【焼き肉たれの作り方】甘口と辛口の2種類を紹介 肉が柔らかくジューシーになる 作り置きOKでアレンジ自在

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ひと仕事終えた後や週末に、なぜか食べたくなる焼肉。家で食べるときは市販のタレを使う人も多いと思いますが、実は身近な食材と調味料で、簡単に手作りできます。今回は、食品学専門家で私の恩師でもある青山先生に伝授してもらったレシピと、自家製の焼肉タレを使ったアレンジメニューをご紹介。お家での焼肉パーティはもちろん、これからの季節はお庭でのバーベキューも気持ちよさそうです。お試しあれ!

食品学専門家の恩師直伝レシピ

焼肉タレのレシピを教えてくれたのは、食品学専門家の青山佐喜子さん。博士(学術)・管理栄養士・製菓衛生師・食生活アドバイザーであり、短期大学の食物栄養学科などで長年にわたり多くの栄養士を育て、オリジナルレシピを伝授されてきました。私も教え子の一人です。今回、レシピ公開をご快諾いただいたので、みなさんにもご紹介します!
【関連記事】→青山先生直伝のレシピ第2弾【ピザを手作り】生地もソースも簡単!

地域の公開講座や料理教室でも活躍中の青山佐喜子先生。野菜・果物・小麦などの食品を、より美味しく、保存性を高めて風味を長く楽しめるようオリジナルレシピを多数考案。どのレシピにも「手軽におうちごはんを楽しんでほしい」という先生の愛情が詰まっています。

2種類の焼肉タレのレシピを紹介!

青山先生が教えてくれたのは、「甘口タイプ」「辛口タイプ」の2種類。身近な材料で簡単に作れます。ただし、作ってから2~3日おいて味をなじませる必要があるので、「焼き肉予定日」から逆算して作りましょう。

甘口タイプ

【材料】(できあがり 約450ml)

りんご…1/2個(約100g)
玉ねぎ…1/2個(約100g)
にんにく…1〜2片(約10g)
しょうが…1片(約10g)
赤ワイン…50ml
濃口しょうゆ…130ml
砂糖…大さじ2(18g)
酢(米酢、穀物酢など)…小さじ2 (10ml)
いり白ごま…大さじ1(10g)
ごま油…大さじ1(15ml)
唐辛子(小口切り)…適量(好みで調整を)
*唐辛子は、さやタイプの場合はタネを取り除いて使う。ナシでもOK

りんごの甘みと玉ねぎのうま味が仲良く溶け合う優しい味わいが、甘口たれの持ち味です。

【作り方】(調理時間 約15分・その後2~3日おいて味をなじませる)

(1)りんご、玉ねぎ、にんにく、しょうがは皮をむき、おろしがねですりおろす。

フードプロセッサーを使うよりも、手ですりおろす方が舌触りがなめらかになります。

(2)鍋に、(1)と、唐辛子以外の材料すべて(赤ワイン、濃口しょうゆ、砂糖、酢、白ごま、ごま油)を入れ、ひと煮立ちさせ、火を止める直前に唐辛子を加える。

数分で煮立ってきます。ヘラなどでときどき混ぜて、焦げないように注意しましょう。

唐辛子の量は好みで加減を。辛すぎるのが得意でない私は、これくらいにしました。

(3)粗熱がとれたら保存容器に移し、冷蔵庫で2〜3日おいて味をなじませれば完成!保存容器は、熱湯消毒やアルコール消毒など、容器の素材に合わせて消毒してから使うのがオススメです。

100均ショップで調達した保存容器に入れました。

完成した自家製たれは冷蔵庫で2週間程度、保存できます。

出来上がり直後(左)と3日後(右)。食べ比べると、3日後は深みが出て、まとまりのある味になりました。

辛口タイプ

材料(できあがり 約450ml)

玉ねぎ…1/2個(約100g)
にんにく…1〜2片(約10g)
濃口しょうゆ…150ml
酒…100ml
みりん…100ml
コチュジャン…50g(好みで調整を)
いり白ごま…大さじ1(10g)

甘口タレよりも少ない材料。コチュジャンはスーパーなどで手に入ります。

【作り方】(調理時間 約10分・その後2~3日おいて味をなじませる)

