【北海道の防寒ブーツ】南極観測隊も使用する「バフィン インパクト」がおすすめ 氷点下でも足がポカポカ

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12月中旬ともなると、筆者の住む北海道は最低気温がマイナス10度を下回ることも珍しくありません。この北海道の真冬に、もっとも冷え込む夜明け前から日の出の撮影などをするのがフォトグラファーの宿命です。そして、驚くほど冷えるのが足元。寒いというよりも痛くなります。そんな筆者が、世界でもっとも暖かいブーツのひとつ「バフィン インパクト」を買うまでの様子を紹介します。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳 (さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラバッグなどのカメラアクセサリー、車中泊グッズなどの記事も執筆中。最近ではとうとう「究極のカメラバッグ」ともいえるキャンピングカーを購入した。作例の撮影という名目で北海道各地を旅行する生活を楽しんでいる。

世界でいちばん暖かいブーツがほしい

「使用限界温度=快適温度」ではない

北海道とはいえ、マイナス20度や30度になる日が連日続くというのはさすがに珍しいといえるでしょう。当然、地域差はあります。例えば、ジュエリーアイスで有名な十勝・豊頃町の過去30年の1〜2月の平均最低気温は、マイナス15度です。また、流氷で有名なオホーツク地方の網走の1〜2月の平均最低気温は、マイナス10度程度になります。であれば、マイナス20度程度に対応するブーツなら快適と考えがちです。

ジュエリーアイスがもっとも美しい時間帯は、もっとも寒い夜明け前から日の出の時間になります。

多くのブーツには「対応温度」や「使用限界温度」、「Temperature Rating」といった表記があります。以前に筆者が愛用していた「キーン ウィンターポートII」はマイナス20度対応(※使用限界温度ではないようです)でした。ウォータープルーフ構造で、耐寒性が高いわりには軽い、しかもコストパフォーマンスの高い、よいブーツです。それでもマイナス10度の寒さのなかでは、ブーツの中に使い捨てカイロを入れておいても、撮影中に足の先が冷たく、痛くなってきます。ブーツの「対応温度」や「使用限界温度」、「Temperature Rating」などは、履いている人間が快適な温度とはどうも別のようです。参考値と考えたほうがよいでしょう。極端にいうなら、そのブーツが壊れず機能する温度といった感じでしょうか。

キーンの公式サイトを見ている限りでは2020年冬から「キーン ウィンターポートII」はディスコン。ただし、ネットなどではまだ買えるようです。

当然、最初に検討したのは定番の「ソレル」

防寒ブーツといえば、「レザーアッパーにラバーボトム、着脱可能なフェルトライニング」という、現在のウィンターブーツの原形を確立したという「ソレル(SOREL)」を外すことはできないでしょう。しかも定番の「ソレル カリブー」はデザインもよく、タウンユースにも向くので、普段履きにもでき、実は購入しようと考えていました。使用限界温度はマイナス40度です。使用限界温度がマイナス40度なら、マイナス20度程度までは問題なく快適に過ごせるのではと考えました。

この「ソレル カリブー」、北海道では実際に履いている人が多いので、身近な何人かに話を聞きました。すると、「履きやすいし格好いいけど、本格的なアウトドア用というほど暖かくはない」という意見が多かったのです。

「ソレル」自体はいいから、もっとアウトドア向きのモデルを選んだ方がいいという意見もありました。実際、「ソレル」には「ソレル カリブー」以上に使用限界温度が低い「ソレルベアーXT」や「ソレル アルファパックXT」ともに使用限界温度はマイナス51.5度、そして、これらを越える使用限界温度マイナス73.3度の「ソレル グレイシャーXT」がラインアップされています。しかも「ソレル カリブー」よりも安く、どれを選んでも2万円以下です。

[ソレル] ブーツ メンズ NM2129-F14 Black, Red Quartz 7(25cm)
ソールの厚さ:4cm
履き口:46.5cm/筒周り:46cm/筒丈:33cm(計測サイズ8)
重さ:1070g (片足/8)
¥15,840
2020-12-15 12:31

南極観測隊はどんなブーツを履いているのか?

