【Discord(ディスコード)の楽しみ方】SNS疲れが生んだ半クローズドな快適空間 活用法と注意点を紹介

アプリ

今回は、日本でも徐々に広まりを見せるコミュニケーションツール「Discord」についてご紹介します。昨今は、SNSのオープンなコミュニケーションを超えた、新たな交流が活発化しつつあります。それを踏まえ、コミュニケーションツールの革命的存在であるDiscordのメリットや使い勝手、招待制サーバー特有の空気感などをレポートしていきます。

Discordとは?

幅広い役割を持つコミュニケーションツール

Discordとは、2015年にアメリカで誕生したボイスチャット・テキストチャットなどを楽しめるコミュニケーションツールです。

TwitterやInstagramなどのオープンSNSとは異なり、LINEやSlackなどに近い感覚で、1対1もしくは複数名での交流します。サーバーに招待されたユーザー間のみでコミュニケーションが可能な「半クローズド」が基本。ネットゲームや趣味の交流から、テレワーク下における作業通話・会議まで、幅広い役割で活用できることから注目を集めています。

「半クローズド」でさまざまな交流ができる。

apps.apple.com

ニーズに合わせて気ままに利用できる

Discordの特徴は、1つのアカウントから異なる「サーバー」を介して、さまざまなユーザーと交流するという点にあります。LINEにおける「グループ」と「オープンチャット」の中間にあたるイメージで、限られた知人のみが集うものから、大規模なオンラインコミュニティまでさまざまです。

なかには、アーティストのファン向けサーバーや、完全なオンラインコミュニケーションに特化したものも存在します。自身のニーズに合わせて気ままに利用できる気楽さから、インターネット上で人気を博しています。

Discordの始め方や詳しい機能については、以下の記事も参考にしてみてください。

アプリは、以下のボタンからダウンロード(インストール)できます。iOSの場合は「App Store」から、Androidの場合は「Google Play」から行ってください。


ニーズに沿った場所の探し方

どんなサーバーに入るべき?

LINEに近い感覚で気軽に利用でき、TwitterなどのSNSほどオープンではないのが、Discordのなによりの長所といえるでしょう。自分でサーバーを立ててオンラインゲームの交流ツールとして活用したり、bot機能やBGM機能などを導入してサーバーの利便性を向上させたりと、外部サービスとの連携力やカスタマイズ性にも優れています。

そんなDiscordですが、個人的にオススメしたいのが「趣味・目的に沿ったサーバー」でオンライン上のコミュニケーションを楽しむ使い方です。かつてSNSが存在しなかった時代のチャット文化・掲示板文化のように、各サーバーで定められたルールを遵守すれば世界中の人々と気軽に交流できます。

たとえば、筆者はDiscordを活用して、国内外のコアな音楽ファンとの交流や情報収集を、積極的に行っています。日本にほとんど情報が存在しない、ニッチな音楽ジャンルをメインとするサーバーに加入したり、海外のインディーズレーベルが運営しているファン向けコミュニティへ参加したりしています。

では、そういったオンラインサーバーは、どのように探せば良いのでしょうか。簡単な始め方としては、「まずは知人・友人とサーバーを作ってみる」「自身が関わりのあるコミュニティのDiscordサーバーに加入してみる」ことが代表的です。LINEやTwitterなどに近い感覚で気軽にスタートし、まずはDiscord自体の利用に慣れておくと良いでしょう。

外からサーバーを探す方法としては、「専用の検索ツールで趣味の合いそうな場所を探す」「SNSなどから招待URLを見つけ出す」といったアプローチが有効です。たとえばDiscordサーバー専用の検索エンジン「DISBOARD」では、カテゴリやタグから自分のニーズや興味に沿ったサーバーを、細かく検索することができます。

作業通話用のサーバーから、テキストチャット専用のサーバーまで、その種類は多岐にわたります。中には、数千人規模のものまで存在します。

利用時の注意点

ただ、オンライン上でのコミュニケーションという性質から、Discordの利用時にはいくつか注意すべき要素もあります。たとえば女性専用・学生専用など、サーバーによってはある程度利用者層に制限をかけている場も存在します。

アプリの性質上、招待URLがあれば誰でも参加は可能ですが、マナーや倫理的な観点、場を荒らす要因となることから、コミュニティへの無理な加入はオススメできません。なにより、サーバー内で飛び交う話題を汲み取れなければ、せっかくの交流機会も楽しめないでしょう。

