストルーム
33L
【17L】
製氷室 24L
【7L】
冷凍室 123L
【86L】
野菜室 135L
【97L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

左から、はやうま冷凍、はやうま冷却

●クーリングアシスト
「冷ます」「急冷」「急凍」の3モードを搭載。お弁当や料理のあら熱取り、冷たいデザート作りなど、調理を幅広くサポートする。

●微凍結パーシャル
肉や魚が凍り始めるマイナス3℃で素早く凍結。傷みやすいひき肉も、生や下ごしらえの状態で約1週間保存が可能。

●専用アプリ
よく使う機能の時間設定を登録できる。ドアの開閉回数も確認でき、見守りに役立つ。


三菱は、過冷却現象を活用した独自の「切れちゃう瞬冷凍A.I.」が強い。マイナス7℃で凍らせるため、解凍しなくても食材がカットできる。必要な分だけを使いやすく、最近のホームフリージングの走りといえる機能だ。AIを搭載し、扉の開閉に合わせて自動で冷凍を開始するなど、新しいテクノロジーも盛り込まれている。

三菱電機
MR-MX57F
実売価格例:29万7000円

MR-MX57F
●ドア数/6
●年間消費電力量/275kWh/年
●省エネ基準達成率/108%
●サイズ/幅685mm×高さ1826mm×奥行き738mm
●重量/124kg

三菱電機「MR-MX57F」
定格内容積 572L
冷蔵室 306L
【229L】
(うちフレッシュゾーン27L)
瞬冷凍室 32L
【18L】
製氷室 19L
【4L】
野菜室 114L
【82L】
冷凍室 101L
【70L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

独自の冷凍技術が特徴的。AI制御も活用
マイナス温度でも凍らない「過冷却現象」を利用した、独自の冷凍技術が特徴。最新モデルでは、AIの最適温度制御による自動運転で、食品の鮮度を長もちさせる。

●氷点下ストッカーD A.I.
過冷却現象を応用し、マイナス3℃~0℃で凍らせずに最長で約10日間の保存が可能。AIによる最適運転で鮮度を保つ。

●切れちゃう瞬冷凍 A.I.
芯から均一に凍らせる同社の特許技術。冷凍に不向きなジャガイモも、そのままの食感でフリージング可能。
❶瞬冷凍室から出して切る
❷そのまますぐに料理が可能
❸完成!

●抗菌クリーントレイ
土や油などの汚れが付きにくい防汚素材トレイを野菜室の底面に採用。取り外して洗えるから、メンテナンスも楽。


東芝は、高湿度の冷気を1日20回以上送り込んで野菜の乾燥を防ぐ「野菜室がまんなか」が健在だ。また、生鮮食品の保存も強化され、独自のツイン冷却技術と温度コントロールで食品表面に薄い氷の膜を生成。氷のラップで食材を包む新しいチルドが注目されている。

東芝
GR-S600FZ
実売価格例:30万7310円

GR-S600FZ
●ドア数/6
●年間消費電力量/251kWh/年
●省エネ基準達成率/123%
●サイズ/幅685mm×高さ1833mm×奥行き745mm
●重量/124kg

東芝「GR-S600FZ」
定格内容積 601L
冷蔵室 304L
【232L】
(うちチルドルーム24L)
野菜室 133L
【89L】
製氷室 22L
【8L】
冷凍室❶ 30L
【17L】
冷凍室❷ 112L
【73L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

食材を凍らせない「氷結晶チルド」が話題
最近の流行となっている「野菜室の真ん中配置」に先鞭をつけた、ベジータシリーズ最新機種。新開発「氷結晶チルド」では、食材を凍らせずに長期保存が可能になった。

●氷結晶チルド
食材の表面に生成した薄い氷の膜が、菌の繁殖、酵素の活動を抑制。肉は最長10日間、刺し身は7日間の長期保存が実現。
・上画像:速鮮チルドモード
・下画像:解凍モード