「使用限界温度マイナス73.3度って、もう極地とかに行かない限り、そんな気温はないでしょう」と思った瞬間、湧いた疑問が「じゃあ、南極観測隊はどんなブーツを履いているのか?」です。気になって「南極観測隊 ブーツ」や「南極 ブーツ」などで検索したところ、かなりの頻度で出てくるのは「バフィン インパクト」というブーツ。「マイナス100度にも対応」「南極観測隊も使用」などと気になるデータはたくさんあるのですが、「バフィン インパクト」で検索しても、価格は安いところで2万円後半、高いところでは5万円を越えており、ほとんどが在庫なしで、海外からの取り寄せでの扱い。試着どころか、現物を見てから買うことも難しそうな状態です。

試着せずに数万円のブーツはさすがに買えない、と諦めようとしました。しかし、価格.comを眺めていると最安は28,160円で「秀岳荘」。なんとなくクリックすると、「北海道の山・アウトドアの専門店 秀岳荘」とあります。なんと、おそらく日本でもっとも安く「バフィン インパクト」を販売しているお店が、北海道にあったのです。

【 BAFFIN 】バフィンIMPACT(メンズ)●送料無料●
-100℃まで対応の極寒地モデル。深雪が進入するのを防ぐラップカバー付き。ダブルバックルにより締め付けの調整が可能。 インナーは取り外し可能。真冬に長時間、外で活動する(オーロラツアー、冬山カメラ、冬キャンプ、アイスフィッシング、スノーモービル等)のに最適な1足です。 ●アッパー:オオカミ革・ナイロン ●8層インナー ●-100℃まで対応 ●重量:1,220g(26cm、片足) ※箱無し商品もございます。あらかじめご了承下さい。
¥ 28,160
2020-12-15 12:38

試着した瞬間に「これは買う!」と確信

近所の「秀岳荘」で破格の安値で売っていた

ネットで検索しても、在庫を持っているところはほとんどなく、場所によっては5万円を越えるプライスが付いていた「バフィン インパクト」は、我が家の近所「秀岳荘 白石店」に在庫があり、しかも、おそらく日本最安値で販売されていました。秀岳荘のネットショップでの価格は28,160円(税込・送料無料)。また、送料などがいくらかかるかは不明ですが、バフィンの公式WEBでの価格が269.99ドルであることを考えても、3万円を切る秀岳荘の価格は破格でしょう。

「秀岳荘 白石店」の入口。あと札幌市北区に「秀岳荘 北大店」、旭川に「秀岳荘 旭川店」があるそうです。

近所といっても、そこは北海道。筆者の住む千歳市から約1時間で「秀岳荘 白石店」に到着しました。ブーツ売り場に向かいます。

「バフィン インパクト」が複数並ぶ棚。日本でほかに「バフィン インパクト」普通に棚に並んでいる店舗はどのくらいあるのでしょうか。

「バフィン インパクト」の色違いモデル、スノーカモ。こちらも店頭にサイズ違いで3足並んでいました。

いくら日本が広くても、マイナス100度対応の防寒ブーツを日常的に使用する目的で買おうするのは北海道の人くらいでしょう。そう考えると、札幌のお店に「バフィン インパクト」の現物があるのも納得できます。しかし、試着しての購入は絶対できないと思っていたブーツが目の前に並ぶと、ちょっと感動ものです。早速試着します。

まずはブラックの27cmです。

スノーカモの28cmを試着。「秀岳荘 白石店」ではスノーカモもブラックも、同じ値段で販売されていました。

試着した瞬間に、「これは買う!」を思いました。今まで筆者が履いたことのある防寒ブーツとは、まったく違うのです。ふくらはぎをほぼ覆い、ヒザの近くまである長めのブーツですが、足入れは非常いい。そして、足を覆ったブーツ全体がピッタリとフィットして、部分部分にではなく全体で包み込んで固定される印象。弱めのエアーフィットマッサージャーに足を入れているような感じです。足の形など個人差はあると思うのですが、高価なことに納得がいく作りといえるでしょう。

筆者は普段履いているスニーカーのサイズが26.5cm、これまで履いていた「キーン ウィンターポートII」は27.0cmです。「キーン ウィンターポートII」の27.0cmは、中に使い捨てカイロを入れられるくらい余裕がありました。しかし、「バフィン インパクト」はブラックの27.0cmでピッタリ。少し余裕があっていいかと思い、スノーカモの28.0cmも履いてみましたが、なぜか28.0cmのほうがきつく感じ、「バフィン インパクト」ブラックの27.0cmを購入しました。筆者の足の形が原因か、「バフィン インパクト」の個体差なのかはわかりませんが、安いブーツではないので、試着してからの購入をおすすめします。