加入したサーバーはいつでも自己判断で脱退できるため、「合わない」と感じたら身を引くことが無難です。サーバーによっては、オンラインユーザーが実質ほぼ存在しない「過疎化」が生じていることもあるため、自身の趣向と合う場でも、思うように交流できない可能性も想定されます。

また時折、英語圏のWebスラングであるNSFW(Not safe for work)というワードが設定されている場所があります。Not safe for workは「職場での閲覧注意」といった意味合いで、いわゆる「18禁」のコンテンツを含む場合があります。性的コンテンツを含むセンシティブな話題が飛び交う可能性が高いため、苦手な方は避けることが無難です。

そして、大小さまざまなサーバーに加入することで、Web上のさまざまな仮名ユーザーとの交流機会が自然と増えるため、残念ながらスパム行為・ハラスメントを受ける可能性もゼロではありません。もちろんこれはTwitter等でも同じですが、あくまでも「インターネット」であることを念頭に置いた上での交流を心掛け、無闇な個人情報の共有や、オフ会の計画などは避けることが望ましいでしょう。

Discordの流行が意味するもの

「SNS疲れ」や「コミュニケーション需要」の表れ

以上のようにDiscordは、「アカウント=自分」であることを余儀なくされるSNSよりも、気軽にクローズドなコミュニケーションを楽しめるツールです。その反面、自由度の高さと引き換えに、自己責任を原則として、一定以上のリテラシーが求められる場でもあります。

インターネットが広く普及した現在ではつい忘れがちですが、やはり「オンラインとオフラインは違う場である」ことを意識し、その上でWebならではの交流を楽しむ、というバランス感覚が重要です。

Discordが流行した背景には、「SNS疲れ」「コロナ禍でのコミュニケーション需要」なども関わっていると推察できます。これは、90年代後期から00年代初頭にかけて流行した「草の根BBS」や「チャット」に存在していた空気感と捉えることもできるでしょう。

ネット上のコミュニケーション手段が飽和したことで、逆にユーザーそれぞれが「ある程度同じ趣味趣向を持つ小規模なつながり」に回帰しつつある傾向が読み取れます。

「SNSには疲れたけど、人との交流は続けたい」「地位やフォロワー数を気にせず、気軽なコミュニケーションを取りたい」といった人々の潜在的な意識が、Discord文化を大きく発展させたと言っても過言ではないでしょう。

自由かつ誰も傷つかないコミュニティの成功例

たとえば、先日スパム攻撃により惜しくも閉鎖を余儀なくされたDiscordのサーバー「Twitter2」では、上記のコンセプトに基づき、自由かつ誰も傷つかないコミュニティの形を模索する実験的な試みがなされ、最終的には1万人近くのユーザーが集っていました。

Twitter: @nyalra tweet

twitter.com

「アニメのはなし」「音楽」「きれいなもの」など、カテゴリごとに分けられたスレッドを掲示板として扱い、趣味に応じた交流はもちろん、「人生」「不眠」など他人に打ち明けづらい内容をこっそりと共有できるスペースも設けられていました。そして、大きな争いもないまま10ヵ月強にわたり、平和に運営されていました。

ディストピア小説やSFから着想を受けたコミュニティでありながら、論争や衝突が耐えないTwitterや5chなどの巨大プラットフォームよりも、Discordのサーバー「Twitter2」は遥かに穏やかな場であったことをここに記録しておきます。Discordは使いようによって良い方にも悪い方にも転ぶ危うさを孕んだツールですが、少なくとも「安心できる場」として、大規模なユーザー数を支えた成功例として。

まとめ

インターネットにおける新たなコミュニケーションの可能性を、各所で密かに拡げているツール・Discordについて取り上げました。筆者自身もコロナ禍以降、コミュニケーション機会を失い、気軽に他者と交流できる場を求めていた中で、Discordに出会いました。以降、数十のサーバーを行き来するライフスタイルがすっかり定着しました。1998年の名作アニメ『serial experiments lain』に登場するオンラインコミュニティ‟WIRED”のような空間が世界中で次々と誕生している昨今、特にギーク寄りの方やネット歴の長い方は、Discordへの移住を検討してはいかがでしょうか。

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松島広人(フリーライター)

Webディレクターとしてコンテンツの企画・編集・校正・執筆・SEOを担当する傍ら、フリーランスのWebライターとしても精力的に活動。業種・業界を問わず多数のジャンルを手がける。ポップカルチャー・サブカルチャーにも精通しており、幅広い知識を活かしたライティングを得意とする。

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