丈夫で育てやすく、病害虫も少ないブルーベリーは初めての果樹栽培に適しています。コンパクトに育てやすく、ベランダでの鉢植え栽培でも十分に楽しめます。より多く収穫するためには、開花期が近い同じ系統の別品種を近くに植えると結実しやすくなります。ブルーベリーの育て方について、書籍『おいしい果樹の育て方』著者で、千葉大学環境健康フィールド科学センター助教の野田勝二さん(農学博士)に解説していただきました。
3 摘花・人工授粉
1つの花芽から5~10個の花が房状に咲きます。
植えつけて1~2年の幼木に実をならせると、その後の生長が悪くなるため、この間に花がついたときは摘花を。
また、たくさん花がつきすぎたときも適度な数に摘花をするとよいでしょう。
摘花
粒の大きい実にしたいときは、摘花を。密集している部分の花を間引くとよい。

人工授粉
通常、受粉は虫によって行われるが、たくさん実らせたいときや虫の少ない都市部では人工授粉をするとよい。

筆先などに同じ系統の異なる品種の花粉をつけ、花の中でかき混ぜるように動かす。

4 収穫
花が咲いた順に熟していきます。実が大きくなってブルーになってから4~5日たったころが収穫適期。熟していれば手でつまんで軽くひねるとすぐに取れます。
結実後は水切れしないよう注意し、鳥被害が心配されるときはネットをかけましょう。

白い粉は「ブルーム」と呼ばれ、果実を雨や乾燥から守っている。新鮮な証拠なので、このまま食べても大丈夫。

軸の根元が実と同じブルーになっていれば、完熟している。
病害虫
ほかの果樹に比べてひどい病害虫被害はあまり見られません。まれにイラガ、ミノガなどが葉を食害することも。見つけ次第、捕殺します。
▼灰色かび病
花、幼果、若い葉や芽に感染する。低温多湿な年に多い。灰色の菌糸で覆われて褐色になってやがて枯れる。剪定で風通しをよくしておく。
▼イラガ
葉脈を残して葉を食害する。幼虫には毒を持ったトゲがあり、触れると電気が走ったような痛みを伴います。駆除の際は必ず手袋をつける。
本稿は『おいしい果樹の育て方 苗木選びから剪定、料理まで』(西東社)の中から一部を編集・再構成して掲載しています。