【シガーソケットUSB】おすすめは5V2.4A(12W)タイプ 2ポート24Wにしておけばとりあえず十分で安心

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クルマのシガーソケットから電源をとり、USBに変換。スマホはもちろん、タブレットやIQOS、人によってはノートパソコンの充電を日常的に行っているかもしれません。しかし、このシガーソケットからUSBへの変換アイテム(以下、シガーソケットUSB)自体には気を配っていないという方も多いのではないでしょうか。実際、筆者も近所の100円ショップで購入したシガーソケットUSBを、何も考えずにしばらく愛用していました。ところが、シガーソケットUSBをしっかり選ぶことで、車内充電環境は大きく向上。このポイントを紹介していきます。

執筆者のプロフィール

齋藤千歳(さいとう・ちとせ)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在は昨年8月に生まれた息子と妻の3人、キャンピングカー生活にハマっており、約1カ月かけて北海道を一周するなどしている。

5V1.0A(5W)タイプなら即買い替えがおすすめ

100円ショップでも高速充電モデルが売られている

クルマのシガーソケットから電源をとってUSB端子に変換するアイテム。さまざまな名称で呼ばれているようですが、この記事では「シガーソケットUSB」とします。

毎日のように使っている方も多いでしょう。しかし、自分が使っているシガーソケットUSBがどんなものなのかを、しっかりと把握している方は少数派なのでは?実際、筆者も近所の100円ショップでなんどなく購入した100円のシガーソケットUSBを、何も考えずに愛用していました。

近所の100円ショップで購入したシガーソケットUSB。5V1.0Aまでの電流に対応しています。

スマホもタブレットも充電できるし、特に不便は感じませんでした。自宅の家庭用電源から充電しているときよりも時間がかかるけど、「クルマのシガーソケットだから、こんなものなのでは」と思っていたのです。

ところが、車種によって多少違いあるものの、クルマのシガーソケットはだいたい12V10Aで120Wと、けっこう大きな電力を供給する力があります。ですから、シガーソケットからの電源を供給しているUSB端子で充電をしたときに、充電が遅くなったり、充電できないタブレットがあったりするのは、シガーソケットUSB側の問題であることが多いのです。

実際にシガーソケットに装着した様子。軽くて小さくて、しかもリーズナブルですが、性能的には……。

筆者と同じように、あまり調べることなく、100円ショップなどで安いものを購入した人や、かなり古いものをずっと使っている人は、シガーソケットUSBをよく見てください。OUTPUT「5V1.0A」や「5W」のタイプなら、すぐに買い換えることをおすすめします。気が付いていないだけで、充電速度はとても遅く、タブレットの種類などによっては充電すらできないことがあるのです。

そのため最近では、100円ショップでも(100円ではないことはほとんどですが)、「5V2.4A」「12W」に対応したものも販売されています。100円ショップで新しく買うなら、(100円ではないことはほとんどですが)そちらのほうがおすすめです。

実際に、シガーソケットから5V1.0A(5W)タイプを使って、ノートパソコン(MacBook Pro 2017 13インチ)に電力を供給してみましたが、5.07V・0.97Aしか流れませんでした。

5.07V・0.97Aしか流れませんでした。

5V1.0A(5W)タイプの電力では、さすがにノートパソコンの充電はできませんでした。当然ともいえる結果です。

5V2.4Aの12Wタイプで十分

電圧表示できるタイプでも1000円以下で買える

前項で見てきたように、5V1.0Aでは、最大120Wまで供給ができるシガーソケットの電力を、5Wしか使っていません。そして、高速充電などにはまったく対応していないので、すぐに買い換えるのがおすすめです。しかし、どんなものに買い換えるのが正解なのでしょうか。