「ソレル グレイシャーXT」も試着してみた

「バフィン インパクト」が「秀岳荘 白石店」にあることを知らなかったら、間違いなく購入していたであろう「ソレル グレイシャーXT」。実は「バフィン インパクト」と同じ棚に並んでいました。

「ソレル グレイシャーXT」はもちろん、「ソレル ベアーXT」なども並んでいました。暖かいブーツ大集合といったところでしょうか。

「ソレル グレイシャーXT」も当然、試着させてもらいました。さすがに使用限界温度マイナス73.3度の「ソレル グレイシャーXT」はかなりゴツいブーツですが、「バフィン インパクト」とはまったく違います。足入れは同じように非常にいいのですが、全体を包み込むというよりは、ポイント、ポイントをしっかりホールドしてくる印象。実勢価格1万円台後半というコストパフォーマンスのよさもあり、撮影だけでなく、普段履きにもするなら「ソレル グレイシャーXT」のほうがよいかと思ったほどです。恐ろしいことに、来年あたり買っているのではないかという予感すらしています。

履いた感触は「バフィン インパクト」と「ソレル グレイシャーXT」はまったく違いますが、普段履きにもするなら「ソレル グレイシャーXT」が好きです。

マイナス100度対応のブーツ「バフィン インパクト」の詳細

「バフィン インパクト」各部写真

ブーツ自体も大きいので、かなり大きな箱に入ってきました。

箱のサイズは約63×41×16cmです。

大きさがわかるように、筆者がこれまで履いていた「キーン ウィンターポートII」の隣りに並べてみました。

左がバフィンインパクト。明らかに大きい!ダブルバックルが格好いい!

ソール部分もしっかりしています。深い溝が掘られていて、雪や氷の上でも、しっかりグリップしてくれそうです。

室温では、ソールのラバーはやわらかい感触です。

ブーツ内部のインナーを取り出してみました。独自の多層構造になっていて、暖かさを保ったまま、水分をブーツから排出する機能があるそうです。

見るからに暖かそうなインナーです。

今回購入した「バフィン インパクト」ブラック27cmは、片方で約1,258gありました。両足で約2.5kgです。これは、これまで履いていた「キーン ウィンターポートII」の約2倍の重さになります。

インナーブーツの下のソール部分には、暖かい空気のためのスペースも用意されているそうです。元々のフィット感の高いブーツですが、外観デザインの特徴にもなっている大きなダブルバックルを調整することで、よりフィット感を高められます。

まとめ

絶対暖かいに決まっている! もっとも寒い2月が楽しみだ

使用限界温度マイナス73.3度の「ソレル グレイシャーXT」よりも1万円ほど高い価格、両足で約2.5kgという重さ、さらには日本国内での流通量が少ないためか、試着が困難でサイズの選択肢も難しい「バフィン インパクト」。筆者が試着に行った「秀岳荘 白石店」でも27cmはブラックのみで、28cmはスノーカモのみの在庫でした。それでも筆者は、今回購入した「バフィン インパクト」にとても満足しています。

網走の能取岬から撮影した流氷と日の出。今期は「バフィン インパクト」で撮影に向かう予定です。今から楽しみで仕方ありません。

実は、購入してすぐに「バフィン インパクト」を履いてみたくて、マイナス4度程度だったのですが、自宅のまわりを数km散歩してみました。このブーツは購入時に店員さんにもいわれましたが、どちらというと防寒重視でアクティブに動き回るブーツではありません。それでも10kgほどの荷物を持って歩いても、さほど苦痛には感じませんでした。また、なによりも素晴らしいのは、冷えた路面の寒さが、足元からまったく伝わってこないことです。厳寒期の撮影では、凍った地面の冷たさに足元から体温が奪われて、寒さというよりは痛さに耐えきれなくなり、撮影を終了することが多々あります。「バフィン インパクト」はマイナス4度程度では寒いどころか、ブーツのなかの足だけが汗ばんでくる状態でした。

今期もジュエリーアイスに、流氷、タンチョウなどなど、厳寒期の冬の北海道ならでは撮影に出掛ける予定ですが、「バフィン インパクト」といっしょならいままで以上に長時間、快適に撮影できると確信しています。

また、今回「バフィン インパクト」を購入した「北海道の山・アウトドアの専門店 秀岳荘」は、北海道の札幌と旭川に展開する北海道のアウトドア専門店らしく、防寒着などのラインアップも充実しているようです。北海道に来る機会があれば実店舗を、またそれ以外ではオンラインショップをのぞいてみてはどうでしょうか。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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