今回は2021年5月末に発売された、新型iPad Proについてご紹介します。タブレットPCの代名詞的な存在となっているAppleのiPad。中でも、最上位モデルにあたるiPad Proに注目が集まっています。これまでのiPadシリーズには、モバイルデバイス向けのチップセットが搭載されていましたが、2021年5月末に発売された最新モデルでは、MacBookやiMacなどのPCと同じM1チップセットが搭載されたのです。ここでは、その実力について詳しくご紹介します。

実際に使ってみた!

M1チップセットの恩恵は受けられる?

iPadへのM1チップセット搭載は、Appleファンにとって非常に大きなニュースでした。筆者も発売と同時に11インチモデルを購入。そこで、ここからは実使用でどのくらいM1チップの恩恵を受けられるのかという点をご紹介します。

画像: M1チップの恩恵は受けられるのでしょうか(写真はイメージ/Pexels)

M1チップの恩恵は受けられるのでしょうか(写真はイメージ/Pexels)

現状ではM1である必要性はあまり感じられない

スペックの面で大きな衝撃を与えた新型iPad Proですが、実際に使用してみるとその進化はそれほど体感できませんでした。もちろん、これが初めてのiPadであれば、その動作の軽快さやApplePencilの便利さに衝撃を受けるかもしれません。

しかし、少なくとも2018年以降のiPad Proや、2020年モデルのiPad Airや無印iPadを使用していた方にとっては驚くほどの違いはありません。

これは、もともと近年のiPadシリーズがかなり優秀なデバイスだったためでもありますが、最大の理由はM1チップセットの性能を十分に活かすことができるアプリがほとんど存在しないという点です。

一般的にデジタルデバイスで行う重い作業というと、動画や画像編集などが挙げられます。実際に、今回のモデルで動画編集アプリの「Luma Fusion」や「Premiere Rush」、画像編集アプリの「Photoshop」などを使用してみましたが、非常に快適に使用できました。動画の書き出し速度なども十分で、動画編集ツールとしても十分すぎる性能を発揮してくれます。

画像: www.apple.com
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とはいえ、以前のモデルでこれらの作業ができなかったわけではありません。特に、2020年のiPad ProやiPad Air、無印iPadであっても十分に動画編集などは可能です。さすがに書き出し速度などには差がありますが、不満を感じるほどでもないのです。

もちろん、いずれはM1チップセットの性能をフルに活かすことができるアプリが登場することになるでしょう。また、今後のアップデートによって、MacのアプリがiPad OS上で使用できるようになる可能性も残されています。そうなれば、今回の新型iPad Proは大きな力を発揮してくれることでしょう。しかし、必ずしも「今すぐ必要」なデバイスであるとは残念ながら言えません。

先日発表されたiOS15によって、Mac用アプリの一部がiPadで使用できるようになるのでは?という噂もありましたが、現時点では公式のアナウンスはありませんでした。そのため、iPad Proの非常に高いスペックをフルに活かせるのはもう少し先になりそうです。

ただ、誤解しないでいただきたいのは、今回のiPad Proが決して「買いではない」というわけではありません。スペック、性能は間違いなく最強クラスです。現状のiPadシリーズの完成形であると言ってもいいでしょう。なので、高性能なタブレットを求めるのであればとても魅力的な選択肢です。

iPad ProはPCの代わりになり得るのか

はじめてiPad Proの購入を検討している方にとって、気になるポイントのひとつが「PCの代わりになるのか」という点でしょう。もともと、ProシリーズはPCと同等、あるいはそれ以上の性能が謳われてきました。それだけに、MacBookと比較検討している方も多いようです。

iPad Proはもっとも安価な11インチ、128GBストレージのモデルで94,800円(税込)となっています。それに対して、同じM1チップを搭載した現行のMacBook Airは256GBストレージモデルは115,280円(税込)です。その価格差は約2万円ですが、PCスタイルで使用するために必要なMagic Keyboardが34,980円(税込)〜、Smart Keyboard Folioが21,800円(税込)〜なので、合計するとMacBook Airと同等か、より高価になってしまいます。

この価格を考えると、PCとしての性能や使い勝手を期待してしまう方も多いでしょう。

もちろん、PCにもさまざまな用途がありますが、根本的にPCとタブレットでは設計が異なっています。タブレットはあくまでタッチ操作を前提として設計されていますので、完全にPCスタイルで使用する上では不便な点も少なくありません。

実際に筆者も、普段の仕事をすべてiPad Proでこなせるのか試してみました。

専用アプリが用意されていますので、GoogleドライブやOffice、Photoshopなどは問題なく使用できます。なので、原稿の作成や画像編集などは問題なく行えました。シングルタスクであればマウス、キーボードを接続することで、PCと同じような感覚で使用できます。Photoshopによる画像編集においては、ApplePencilが使用できる分、より快適だったほどです。

一方で、マルチタスクになると一気に不便になります。iPad OSでも複数のアプリを同時に立ち上げ、画面を分割して同時に使用できます。しかし、操作性は決して快適とは言えず、必要なウインドウをすぐに呼び出せなかったり、ファイルの保存場所が限定されてしまったりといったデメリットばかりが目につきました。

また、PCのようにサブディスプレイに接続して画面拡張を行うこともできません。iPad Proには映像出力に対応したThunderbolt3が搭載されています。ここに対応ディスプレイを接続可能ですが、ミラーリングのみの対応で、画面拡張は不可です。

このように、完全にiPad ProをPCと同じような感覚で使用するにはまだまだハードルがあります。

まとめ

画像: タブレットの中では最強クラスです(写真はイメージ/Pexels)

タブレットの中では最強クラスです(写真はイメージ/Pexels)

PCと同様のM1チップセットを搭載したことによって大きな話題を呼んだiPad Pro。そのスペックは間違いなく現在市販されているタブレットの中でも最強クラスにあたります。しかし、まだまだその性能をフルに発揮できる環境が整っていないといった課題も少なくありません。ただ、非常に魅力的なデバイスであることに変わりはありませんので、十分に購入を検討する価値はあるでしょう。

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