残念ながら、USBを使った電源供給の規格は、ユニバーサル・シリアル・バス・インプリメンターズ・フォーラム(USB-IF)のUSB BC、USB Type-C Current、USB PD、さらにメーカー独自のUSB QC(Quick Charge)、PowerIQ、AppleやHuawei、Samsungの独自規格などが乱立。さまざまな資料を何度読んでも、筆者には「これが正解」といえる結果を導き出せません。

そこで、現状においては、自分が所有しているシガーソケットUSBで使いたい機材が、それぞれの独自規格などに対応していない、もしくはより高速な充電が可能になる独自規格を使わないなら、5V2.4Aの12Wタイプで十分と考えます。さらに、同時に2台のデバイスを充電することも考えると、2ポートで合計24Wにまで対応したものを、とりあえず選択するのが安パイだと思われます。

実際、筆者も「車載充電器 カーチャージャー PSE認証 4.8A 2USBポート USBケーブル付き 」をAmazonで購入しました。価格も1000円を切る程度とリーズナブルですし、キャンピングカーのバッテリーからシガーソケットUSBを使うことも多い筆者は、電圧の表示が出るタイプがほしかったのです。

筆者は電圧が確認できるものが欲しかったので、こちらを選択。iPhoneの高速充電規格のひとつである12Wに対応しているのもポイントです。

車載充電器 カーチャージャー PSE認証 4.8A 2USBポート USBケーブル付き 電圧計 12V/24V車対応 スマホ急速充電 iPhone iPad Samsung Galaxyなと対応 (ブラック)
【 安心安全な保護機能・電圧計 】 PSEマーク付きの電気用品で技術基準の適合性が確認され、過電圧、過電流、過熱、および回路のショートを防げ、急速かつ安全な充電を提供できます。または、電圧表示機能も付いて、電圧異常を検知し、カーバッテリーを保護できます。
【 2台同時に充電 ・ 出力自動判別 】 2USBポート搭載しているので、合計出力:4.8A、車内で家族全員分の機器を同時に充電できます。それに、出力自動判別機能により、接続されたデバイスに応じ、自動的に最適な電流で出力します。従来の充電器より安定な充電可能です。
【 超小型・Type C USB充電ケーブル付き 】 超軽量化・コンパク…
¥999
2021-08-16 6:58

実際、12Wタイプだと、iPhone 6以降が対応するApple独自の急速充電規格である最大5W、最大10W、最大12Wのすべての規格に対応することができます。これより高速なものは、USB PDにも対応する仕組みです。

シガーソケットに装着して、iPhone 8 Plusに電力を供給すると、5.1V・2.03Aで電力を供給していることが表示されました。

また、充電に5V2.1Aといった電力が必要なiPadなどのタブレットも、5V2.4AタイプのシガーソケットUSBなら充電が可能になっています。ただし、iPadもUSB PDに対応するものは、対応するシガーソケットUSBを使うことで、さらに高速に充電されます。

5V2.4A(12W)タイプのシガーソケットUSBでは、デバイスによっては最高速で充電することはできませんが、5V1.0A(5W)タイプと比べると高速で充電が可能なデバイスも多く、電力が足りず充電自体ができないというトラブルも少なくなります。また、2ポートタイプで1000円程度購入できるリーズナルブルさという点でも、特にこだわりがないのなら、現状は5V2.4A(12W)タイプを購入しておくのが最も失敗が少なく、だれにでもおすすめできる選択肢といえます。

USB PDやQCへの対応

ノートパソコンの充電をするなら必須?

