暑くなってくると恋しくなる、冷たくてぷるんと喉ごしが良いゼリー。今回、ゼリー作りに欠かせない「ゼラチン」「寒天」「アガー」「ペクチン」について、“比べたがる栄養士”の私・野村ゆきが徹底的に違いを調べてみました。これからの季節にぴったりの「夏野菜のコンソメゼリー」と「フルーツ入り牛乳ゼリー」を実際に作って食べ比べ、固まり方や食感の違い、使い方の注意点などをレポート。それぞれの個性を知って使い分け、ひんやりゼリーをより美味しくいただきましょう!

レシピで検証①
透明な砂糖水ゼリーで比較

ゼリーの魅力は、なんといってもぷるんとした涼しげな透明感です。見た目と食感の違いをシンプルに比べるため、同じ濃度(2%)の砂糖水で透明なゼリーを作って検証しました。

砂糖水ゼリーの材料(1人分)

・水:50ml
・砂糖:大さじ1
・「ゼラチン」「寒天」「アガー」「ペクチン(LMタイプ)」:各1g

どの粉も砂糖水に溶かし、温めて型に流し込む基本的な作り方は同じですが、液体に砂糖と粉を加えるタイミングや、熱する温度、ゼリー液が固まり始める温度が微妙に異なります。砂糖を使ったゼリー液の作り方の基本として、下記を参考にしてください。

基本的なゼリー液の作り方

▼ゼラチン:沸騰させない&冷蔵庫で冷やし固める

材料の水50mlから、ゼラチンの5倍量の水(5ml)を取り、ゼラチンをふやかしておく。鍋に残りの水、砂糖を加えて中火で温めながら溶かし、鍋肌がフツフツとしたら火を止め(40〜50℃が目安、湯煎で溶かす方法もあり)、ふやかしたゼラチンを加えてよく溶かす。容器に入れ、粗熱が取れたら冷蔵庫で冷やし固める(固まるまで冷蔵庫で数時間かかります)。

▼粉寒天:よく沸騰させる&室温で固める

鍋に水と粉寒天を入れてよく混ぜてから中火にかけて、かき混ぜながら溶かす。沸騰したら弱火で30秒〜1分程度煮立たせ(90〜100℃が目安)、一度火を止めて砂糖を加えて溶かし、容器に入れて固める(室温で一番早く固まり始めます)。

▼アガー:ダマになりやすいため、最初に砂糖とよく混ぜる&室温で固める

鍋に砂糖とアガーを入れてよく混ぜてから水を加え、中火にかけて、かき混ぜながら溶かす。沸騰手前(70〜80℃が目安)で火からおろし、容器に入れて固める(室温で寒天の次に早く固まり始めます)。

▼ペクチン:ダマになりやすいため、最初に砂糖とよく混ぜる&室温または冷蔵庫で固める

鍋に砂糖とペクチンを入れてよく混ぜてから水を加え、弱火にかけて、かき混ぜながら溶かす。沸騰したら火からおろし、容器に入れて固める(室温で固まりますが時間がかかるので冷蔵庫が確実です)。

以上が基本的なゼリー液の作り方ですが、商品によって、事前のふやかしが不要のゼラチンや、熱湯で煮たたせなくてもOKの寒天もあるので、購入商品のパッケージに書かれている作り方を参考にしてくださいね。

画像: 100均ショップで調達した色違いのシリコンカップを使い、同じ形のゼリーになるようにしました。

100均ショップで調達した色違いのシリコンカップを使い、同じ形のゼリーになるようにしました。

寒天とアガーは、型に流し込んだ15分後には室温で固まり始めましたが、ゼラチンは室温では固まりません。また、ペクチンも室温での固まり方が遅いため、4種類とも粗熱が取れてから冷蔵庫でひと晩かけて冷やし固めました。

画像: ペクチンは固まらず……。

ペクチンは固まらず……。

砂糖水ゼリーの完成です。「ゼラチン」「寒天」「アガー」はいい感じに固まっていますが、「ペクチン」はドロッとしたアメーバー状態。ペクチンは、砂糖水だけではゼリーになりませんでした。