●食材管理機能
スマホで食材管理が可能。音声入力にも対応し、買った物を会話感覚で入力してリストの作成が行える。

●USBポート搭載
冷蔵室の扉に給電用のUSB(タイプA)ポートを搭載。スマホなどの充電に役立つ。


日立は、冷蔵室全体をチルド仕様にすることで、食品全体を質よくストックできる「まるごとチルド」と、冷凍室や野菜室を自分好みにレイアウト可能な「ぴったりセレクト」が好評だ。特に後者は、家族構成や生活スタイルの変化に対応できるため、人気が高い。

日立
R-KX57N
実売価格例:46万5850円

R-KX57N
●ドア数/6
●年間消費電力量/343kWh/年
●省エネ基準達成率/100%
●サイズ/幅685mm×高さ1833mm×奥行き738mm
●重量/130kg

日立「R-KX57N」
定格内容積 567L
冷蔵室 308L
【234L】
(うち特鮮氷温ルーム18L)
冷凍室 32L
【13L】
製氷室 23L
【8L】
切替室❶ 104L
【76L】
切替室❷ 100L
【71L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

「ぴったりセレクト」できる切替室が人気
冷蔵室を低温高湿にする「まるごとチルド」や、2段の引き出し(切替室)のモードが選べる「ぴったりセレクト」が人気。最新機では、乾燥を抑える野菜用モードを追加した。

●ぴったりセレクト
引き出しの上段と下段を、それぞれ「野菜」「冷凍」「冷蔵」モードに切り替えOK。自分流にアレンジできる。

●まるごとチルド
冷蔵室専用の冷却器とファンを搭載し、通常は3〜5℃の冷蔵室を2℃に設定。ラップなしでも乾燥を防ぎ、おいしく保存する。

●クイック冷却
冷蔵室の冷気の風量を一定時間増やして、一気に冷却。お弁当のあら熱取りや、飲み物を急いで冷やしたいときなどに便利。


アクアは、冷蔵室の底面に強化ガラスを採用。冷蔵室を開けたついでに野菜室を上からチェックできる構造で、野菜の管理が効率的に行える。アクア製品は、先述の霜を抑える機構も含め、目のつけどころがユニークで、一工夫あるのが持ち味だ。

アクア
AQR-VZ46J
実売価格例:17万4000円

AQR-VZ46J
●ドア数/4
●年間消費電力量/275kWh/年
●省エネ基準達成率/101%
●サイズ/幅600mm×高さ1840mm×奥行き710mm
●重量/102kg

アクア「AQR-VZ46J」
定格内容積 458L
冷蔵室 239L
【184L】
(うちチルドルーム15L)
野菜室 67L
【38L】
冷凍室❶ 67L
【35L】
冷凍室❷ 85L
【48L】
【 】は、食品収納スペースの目安。

「ドリップ抑制機能」で長期間の冷凍に対応
451〜500リットルクラス最大の収納力を持つ冷凍室を装備。室内の温度変化を抑える「ドリップ抑制機能」で、長期間の冷凍に対応する。上から見渡せる野菜室も好評。

●上から見渡す旬鮮野菜室
冷蔵室の底面に強化ガラスを採用。野菜室を開けなくても、上から食材の様子がチェックでき、食品ロス対策につながる。

●おいシールド冷凍(ドリップ抑制機能)
冷凍庫内の冷気口に開閉式のフタを装備。霜取り運転時にのみフタが閉まる仕組みで、霜を取るための暖気が室内に流入するのを防ぐ。

●フルワイド旬鮮チルド
幅47センチで大皿の刺身も無理なく収納。潤いを逃さないフィルターを搭載し、食品の乾燥を防いで鮮度とおいしさを保つ。

まとめ

食品を腐らせずに保存するのが冷蔵庫本来の働きだが、最新モデルは、さらにその先を行っている印象だ。

急速冷却によって、あら熱取りなどで調理をサポートするほか、調理のしやすさを考慮してフリージングするのも、次の作業への手助けになっている。

また、外部との連係を図ることで、調理全般の効率を上げる機能も展開されつつある。こういった冷蔵庫が、今後、より求められていくかもしれない。

※価格は記事作成時のものです。

取材・執筆/諏訪圭伊子(フリーライター)

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