5V2.4A(12W)タイプのシガーソケットUSBに変更してから、デバイスによっては最高速度での充電は行えないものの、5V1.0A(5W)タイプを使っていた頃に比べると、圧倒的に快適な車内充電環境に満足していました。

しかし、ある日、何気なく我が家のノートパソコンMacBook Pro 2017 13インチに、5V2.4A(12W)タイプのシガーソケットUSBから電源供給をしてみたのです。すると、電気は供給されますが、バッテリーは充電されない状態に。

ノートパソコンに電力を供給すると4.86V・2.34Aで電力が流れていることが確認できました。5V1.0A(5W)タイプに比べて、かなり電力が大きいです。

5V2.4A(12W)タイプであれば、多少時間は掛かっても、ノートパソコンの充電が可能になるかと期待しましたが、バッテリーは充電されませんでした。

それまで、ノートパソコンの充電が必要なときは、AC100Vへの変換用コンバーターを積み、さらにACアダプターを使って電源を供給していたので、「そうか、USBからでも電源供給ができるのだ」と、このとき初めて試してみたのです。

冷静に考えてみると、クルマで出掛けるときに毎回ノートパソコンのACアダプターを持っていくのは、かなり面倒。なにせ、筆者のパソコン本体が約1,370gなのに対してACアダプターが約200gと、本体重量の約15%もあります。そして、持ち出す度にACアダプターを電源から外す作業自体が、タコ足配線の状況では面倒なのです。

そこでシガーソケットUSBから直接電源供給、充電ができないかと考えました。

調べてみると、MacBook Pro 2017 13インチは「61W USB-C電源アダプタ」が付属しており、USB PD 2.0に対応。61W以上に出力があるUSB PD 2.0に対応するシガーソケットUSBであれば、電源の供給だけでなく、充電もできるはずです。

この条件で購入したのが「65W カーチャージャー USB シガーソケット 急速充電 車載充電器」。

MacBook Pro 2017 13インチを充電・動作させたいので、USB PD 2.0以上に対応する61Wより大容量のシガーソケットUSBを選択しました。

65W カーチャージャー USB シガーソケット 急速充電 車載充電器 Type-C USB-C PD3.0 QC3.0 LED電圧計 MacBook Pro iPhone iPad iPod Galaxy Xperia Huawei Android Nintendo Switch IQOS等対応
დ【65W超急速充電対応】:軽量で、小サイズ。QC3.0とPD3.0の2ポートのデザインで、TYPE-Cシングルポートは最大65Wで出力、USBシングルポートは最大18Wで出力です。 スマートフォン/ノートパソコン/ワイヤレス充電スタンドへの急速充電、また、タブレット/モバイルバッテリーなどの電源ポートにも対応。★★★ダブルポートを同時に使う場合、最大4.2Aの充電に対応しますので、ご了承ください。※※※ハイパワー利用する場合、ハイパワーに対応するケーブルをお使いください。
დ【12V~24Vの全て車種を対応】:本製品は乗用車だけではなく、ミニパン&油圧ショベルなどともパワーの電圧が範囲…
¥2,680
2021-08-16 7:02

価格は2680円。最初は100円のシガーソケットUSBを使っていたことを考えると、約27倍の価格です。5V2.4A(12W)タイプと比べても、3倍近くの価格。シガーソケットUSBとしてはかなり高価です。しかし、パソコンのACアダプターと考えるなら、Apple純正の「61W USB-C電源アダプタ」は約7500円ですので、かなり安価ともいえます。

ほかのふたつに比べて、完全にひとまわり以上大きな印象です。またUSB PDも対応するので、USB-C端子が装備されています。

「65Wまではいらないのでは?」という意見もあるでしょうが、USB-Cのハブに電源供給して外部モニターや外付けハードディスクなどにも電源を供給して使うことがあるので、電力に余裕を見ての選択です。実際、外部モニターや外付けハードディスクを同時に使用しても、問題なく動いています。

さらに、筆者はiPhone 8 Plusを使っているのですが、iPhone 8以降ではUSB PDに対応したUSB-C-Lightningケーブルで接続すると、5V2.4A(12W)タイプのシガーソケットUSBよりも高速に充電を行うこともできます。また、USB QCに対応するシガーソケットUSBを使えば、ノートパソコンなどの大きな電力を必要とするデバイスも駆動・充電できて、とても便利です。

