【ツインバードの最新電子レンジ】使いやすさに特化したDR-F281が登場「全部はない。だから、ある」その理由とは

調理家電

ツインバードが2020年秋に新しいタグラインを「全部はない。だから、ある。」と発表。それに基づいて発表された第一弾の製品の中で「センサー付フラット電子レンジ DR-F281W」を紹介します。さて、この電子レンジに「何がなくて何がある」のでしょうか?

ツインバードの新しいコンセプトは「全部はない。だから、ある。」

世界中、どの地域でも家電があるのが当たり前の今。ブランドがそんなに強くない家電もいっぱいあります。広告を大量に投下できる大企業ならともかく、中小企業はなかなか自社ブランドを強くすることができないのが現実です。しかし日本メーカーとしては、困難ながらもきちんとブランドを築いておかないと、中国、台湾、ベトナム、インドネシアの様なアジア地区の安価工場、トルコ、ポーランドの様なヨーロッパの安価工場が迫ってきます。

新潟県の燕三条で頑張っているツインバードは、2020年秋に新しいタグライン(=その企業のコンセプトや理念を表したり、その企業や製品、サービスがどんな価値を提供しているのかを示す言葉)を発表しました。

そのタグラインが「全部はない。だから、ある。」です。

何となくわかるような、それでいて何も示していないような、ちょっと独特に感じるキャッチーな言葉です。それに基づいて発表された第一弾の製品の中で「センサー付フラット電子レンジ DR-F281W」を紹介します。さて、「何がなくて何がある」のでしょうか?

「センサー付フラット電子レンジ DR-F281W」

www.twinbird.jp

レシピ数で争うオーブンレンジ、機能で争う電子レンジ

よその国ならいざ知らず、日本では中食(なかしょく=家庭外で調理された食品を、購入、宅配などにより家庭内で食べること。)が当たり前、かつ、ご飯は温かいものと相場が決まっている日本では電子レンジは欠かせません。子どもですら「チンする」という言葉を知っているくらいです。

その中で、最もお金を掛けて開発されているのが、オーブン機能を併せ持つ「オーブンレンジ」。多くの場合、中が2段で使える30L。これさえあれば、料理上手の気分が味わえます。センサーも大量に搭載してありますので、解凍ムラになりにくく、オーブンで多種多様なレシピ、肉、魚、野菜、お菓子などを作ることができます。このオーブンレンジは、ちょっと前まで、どの位レシピがインプットしてあるかが争点でした。
では、今は?と言うと、本体内蔵メモリでは限りがありますので、クラウドに争いを移しています。それまで最大200レシピだったのが、今や最低でも1000レシピ。このため、メニュー決めにも使える様に工夫されています。

一方、単機能電子レンジ。こちらはというと、どんぐりの背比べ。価格で攻める海外勢に対し、日本メーカーは解凍ムラの減少、短時間での温めなど、機能に力を入れています。が、価格がそれなりですので、センサーを多く入れることはできません。このため機能はほどほどに良いと言うのが現状。ほどほどだと、そのうちに追いつかる可能性が高いです。センサーなどは大量に購入した方が安いですからね。

そのような背景の中、ツインバードは、どう選択したのでしょうか?

ツインバードが電子レンジ開発で「選択」したこととは?

解凍機能、温め機能は譲らない

先ほど、中食と書きましたが、コロナ禍でますますその傾向は強くなっています。端的なのが、保存が効く冷凍食品でしょう。コロナ禍だから在宅。毎日毎食調理するわけですが、多くの場合、メインのおかずでヘトヘト。しかし、もう一品あれば、箸休めにもなるし、雰囲気も豊かになります。そんな時に「チン」で対応できる冷凍食品はありがたいものです。2020年4月の冷凍食品の販売金額を前年と比較した場合、19.5%増。要するに、電子レンジは、通常にも増して必要な家電になったわけです。

また、今ドキの冷凍食品は、かなり高級指向。電子レンジでの温めが10分近くかかるものさえあります。しかし、これはちょっと長いです。チンは短いからこそ便利と感じるわけですからね。