(1)鍋に酒とみりんを入れて中火にかけ、ひと煮立ちさせてアルコールを煮切る。

(2) 玉ねぎ、にんにくの皮をむき、おろしがねですりおろす。

(3) (1)の鍋に(2)と残りの材料すべてを加え、焦げないよう混ぜながら加熱する。沸騰したら火を止める。粗熱をとって保存容器に移す。冷蔵庫で約1ヵ月保存可能。

煮立ったときの香りにも刺激を感じます。

辛口タイプ(右)と甘口タイプ(左)。

牛肉は焼いて「付けタレ」、豚肉・鶏肉は「漬け込みタレ」

自家製の焼肉タレを仕込んで3日目。待ちに待った焼肉パーティです!

牛肉は少し奮発し、焼いたお肉を甘口タレに付けて食べました。タレの程よい甘み、コク、酸味が一体となって、すりおろした野菜の繊維が良い感じでお肉にまとわりついて、とても美味しいです。いくらでも食べられるので怖いくらい(苦笑)。

牛肉、豚肉、焼き野菜、生野菜、キムチなどなど。焼肉パーティは食卓のテンションが上がります!

豚肉は、甘口タレに辛口タレを少し加えたMIXタレに漬け込み、冷蔵庫で一晩寝かせました。焼いて食べてみると、お肉が柔らかく、とってもジューシー!りんごと玉ねぎの自然な甘みとうまみが、スーパーの特売肉を勝手にランクアップてくれる感じ。りんごと玉ねぎの名コンビ、仕事っぷりが素晴らしいです。漬け込んだタレごと焼くと鉄板が焦げやすいので、その点だけ注意が必要です。私は牛肉を焼いてタレにつける「付けタレ」を楽しんでから、タレに漬け込んだ豚肉を焼く2通りの楽しみ方をしました。

肉厚な豚バラ肉、トントロなど、いろんな部位を混ぜて漬け込みました。鶏肉を食べやすい大きさに切って漬け込んでも美味しいです。

お肉を生野菜と食べると彩りもよく、栄養バランス的にも◎です。

甘口タイプのタレは、子どもや高齢者、辛いのが得意ではない人にもオススメできるマイルドさ。辛口タイプも、作りたては「コチュジャンの量を減らせばよかったかも」と思うほどでしたが、3日後に食べたときは、不思議と辛さがちょうどよくなり、韓国料理専門店で食べているような気分に。甘口タレと辛口タレのハーフ&ハーフも美味しいですよ。

自家製タレは普段の料理にも大活躍

自家製タレは焼肉だけでなく、普段の料理の合わせ調味料としても活用しがいがあります。私が実際に作ってみたアレンジメニューの一部を紹介しますので、献立に迷ったときのご参考に。

鶏肉の照り焼き風

(1)鶏肉を、甘口タイプの自家製タレに数時間漬け込み(途中で天地を逆にすると味がより染み込みます)、下味をつける。

(2)下味に使った自家製タレをフライパンに移す。鶏肉は耐熱皿に取り出してラップをかけ、500〜700Wの電子レンジで約5分加熱(透明な肉汁が出ていれば肉に火が通ったサイン)。

(3)下味のタレが入ったフライパンに(2)のレンチン後に出た肉汁を加え、火にかけてフツフツしてきたら、(2)の鶏肉の皮面を下にしてフライパンに入れ、煮詰めます。とろみがついてきたら鶏肉をひっくり返し、フライパンを揺すりながら煮詰めれば完成!

*時間がないときは鶏肉を小さめに切って漬け込み、レンチンなしでフライパンで焼くだけでも美味です(焦げやすいので注意)。

お弁当のおかずにもオススメ。

タコフェもどき(タコとキュウリの辛味あえ)

(1)辛口タイプの自家製タレに酢を合わせる(量は好みで加減してください)

(2)ゆでダコ、キュウリを好みの大きさに切り、(1)に加えて混ぜ合わせれば完成!

*刺身用のイカやタイ、水菜、春菊、大根などお好みの材料でアレンジを。私は白すりごまも加えて和えました。

お酒の肴に合います!

