【爆笑自由研究】小5娘が書いたレポートどおりに生イカをベランダで干してみたら…<さきいかの作り方>

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納戸の整理をしていたら、ウチの娘(24歳)が小学5年生のときに書いた、自由研究のレポートが出てきた。テーマは「さきイカの作り方」。さきイカは娘の大好物。レポートとしては穴だらけなのだが、手作りのさきイカはおいしかった記憶が……。娘のレポートをもとに、さきイカを作ってみることにした。

大好物のさきイカを自由研究で作った娘

さきイカ工場の動画が参考資料

娘が14年前に書いたレポートには、一応、出典(参考資料)が記されていた。「サイエンスチャンネル」というサイトで動画を見たらしい。

小学5年生にしてはひらがなが多い。

このサイト、今もあるのかなあ。

探してみたら、あった!

▼サイエンスチャンネル THE MAKING (143)さきイカができるまで

北海道のさきイカ工場で、製造過程を記録した動画だった。思わず見入ってしまう。それにしても娘、大量のイカを大きな機械でゆでたり焼いたりする動画を参考にして、手作業でさきイカを作ったのか。おもしろすぎる。

調味料の量が謎

娘のレポートには、「自分の家で作れるように、少し変えて作った」と但し書きがある。ただ、調味料として塩と砂糖を使うのだが、この量をどのように算出したのか、どこにも書いていない。先述の動画には調味料の量は出てこないので、もう一つの参考資料『イカ』(成山堂書店)かも?

ざっくりとした参考文献の紹介。筆者に「さん」づけ。

娘のレポートでは、イカ120gに対し、砂糖6gと塩2.76gを2回に分けて加えている。砂糖はイカの5%か。塩はイカの2.3%? 妙に細かいのが気になる。

県立図書館で調べる

「県立図書館で本を借りた」と書いてあるので、閉館間際の県立図書館に行って『イカ』という本を探す。検索機で調べたら、「産業」の棚にあることが判明。小5の娘、よくこんな本を見つけたな。

この本に「さきイカ」についての記述があるとは!

該当のページはここ。ソフトさきイカ調味料の配合例として、スルメイカ(A)と赤イカ(B)が挙げられている。娘はスルメイカの「砂糖5.0%」「塩2.3%」を採用したのだった。うん、正しいんだけど、出典はちゃんと書こう。

唐辛子も少し入っているんですね。

レポートのとおりに作ってみる

さきイカの原料はスルメイカ

イカといっても種類がいろいろある。スルメイカ、ヤリイカ、ホタルイカ、コウイカ(コブシメ)など。サイエンスチャンネルの動画ではスルメイカを使っていたので、娘もスルメイカを使った。私もスルメイカを使う。スルメイカ、けっこう高い。1杯375円(税込み)。

ピチピチツヤツヤのスルメイカです。

胴体だけを使う

ミミと呼ばれる部分を切り取り、足や内臓、骨も取り除く。使うのは胴体だけ。胴体部分の重さは81gだったので、砂糖4g、塩2g弱を用意。調味料は2回に分けて入れるので、それぞれ半分に分けておく。

取り除いた部分は、別途おいしくいただきました。

ゆでてから1回目の味つけ

娘のレポートには「水洗いをしてから、80~90度のお湯でゆでる」と書いてある。時間は書いていない。サイエンスチャンネルの動画では1分半だったので、それに準じる。くるんと丸まって赤くなったイカを、氷水で締める。

このまま生姜醤油で食べてしまいたい。

ここで1回目の味つけをする。ビニール袋にイカを入れ、前半の調味料(砂糖2g、塩1g弱)を加えて手でもむ。冷蔵庫で一晩おく。

さきイカの気配はまだない。

天日干しする

調味して一晩寝かせたイカを、乾燥させる。さきイカ工場では機械干し(45℃で4~6時間)だが、自家製は贅沢に天日干しだ。

娘、後半は息切れしたのか、イラストが少ない。

ちなみに娘のレポートでは、味つけのたびに塩と砂糖の全量が記載されていて、このまま作ると倍量使うことになる。実際には半分にした数字を書くべきなのだが、娘に指摘すると怒ってしまうので(そういう性格)、私も夫も、もしかしたら担任の先生も、見て見ぬふりをしたのだと思われる。