ただし、大きな電力を供給するUSB PDやQCなどの規格は、はっきりいって素人にはよくわからないレベルで乱立状態。そのため、将来性を見越してというよりも、いま手持ちのどのデバイスを動かしたいかで購入することになります。そのため、5V2.4A(12W)タイプ以上に高性能なシガーソケットUSBを購入するときは、自分がどのデバイスを動かしたいのか、そして、そのデバイスを動かすのに、どの規格に対応した、どの程度の電力が確保できるシガーソケットUSBが必要なのか、しっかり確認して購入しましょう。

筆者の場合、自分のノートパソコンを動かしたいという目的がはっきりしていたので、クルマで出掛けるときは、ほぼACアダプターを持ち歩く必要がなくなり、とても満足しています。

とはいえ、単純にノートパソコンをクルマのなかで動かしたいなら、シガーソケットUSBから大きな電力を供給しなくても、DC12VからAC100Vへのコンバーターを使って、ACアダプターから電源を供給する方法のほうが汎用性も高く簡単なので、そちらがおすすめです。

USB PD対応ではないUSB-Aコネクタからノートパソコンに電源を供給すると、4.88V・2.34Aの電力が供給されていることが確認されました。

5V2.4A(12W)タイプと同程度の電力なので、バッテリーの充電は無理かと思いましたが、なぜか充電されたものの、充電予想時間は10時間以上という状況です。

USB PDに対応するUSB-C端子からノートパソコンの電力を供給したところです。19.8V・2.55Aと圧倒的な大きな電力が供給されました。

USB PDから50Wを越える電力が供給され、充電完了までの予想時間は約2時間に。これなら、十分に実用レベルといえるでしょう。

まとめ

やはりイチオシは5V2.4A(12W)タイプ

筆者もそうでしたが、古くて安い5V1.0A(5W)タイプのシガーソケットUSBを使い続け、非効率な充電を繰り返しているケースが珍しくありません。今一度、お手持ちのものを確認して、5V1.0A(5W)タイプなら、すぐ5V2.4A(12W)タイプに交換することをおすすめします。1ポートタイプなら数百円から購入可能ですし、2ポートタイプでも1,000円前後で手に入ります。

悩むのは、USB PDやQCなどの規格に対応したシガーソケットUSBを、導入するかどうかです。筆者は、ノートパソコンをACアダプターなしで充電したいという希望があり、その際に必要な電力が61W、USB PD 2.0に対応している必要があったので、これに対応した製品を購入したわけです。

5V2.4A(12W)タイプよりも高性能な物を購入するなら、「何に使いたいか」を明確にしてから。

逆にいえば、特に具体的な希望がなければ、5V2.4A(12W)タイプを購入して、しばらくは様子見で十分といった印象です。今、USB端子からの電源供給は規格が乱立して、素人には分かりにく過ぎます。この状況で、大容量の最新規格対応の高額品を購入しても、すぐに新しい規格が出てきそうです。素人でもわかりやすい、統合された規格が出てくることを期待します。

もし、5V2.4A(12W)タイプ以上に高性能なシガーソケットUSBを購入するなら、素直にシガーソケットからAC100V(家庭用電源)に変換するDC-ACコンバーターのほうが汎用性も高く、おすすめだと筆者は感じました。

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齋藤千歳(フォトグラファーライター)

元月刊カメラ誌編集者。新しいレンズやカメラをみると、解像力やぼけディスク、周辺光量といったチャートを撮影したくなる性癖があり、それらをまとめたAmazon Kindle電子書籍「レンズデータベース」などを出版中。まとめたデータを元にしたレンズやカメラのレビューも多い。使ったもの、買ったものをレビューしたくなるクセもあり、カメラアクセサリー、車中泊・キャンピングカーグッズなどの記事も執筆。現在はキャンピングカーを「方丈号」と名付け、約9㎡の仕事部屋として、車内で撮影や執筆・レビューなどを行っている。北海道の美しい風景や魅力を発信できればと活動中。

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