実のところペクチンは、ゼリーを作るにはコツが必要な凝固剤です。前項で紹介したように、強めの酸と大量の糖、またはカルシウムやマグネシウムを含む液体でないと固まりにくい性質があるのです。

透明なゼリーを作りたい時は「ゼラチン」か「アガー」がおすすめ

透明感を比較してみます(ゼリーにならなかったペクチンは除外)。「ゼラチン」と「アガー」の透明感が際立っています。写真では全体の透明感はゼラチンの方がクリアに感じますが、スプーンなどでゼリーを砕くとアガーはガラスのようにキラキラ輝き、キレイです。「寒天」は白濁し、かろうじて「特選街」の文字が見える程度。透明感のあるゼリーを作りたい場合は、ゼラチンかアガーが適していることが分かりました。

画像: 透明感は、ゼラチンとアガーがいい勝負で甲乙つけがたいです。

透明感は、ゼラチンとアガーがいい勝負で甲乙つけがたいです。

切れの良さは「寒天」、ぷるるん感・口どけ感は「ゼラチン」と「アガー」に軍配!

次に、切れの良さ、ぷるるん感(弾力)、口どけ感を比べてみましょう。

【切れの良さ】寒天>ゼラチン>アガー>ペクチン

寒天の切れ味が特徴的。表面が固めで弾力に欠ける分、スプーンだけでスパッと切れます。ゼラチンは表面が柔らかくスプーンが抱き込まれるように入り、すくいやすい。アガーは表面の柔らかさはゼラチンに近いのですが、粘りがあり、ゼラチンと比べるとスプーンですくいにくく感じました。ペクチンは判定できませんでした。

【ぷるるん感(弾力)】ゼラチン&アガー>ペクチン>寒天

ゼラチンとアガーは、適度な弾力とふるふる感のバランスが秀逸。ペクチンと寒天はぷるるん感には乏しく、ペクチンはトロッとした粘りが口の中に残り、寒天はホロッと歯切れが良い口当たりです。

【口どけの良さ】ゼラチン>アガー>ペクチン>寒天

ゼラチンの口どけの良さが群を抜いています。口の中で優しく溶けてゆく印象。アガーも、わらび餅のような喉ごしの良さがあります。ペクチンは、やや口の中で貼りつく感覚がありました。寒天は口の中で容易に噛み砕けてチュルッと飲み込めるものの、口どけ感はなく、喉ごしの良さを楽しむものだと実感しました。

画像: 切れの良さは「寒天」、ぷるるん感・口どけ感は「ゼラチン」と「アガー」に軍配!

というわけで、透明感・ぷるるん感・口どけ感の良いゼリーを作りたい場合は、ゼラチンとアガーがおすすめ。歯切れと喉ごしの良いゼリーなら、寒天をおすすめします。

「寒天」の適量は0.8%濃度でコスパ良し

なお、寒天は2%濃度ではゼリーとして食べるには固すぎるようです。濃度を変えて作ってみたところ、0.8%程度の濃度が理想的だと分かりました(*4)。少量で液体を固められる寒天は、4種類の中で最もコスパが良いといえそうです。

(*4)作りたい液体量×0.8÷100が粉寒天の使用量の目安です。300mlのジュースを使ってゼリーを作る場合、300×0.8÷100=2.4gが粉寒天の使用量となります。

画像: 「寒天」の適量は0.8%濃度でコスパ良し

「ゼラチン」は夏の暑さが弱点

ゼラチンで作ったゼリーは暑さに弱く、室温20℃以上で溶け始めます。試しに夏の気温と湿度に近い35℃の環境(オーブンの発酵機能を活用)に10分放置したら、ご覧の通り。

画像: ゼラチン、跡形もなし。

ゼラチン、跡形もなし。

ゼラチンは見事に溶け崩れたのに対し、寒天とアガーはゼリーの状態を維持し続けました(ペクチンは論外)。つまり、ゼラチンゼリーは家で作って食べるなら問題ありませんが、真夏に屋外で持ち歩くと溶けてしまう可能性が大です。気をつけましょう。

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