栄養士なのに料理の手際は良いとはいえない私ですが(汗)、10分ちょっとで上記2品を作ることができました。特に甘口タイプの自家製タレはアレンジがしやすく、ほかにもステーキやハンバーグのソース、豚のしょうが焼きやポークソテーにも使えます。私はまだ試していませんが、ジンギスカンのタレに使っても美味しそうです。自由な発想でアレンジを楽しんでください。

自家製タレ×焼肉の栄養の相剰効果

最後に、自家製タレと焼肉に含まれる栄養成分と相乗効果に着目してみましょう。

自家製タレの主材料(甘口タイプ)は、りんご、玉ねぎ、にんにく、しょうが(玉ねぎ、にんにくは辛口タイプも共通)。

りんごの栄養ポイント

酸味(リンゴ酸などの有機酸)で肉が柔らかくなり、体の中で疲労回復を促す作用も。りんごに含まれる食物繊維のペクチンは、腸内の善玉菌を増やすエサとなり、腸の働きを整えてくれます。

玉ねぎ・にんにくの栄養ポイント

辛みの香り成分(硫化アリル、アリシン)が豚肉などに含まれる疲労回復ビタミン(B1)と結びつき、その効果を長続きさせる働きがあります。加熱すると、辛み→甘み成分へ変化するのも特徴。玉ねぎにはタンパク質分解酵素が含まれ、肉を柔らかくする働きもあります。

しょうがの栄養ポイント

香り成分(ジンギベレン)が肉の臭みを和らげ、食欲増進のもとに。辛み成分(ショウガオール)には血行を促して体を芯から温める働きがあり、風邪予防や夏のクーラーなどによる冷え予防が期待できます。細かく刻むほど働きが高まるので、すりおろして使うのは理にかなっています。

お肉の栄養ポイント

焼肉の主役であるお肉には、みなさんもご存知のように良質なタンパク質が豊富に含まれています。タンパク質が不足すると、特に高齢者は筋力や筋肉量が減少する「サルコペニア」に陥りやすく、予防のためにも十分な量を毎日摂ることが推奨されています。目安となるタンパク質摂取の推奨量は、65歳以上で男性1日60g・女性1日50g(*1)。主なお肉に含まれるタンパク質を下表にまとめたので、自宅で焼肉やステーキをするときの目安にしてもらえたら嬉しいです。
(*1)厚生労働省「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より、腎臓疾患などでタンパク質制限がある場合はかかりつけ医の指導に従ってください。

肉の種類・部位別タンパク質含有量の目安

文部科学省「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」をもとに筆者が作成

豆腐100g(約1/2〜1/3丁)に含まれるタンパク質が木綿豆腐7.0g・絹ごし豆腐5.3g(*2)ですので、お肉のタンパク質パワーは絶大です。自家製タレに含まれる食材は、肉を柔らかくジューシーに仕上げるとともに、肉に含まれるタンパク質やビタミンB1(豚肉に多く含まれます)との相乗効果で、疲労回復もサポートします。疲れたときに焼肉を食べたくなるのは、偶然ではなく必然だったわけですね。
(*2)「日本食品標準成分表2020年版(八訂)」より

まとめ

わが家で焼肉パーティをしたところ、自家製タレの美味しさも手伝い、高齢の母親も含めて家族1人100g以上の肉をぺろりと完食。普段の食事では私自身、肉をそんなに食べられません。翌朝に体組成計で測定したところ、私も家族も筋肉量が増えていてお肉パワーを実感(個人差があるのであくまでも参考に)。おうち焼肉は、高齢者に多いタンパク質不足問題にも一役買ってくれそうです。自家製の焼肉タレでお肉をたくさん食べて、家族みんなの英気を養ってくださいね。

※参考文献:谷口亜樹子編著『食品加工学と実習・実験』光生館,2020(青山佐喜子さんも執筆者の一人)、久保田紀久枝・森光康次郎編『食品学-食品成分と機能性-』東京化学同人,2017年、名取貴光監修「新・野菜の便利帳 健康編」高橋書店,2020

文◆ 野村ゆき(栄養士・編集ライター)

編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題にかんする情報+好奇心のアンテナを広げ、分かりやすい記事をモットーに執筆中。焼肉タレのレシピは1年前に青山先生に直接教わって以来、わが家の定番になりました。先生に教わった愛情レシピを今後も季節に合わせて紹介したいと思います!

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