そう、ツインバードの選択は「解凍機能、温め機能はどこにも譲らない」ことでした。

6つのパワーを自在に操る

冷凍食品のパッケージに、よく「500W ××分」「600W ××分」と言う書き方がされています。この500W、600Wというのは、定格高周波出力のことで、どれ位のパワーを食品に送り込むのかを示します。2つ書いてありますが、多くの場合、時間をかけると、似たような値になります。

しかし、皆さんが一番多く使うのは「自動解凍」と「自動温め」機能ではないでしょうか?実は、電子レンジは、500W、600W以外にも、いろいろなW数を持っており、ベストになる様に使います。DR-F281Wの場合、1000W、900W、600W、500W、200W、100Wという6つものパワーを持ちます。こちらのパワーはメーカーごとに値が異なります。これを自在に操り、「自動解凍」「自動温め」が行われます。

DR-F281Wの新しいところは、900Wを3分持続運転、100Wの連続運転ができる様にしたことです。900Wなどは温めに威力を発揮します。そして赤外線ヒーター(単機能電子レンジ唯一)を搭載しています。

ツインバードがテストしたところ、コンビニで売られているラーメンの500W7分20秒と表示されているところを約4分20秒で、同じくコンビニのカレーライスで500W5分のところを約3分30秒で温めることができたそうです。ちなみに、電子レンジの場合、高いパワーで対応すると時間が短いわけですから、電気代はほぼイコールになります。

また、解凍はゆっくり解凍した方が、肉汁が出てしまうなどのトラブルも少ないもの。当然100Wでの解凍は大いに助かるわけです。

グラム設定要らずで上手に自動解凍できる。


グッドデザイン賞を受賞

DR-F281Wは、10月1日に発表された今年のグッドデザイン賞を受賞しています。その理由の一つが、優れたインターフェイスです。

シンプルで使いやすい。

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DR-F281Wのコンソールには、ボタンが2つ、あとダイヤルとボタンを組み合わせたものが1つあるだけです。ボタンには「メニュー」「レンジ」とあります。メニューを押すと、「あたため」「解凍」「飲み物」「冷凍食品」と変わります。そして、ダイヤルで「弱」「中」「強」をセレクト。ダイヤル中のボタンを押すだけです。実に簡単。ちなみに、コンビニ対決は、「あたため」「中」。決して「強」ではありません。

「メニュー」の方は、ワット数が入れ替えられます。ダイヤルで「時間」ですね。で、ダイヤル中のボタンでスタート。

メチャ楽です。

まとめ

第一弾モデルとしての出来はイイ

タグライン変更、第一弾モデルの一角を担うDR-F281Wですが、余分なボタンなどは全部削ぎ落とし(全部はない)、その分「使いやすさ」に特化し、優れた筐体デザインが存在感をアピール(だから、ある)します。

問題は価格。オーブンプライスですが、導入時の市場想定価格は、2万円前後になりそうだと言われています。

それでも、私は「買うのはあり」だと思います。というのは、電子レンジで一番鬱陶しいのは、解凍ムラ。一口目熱々、二口目冷え冷えというサウナの水風呂状態は、食事には相応しくありません。それが数千円プラスで回避できるのなら嬉しいものです。

ツインバードの第二弾、第三弾にも期待したいです。

◆多賀一晃(生活家電.com主宰)
企画とユーザーをつなぐ商品企画コンサルティング ポップ-アップ・プランニング・オフィス代表。また米・食味鑑定士の資格を所有。オーディオ・ビデオ関連の開発経験があり、理論的だけでなく、官能評価も得意。趣味は、東京歴史散歩とラーメンの食べ歩き。

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多賀一晃(生活家電.com主宰)

企画とユーザーを繋ぐ商品企画コンサルティング「ポップアップ・プランニング・オフィス」代表。米・食味鑑定士の資格を所有。大手メーカーでオーディオ・ビデオ関連の開発に携わる。趣味は東京散歩とラーメンの食べ歩き。

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