体力勝負の夏こそ、ビタミン豊富な野菜を食べたいもの。でも、暑いと加熱調理を避けたい気持ちもあり、サラダや酢の物、冷たい麺類の薬味など、思いつく料理も少なめです。そこで、1食で野菜1日必要量(350g)の半分以上を食べられる、野菜たっぷりのドライカレーレシピをお届します。思い立った時にすぐ作れるよう市販のカレールウを使い、長時間煮込まないので暑い夏でも作るのが苦になりません。冷凍保存しやすく、ドリアや焼きそばにアレンジも簡単。夏休みの“昼めしバリエ”に加えていただけたら嬉しいです!

ドライカレーは三大栄養素のバランスも優秀

このドライカレー1食分に含まれる野菜は、約200g(きのこ類の「しめじ」も含む)。1日必要量350gの半分以上を充します。また、ビタミンB1とビタミンCは1日推奨量の1/2〜1/3、カリウムは1日目標量の1/3弱、食物繊維も1日目標量の1/3以上を摂ることができます(*3)。野菜をたくさん食べると自ずとビタミン、ミネラル、食物繊維を摂ることができるのが改めて分かりました。詳しい栄養成分は次の通りです。
*3)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」より→食物繊維の1日目標量:18g以上(女性15〜64歳)、カリウムの1日目標量:2600mg以上(女性15歳以上)、ビタミンB1の1日推奨量:1.1mg(女性18〜74歳)、ビタミンCの1日推奨量:100mg(男女12歳以上)

《ドライカレー1食分の栄養成分表示》ごはん150gと一緒に食べた場合

・エネルギー:469kcal(キロカロリー)
・たんぱく質:16.2g
・脂質:15.0g
・炭水化物:74.4g
・食物繊維(総量):6.5g
・カリウム:713mg
・ビタミンB1:0.46mg
・ビタミンC:76mg
・塩分(食塩相当量):1.4g
※香川明夫監修『八訂 食品成分表2021 本表編』女子栄養大学出版部,2021年 記載データより筆者が栄養計算、エネルギー量は小数点以下四捨五入、その他は小数点一位以下小数点1位以下四捨五入

また、エネルギー量に対して、三大栄養素(たんぱく質・脂質・炭水化物)をこれくらいの割合で食べると健康的!という指標(『エネルギー産生栄養バランス(PFCバランス)』)も、目標値をクリア(*4)。1食で野菜と三大栄養素がバランスよく摂れる「夏の健康ドライカレー」といえそうです。
*4)「日本人の食事摂取基準(2020年版)」によるエネルギー産生栄養素バランスでは、エネルギー量に対して、P(たんぱく質):13〜20%、F(脂質):20〜30%、C(炭水化物):50〜65%が目標量として設定されています。今回のドライカレー1食分あたりP:14%、F:29%、C:63%(小数点以下四捨五入)で目標量をクリアします。

このレシピは、一年を通して手に入りやすい野菜を使っているので(枝豆を除く)、季節を問わず作ることができます。冷蔵庫の残り野菜を一掃したいときに思い出していただけたら幸いです。

画像: 野菜+大豆の水煮缶で作ったドライカレーの応用例。

野菜+大豆の水煮缶で作ったドライカレーの応用例。

多めに作って冷凍保存すればアレンジが楽ちん!

ドライカレーは汁気が少ないので冷凍保存しやすく、アレンジしやすいメリットもあります。1人前ずつフリーザーパック(保存袋)に入れ、なるべく平らに薄くのばして冷凍するのがポイント。場所を取らずに保存しやすく、使いたい日の前夜に冷蔵庫に移して解凍すればOK。半解凍程度でも手で割りほぐし、使いたい量を取り出しやすくて便利です。

画像: 冷凍保存したドライカレーは1ヵ月程度を目安に食べきりましょう。

冷凍保存したドライカレーは1ヵ月程度を目安に食べきりましょう。

味変レシピ①カレードリア

グラタン皿にバターを塗ってごはんを入れ、半解凍したドライカレーを割りほぐして広げます。その上にピザ用チーズをのせ、オーブントースターや魚焼きグリルで10分程度焼けばOK(火加減・加熱時間は調整を)。チーズのうえにパン粉を振ると、焼き目がきれいにつきます。

画像: ドリアの焼き上がりを待つ時間にサラダも作れます。

ドリアの焼き上がりを待つ時間にサラダも作れます。

味変レシピ②カレーピザ

ピザ生地にトマトソースを塗り、半解凍ドライカレーを割りほぐして散らします。その上に、ピザ用チーズを広げ、オーブントースターで900〜1000W・10分程度焼けばOK(火加減・加熱時間は調整を)。ピザ生地とトマトソースは、市販品を活用すると時短になりますが、手作りも簡単にできるので、関連記事をご参考あれ。また、食パンにピザ用チーズと冷凍ドライカレーをのせて焼くだけでも、ピザ風トーストになります。

画像: 好みでハーブ(写真はローズマリー)を散らせば風味アップ。

好みでハーブ(写真はローズマリー)を散らせば風味アップ。

【関連記事】→【ピザを手作り】生地もソースも簡単!