イカの先に穴をあけてタコ糸を通し、虫や鳥に食べられないようにシート(不織布のゴミ袋)をかけて物干し竿に掛ける。すでにさきイカのにおいがする。朝9時半から夕方4時半まで、日光と風に当てた。

洗濯物と一緒に干されるイカ。

「さきイカ」って「裂きイカ」?どうやって裂くの?

冷凍庫で味をなじませる

干したイカを、一度冷凍して味をなじませる。工場ではマイナス23度の冷凍室に数週間入れるが、娘のレポートではなぜか2日間に短縮されていた。夏休みの終わりが迫っていたのかもしれない。私も娘に準じて、2日間の短縮スタイルにした。

このまま焼いて食べたい誘惑に駆られるが、我慢して冷凍庫へ。

鉄板で表裏を焼く

冷凍庫から出したイカを、鉄板で焼く。工場では、イカを鉄板で挟み、130℃で6分間焼く工程。自宅では、フライパンにイカを乗せ、その上に重い鍋で重石をして、表6分、裏6分焼いた。

100均のスキレットが活躍。

イカを「さきイカ」にする

工場では、刃先のとがった機械が猛スピードでイカを裂いていく。が、自家製は手作業。娘のレポートにも「さく(手で)」「うっているようなさきいかっぽくさくのは大変!(ひらがな多い)」とある。さきイカ制作の過程で、これが最も手間かもしれない。途中で嫌になるが、これをやらないと「さきイカ」にならないので頑張る。

横方向へ裂いていく。手がベトベトになります。

2回目の味つけ

さきイカをビニール袋に入れ、後半の調味料(砂糖2g、塩1g弱)を加える。袋を振って味をなじませる。

仕上げの乾燥

工場では、50℃で10~15分乾燥させていたが、娘のレポートでは、日の当たる場所に30~50分干すことになっている。娘の言うとおり、不織布の袋に入れて炎天下にぶら下げた。取り込むのを忘れて、5時間ほど干してしまった。

ベランダの手すりにぶら下げた。カラスが来なくてよかった。

出来上がり!

81gの生イカが、28gのさきイカに生まれ変わった!重さは約1/3。というか、375円の生イカからできるさきイカが、28gとは……。さきイカ、「高級つまみ」ではないか。あの労力を考えたら、もっと高価になってもおかしくない。「乾きもの」は高いイメージがあったが、納得である。

最後にちょっと干し過ぎた。もう少しソフトでもよい。

よく見ると、娘のレポートにも「さきイカについて初めから知っていたこと、思っていたこと」というところに、「量のわりに値段が高い」と書いてあった。小5の娘、もしかしてお小遣いでさきイカを買っていたのか。

そういえば娘、遠足のおやつにも必ずさきイカを持参していた。

食べてみると、マイルドでおいしい。もちろん保存料や安定剤などは無添加だが、すぐに食べきれる量なので問題ない。舌にピリピリくる刺激もなく、実に美味。これはいい。

まとめ

さきイカの完成を祝して乾杯。

「さきイカの原料はイカ」だと、頭ではわかっていた。しかし実際に、その工程を自分の目と手で確かめたことはなかった。「生イカ」が「さきイカ」に変身していく様は、想像以上におもしろい。困ったことに、「サイエンスチャンネル THE MAKING」には、「カニ風味かまぼこ」や「かつお節」「ちくわ」「コンビーフの缶詰」などがある模様。ぼんやりと、「何を作ろうかな」と考えている自分が怖い。

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