味変レシピ③カレー焼きそば

最後は、カレー焼きそばです。ホットプレートを使えば、子どもたちに「自分たちで焼いて食べて!」ということも出来そうです。ホットプレートをよく温めて油を敷き、キャベツ(数枚をちぎっておく)、もやし(ひげ根は取り除く)、やきそば用の蒸し麺、水少量を加え、麺をほぐすように下焼きします。解凍したドライカレーを麺の上に広げ、フタをして2〜3分蒸し、仕上げにドライカレーと麺をよく絡めれば完成!半解凍ドライカレー場合は、蒸し時間を長めにしてください。少し焦げやすいので、その点だけ注意してください。麺とドライカレーだけでも作れますが、キャベツともやしを追加する方がボリュームが増し、より多くの野菜が摂れます。

画像: 仕上げに好みでウスターソース(大さじ1程度)を加えても美味しいです!

仕上げに好みでウスターソース(大さじ1程度)を加えても美味しいです!

ほかにも、電子レンジなどで再加熱したドライカレーを、ゆでて冷やしたうどんや中華麺の上からかければ、カレー風味のジャージャー麺に(きゅうりの細切りを加えると、よりそれっぽい!)。サンドイッチやホットサンドの具にしても美味しそうです。たくさん作って冷凍ストックしておけば、時間がないときや献立に困ったとき、夏休みのランチなど、お家ごはんのお助けメニューとして活躍してくれることでしょう。

夏バテ対策に摂りたいビタミン&ミネラル

最後に、夏バテ解消のために補給したいビタミンとミネラルについてお伝えします。いずれも、今回お届けしたドライカレーにも含まれています!

ビタミンB1

「疲労回復のビタミン」と呼ばれ、炭水化物に含まれる糖質をエネルギーに変えて疲労回復を助けます。冷たい麺類や甘いお菓子、清涼飲料水やビールが好きな人は、糖質をエネルギーに変えるためにも、より意識して摂るようにしましょう。豚肉、うなぎ、玄米、大豆製品、枝豆などに多く含まれ、アリシンを含む玉ねぎ、にら、にんにくと一緒に摂ると吸収率がアップします。その相性の良さを生かしたスタミナ食の好例が、ぎょうざ、レバニラ炒めです。

ビタミンC

強い抗酸化力があり、日焼けやシミの原因となるメラニン色素の生成と沈着を防ぐ働きがあります。また、血管、筋肉、骨、皮膚などの細胞同士をつないぐ役割を担うコラーゲンをつくるために不可欠。たんぱく質と一緒に摂ることで、コラーゲン生成が促されます。夏の肌ストレスをケアする強い味方といえそう。野菜では、赤・黄パプリカ、キャベツ、ブロッコリーなどに多く含まれます。喫煙やストレスによって消費されやすいため、当てはまる人はこまめに補給を。

ビタミンA(β-カロテンなど)

緑黄色野菜に多く含まれるβ-カロテンは体内でビタミンAに変わり、免疫力低下などを引き起こす活性酸素の働きを抑え、取り除く働きがあります。活性酸素は激しい運動や紫外線、ストレス、喫煙などで増えやすいので、たくさんのストレスが重なる夏は意識的に摂取を。また、ビタミンAはのど、鼻、消化器などの粘膜を正常に保ち、細菌の感染を防ぐ働きも期待できます。

カリウム

体内の水分バランスを保つ働きがあるミネラル。ナトリウムと協力しあって血圧の調整や筋肉の収縮にもかかわり、不足すると筋肉の痙攣や運動能力の低下を招きます。水分に溶けやすいので煮汁ごと食べられる調理法(カレーやスープなど)がおすすめ。野菜、豆類、果物などに多く含まれます。

このほかに、お酢やレモン、梅干しなど、すっぱい食べ物も疲労回復をサポートする働きがあります。また、筋肉や体の機能を調整するホルモンを作るたんぱく質も、不足するとスタミナ不足に陥りやすいので積極的に摂りましょう。ビタミンB1も含む豚肉や鶏むね肉、ビタミンB1とビタミンAも含むレバー、うなぎがおすすめです。

まとめ

今年の夏は、猛暑のストレスや紫外線のダメージに加え、長引くコロナ禍の影響もあり、例年以上に疲れがたまりやすい夏となりそうです。野菜をもりもり食べて、夏バテに打ち克ちましょう。

※参考文献:香川明夫監修『八訂 食品成分表2021 本表編・資料編』女子栄養大学出版部,2021年、飯田薫子・寺本あい監修『一生役立つ きちんとわかる栄養学』西東社,2019、中村丁次監修『栄養素図鑑と食べ方テク』朝日新聞出版,2017、足立香代子監修『決定版 栄養学の基本がまるごとわかる事典』西東社,2015

文◆野村ゆき(栄養士・編集ライター)
編集ライター歴25年以上。食と栄養への興味が高じて、栄養士免許と専門フードスペシャリスト(食品流通・サービス)資格を取得。食品・栄養・食文化・食問題にかんする情報を中心に分かりやすい記事をお届けします。今回のドライカレーは、母が夏によく作ってくれた愛情カレーが原点です。優しい辛さで子どもにもおすすめです。

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